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Endless SHOCK 2022

「Endless SHOCK 2022」in 博多座

今回は2公演をチェックしてきた。

本編としては3年振り、博多座としては5年振りとなる今回の公演。
今のご時世を考慮して徹底的な感染対策をし、一つの作品を作り上げている姿勢を特に感じた。

年々、主人公コウイチの良い意味での「人間臭さ」がうまく引き出されていて、
「リーダーシップ」「トップに立つ者の苦悩」など、一般の人からもより共感されやすいキャラクターになっていると思う。

そして今回、ライバル役にはKis-My-Ft2の北山宏光さん、劇場のオーナー役には「ナイツ・テイル」で光一さんとも共演した島田歌穂さんが抜擢。

北山さんのライバル役「ヒロミツ」は、良い意味で期待を裏切られた。「DREAM BOYS」「少年たち」「滝沢歌舞伎」などで見ている北山さんは、感情丸出して挑発したりムカツク感を出していかにも悪という役をしていた印象なので、今回のライバル役もそういう方向性で来るのかと仮説を立てていたが、見事に裏切られた。実際は冷静で落ち着きのある、おそらく歴代のライバル役であるウチやタツヤ、ヤラなどとは全く違うタイプのライバル像になったと自分は考えている。しかし、北山さんが雑誌のインタビューで語っていた「見終わった後、あいつかわいそうだなと思ってもらえたら」という一文にある通り、確かに何をやってもコウイチには勝てず、強がって?ふてくされて?コウイチに対抗しているが、結果を出せないヒロミツに共感する人は多いだろう。特に女性からすると、「私がいないとだめ」「私がなんとかしてあげないと」と思わせるキャラクター像を感じさせているので、共感されやすいと強く感じた。とても良い味を出しており、間違いなく「Kis-My-Ft2の北山宏光」にしかできないライバル役なった事は間違いないだろう。

歌穂さんのオーナー役。今回特に強く感じたのは、「諭す」「語りかける」などのワードが最も合致するという事である。ここ数年オーナー役としてお馴染みだった前田美波里さんは比較的「寄り添う」「良い意味で少し干渉しすぎる」というオーナー像のイメージが強かったが、歌穂さんは「良い意味でドライで突き放すが実はちゃんとカンパニーの事を誰よりも考えている」というオーナー像を表現していたかのように思う。答えを直接教えるのではなく、ヒントや大まかな全体像を示し、細かい事はカンパニーそれぞれのメンバーに考えさせ、自分はあくまでも全体の「かじ取り役」に徹するという、業界業種問わず一番理想的なリーダータイプであるという事を感じた。また一つ、新たなオーナー像が誕生したように思う。

基本的に、エンターテインメントには正解は無いものだが、この「Endless SHOCK」という作品は特にその事を強く実感できると改めて感じた。本当に、「100人いれば100通りの考え、正解があり、一人一人の人生に当てはめて感じる事ができる」作品である。改めて人生でこの作品に出会えた事が感謝だし、とてつもない奇跡だと考えている。

前々日の公演中止を受けた後の今回の公演。今のご時世、改めて「リアルでエンターテインメントをやる事の難しさ、ありがたさ、そしてリアルでしか生み出せない、伝えられない価値の重要性」を感じた。今は無き森光子さんの言葉「エンターテインメントは世の中が平和でなければできない」という事をとても強く実感している。

やはり自分の人生の哲学は以下の言葉に集約されている。
その事は紛れもない事実だと、今回改めて再確認できた。

Show Must Go On!
〜何があってもショーは続けなければならない〜