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労働時間と会社業績をセットで考える

労働生産性は、従業員一人当りの付加価値額を示す指標です。

「付加価値 ÷ 従業員数」

で算出するのが一般的ですが、私は以下の方法で計算する指標の方が好きです。

「粗利益 ÷ 会社の年間平均労働時間」

付加価値を従業員数で割った数字は、会社全体の財務的な指標イメージが強く、労務的な印象が薄いです。社労士は「雇用形態、労働時間、賃金」を軸に労務を考えます。だから私の労働生産性イメージは

「短い労働時間でどれだけ価値を生み出したか」

です。最近、「働き方改革」の影響もあり、

労働時間は最小限に。労働時間が少なければ少ないほど価値がある。

といった妙なイメージが先行しています。本来「労働時間を最小限に」は、

業績や生産性は保たれる、または右肩上がり

ってのが前提。仕事の進め方や、ビジネスモデルの見直しをせず、労働時間を減らせば、会社の業績に影響が出て、色々な問題が発生するのは当たり前です。従って、労働生産性を考えるには、

会社の年間平均労働時間
(全従業員の年間総労働時間(残業、休日残業を含む)を従業員数で割った時間)

のような、実際の労働時間と会社業績を比較した方が、本当の意味での生産性をイメージしやすいと思います。また、社労士らしい考え方だと思います。

でも、実はこの会社の年間平均労働時間、算出するのが難しい・・・・
特に個人ごとの年間の総労働時間計算が大変・・・

月所定労働時間が170H、残業40Hの場合、 2,040+480=2,520

このようにシンプルであればいいのですが、残業は毎月変動、時間給者は所定労働時間が使えない。だから、個人別に賃金台帳を表示して集計しなければならない。

とても大変・・・

ってことでエクセルで簡易的なツールを作りました。


先日、IT導入補助金の申請を行いましたが、この申請書類の中に、労働生産性を記載する箇所があります。計算方法は私と同じ、

「粗利益 ÷ 会社の年間平均労働時間」

また、2017年度の厚労省助成金は、生産性要件を重要視する傾向があります。

社労士事務所の労働生産性は?

労働集約型ビジネスと言われている社労士事務所、私なりの指標で生産性を考えてみました。

売上1,000万 年間平均労働時間1,500H 1時間あたりの生産性→6,667円
売上2,000万 年間平均労働時間1,500H 1時間あたりの生産性→13,333円売上3,000万 年間平均労働時間1,500H 1時間あたりの生産性→20,000円
売上1,000万 年間平均労働時間2,000H 1時間あたりの生産性→5,000円
売上2,000万 年間平均労働時間2,000H 1時間あたりの生産性→10,000円売上3,000万 年間平均労働時間2,000H 1時間あたりの生産性→15,000円

1時間あたりの生産性を従業員人数で割れば、一人あたりの生産性が算出できますね。私が考える、健全な社労士事務所運営のための労働生産性はこんな感じです。

所長:年間2,800H 社員:年間2,400H パート:年間1,300H
所長1人 パート2人 の場合:年間平均労働時間1,800H
社員1名で売上1,000万 パート1名で売上500万
1人あたりの労働生産性は3,000円以上を確保

労働時間を少なくすることに価値を見出す時代


労働時間を短くする改革を考える場合、労働時間と業績をセットで考えることが重要だと思います。

労働生産性が、改革前と改革後にどのような変化になったのか、

労働生産性の指標をわかりやすく数字で示し、労働時間を短くするアドバイスは、社労士らしい仕事であり、社労士にしかできない仕事だと思います。

いつか、弊社取り扱いのソフトやサービスの中にも、会社の年間平均労働時間に着眼した労働生産性指標がわかりやすくチェックできる機能を搭載したいと思います。