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マネジメントの知識は屋台で通用するのか

 今年偶然地元のイベントで二日間屋台を任されることになりました。大学で得た知識を応用して目標の売上高を達成できたことはとても自信になりました。目標は三時間以内に千本の焼き鳥を売ることでした。しかし、毎年100本以上もの売れ残りが発生し、大きな損失を出していました。そこで今までのオペレーション に問題があるのではないかと思い、毎回屋台を手伝っている方にいくつかの質問をして問題点を探ることにしました。そこで私が気づいた問題点は作業効率の悪さ、鶏肉の品質の問題、そしてスタッフとのコミュニケーションの欠如でした。昨年まではイベントが始まると同時に焼き始めていました。その結果、行列を作り最終的にはお客様が離れてしまうという状態だったようです。そこで私は一時間早めにス タッフを集合させて500本の焼き鳥をあらかじめ90%まで火を通した状態にし、残りの10%はお客 様が注文してから完成させる手法を取りました。その結果5−7人のお客様にできたての焼き鳥を注文後 1分30から2分以内に提供することができました。昨年までは、はけでくし一つ一つタレを塗っていた ため時間を大幅に無駄にしていました。そのため今回は牛乳パックで簡単なタレ用の容器を作り何本かのくしをまとめてタレにつけ時間短縮をし、さらにタレの余計な消費も抑えることができました。これらのかいもあり、行列を極力最後まで作らず、迅速に焼き鳥を提供することができました。鳥肉の品質向上も 目標達成の大きな理由の一つです。⻑年契約していた卸業者の鳥肉の品質は私の予想を大きく下回っていたため、他の業者や個人商店から購入することを提案しました。その結果、同価格ではるかに高品質の鶏肉を仕入れることができました.そして最後にスタッフとのコミュニケーションの問題を解 決しなければなりませんでした。今回は幸運にもお手伝いしてくれたスタッフが私の戦略に賛同し、協力していただけました.しかし、なかには私の意見に耳を傾けず、自己流を貫く方が何人かいました。その結果、一時的に作業がストップし、チームの輪を乱し、多くのお客様を待たせることになってしまいました。もともと屋台を始める前のミーティングで私の方針に添えないときは随時私にアドバイスや改善点を 述べて問題に柔軟に取り組んで行き、私のサポートをお願いしますという内容の話をしていました。しかし今回のケースは自分のプライドを守るための自己中心的な行動であったため、お帰りいただくことにし ました。この状況では最善策であったと私は信じています。しかしスタッフと密にコミュニケーションを 図り私自信を信用してもらう努力を怠った自身の怠慢でもあり、今後はより一層チーム内のコミュニケーションを大切にしたいと感じました。今回、私は大学で得た知識を実社会で活用し成果をあげることがで きました。しかし、知識だけでは不十分で、何よりも重要なことはスタッフの信頼を勝ち取ることだと実感しました。ビジネスの世界ではTrust is Money とも言われるよ 周りから信頼されるような誠実な人間になれるようにこれからも努力していきたいと感じました。

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