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長時間労働対策 = 組織の体質改善 + ICT

現在、残業上限規制で月平均60時間等の議論が行われています。私は、長時間労働の問題について、まずトップが「長時間労働について改善したい」という強い想いが必要だと思っています。

「残業しなければ売上げ、利益を確保できない」
「残業しなければ、現場は回らない」

という状況では、36協定や就業規則を変更しても、長時間労働の諸問題は解決されません。

 一般的に、日本は長時間労働で知られています。確か年間の総労働時間平均は2000時間で、欧米より500時間くらい多かったと思います。日本は

「助け合い」の職場文化

であり、職場の誰かが困っていたら、他の誰かが助けるのを当然視します。多くの会社が、

論理や数値ではなく「目に見えない何か」

を信じることで、会社も従業員も心身ともに成長し続けてきました。残業するのが当たり前、残業しないと給与が減る、と感じている従業員に、

「社内のルールが変更されたから残業を少なくしてください」

では腹落ちしません。トップが

「何のために長時間労働を見直すのか」「なぜ長時間労働を見直すのか」
「会社のビジョン実現に残業削減が必要な理由」

といった残業を減らす目的や理由を伝えることが重要です。大きな病にかかった場合、手術が必要です。でも手術だけでは健康な身体に戻りません。健康になるには、日頃の体質改善や検査が必要です。

手術→→→→就業規則や36協定
体質改善→→→→従業員一人一人の意識

ということで、長時間労働の問題は、まずはトップが従業員に「長時間労働について改善したい」という強い想いを伝えることが1stSTEPです。しかし、これだけでは長時間労働の問題を解決できません。

「残業しなければ売上げ、利益を確保できない」
「残業しなければ、現場は回らない」

意識が改善されても、これら問題を解決しなければ、本末転倒です。長時間労働の問題は、仕事の進め方やビジネスモデルも見直す必要があります。

IT導入補助金で仕事の進め方やビジネスモデルを見直す!!

今の時代、業務の効率化、ビジネスモデルの見直しといえば、ICT(情報通信技術)です。現在、経済産業省に『サービス等生産性向上IT導入支援事業補助金』といった事業があります。

サービス等生産性向上IT導入支援事業補助金
中小企業・小規模事業者等がITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を図ることが目的


テレワークには、クラウド型の基幹システム、ペーパーレス、タイムカード、経理や給与システム、などが必要です。またクラウドPBXやビデオ会議装置も大変役立ちます。 

成果主義の失敗を生かす時が来た。

バブル経済が崩壊した1990年代以降、従来の年功序列型の人事評価制度をから、成果主義型に「制度の変革」が流行しました。でも、

成果主義は誰のために導入されたのかわからない、
なぜ成果主義が導入されたのかわからない、
会社全体で成果主義の方針の共有されていない、

などを理由に、うまく活用できなかった企業が多かった。長時間労働の改善も、制度やルール先行すると、成果主義と同じ結果を招いてしまうのではないでしょうか。このような失敗を繰り返さないアドバイスができるのは、社外の人事部的存在の社労士です。

長時間労働対策 = 組織の体質改善 + ICT

長時間労働の対策を、制度の変更だけでなく、組織内のコミュニケーションや仕事の進め方にも着眼し、具体的かつ的確なアドバイスができる業界でありたい。