問題を解くより、問題が生まれる場所を見ている
エンジニアとして長く仕事をしていると、
「どう実装するか」より先に、
「なぜその問題がそこに現れたのか」が気になるようになった。
コードを書くことは好きだ。
でも、本当に面白いのはコードではない。
要件が曖昧になる瞬間。
部署ごとに言葉の意味が少しずつ違う瞬間。
運用が積み重なり、誰も全体像を説明できなくなる瞬間。
そうした境界には、
技術だけでは解決できない構造が現れる。
近年はAIが実装を支援してくれるようになった。
だからこそ、人間に残る役割は「知識量」ではなく、
何を問い、どこで区切り、どの構造を未来へ残すかになりつつあると感じている。
私は新しい技術を追うこと自体よりも、
変化しても壊れにくい設計や、
数年後の保守担当者が困らない境界を考えることに価値を感じる。
複雑さを消したいわけではない。
複雑さには理由がある。
その理由を観察し、
扱える形へ翻訳することが仕事だと思っている。
最近、そんなことを考えながら、
コードを書き、記事を書き、ときどきAIと対話している。
問題を解決する人は多い。
でも、
問題がどのように生まれ、
どのような構造なら再び起こりにくくなるのか。
その景色を見続ける人は、
案外少ないのかもしれない。