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「Endless SHOCK」「Endless SHOCK-Eternal-」in帝国劇場

今回は、

・2作品同時上演

・帝国劇場での「Endless SHOCK」(本編)は3年ぶりの上演

・上演以来、初のWキャスト(佐藤勝利・前田美波里/北山宏光・島田歌穂)

と話題性も抜群で、例年以上に注目が集まっている。

光一さんもセールスポイントとして上げていたのが、このSHOCKという作品は、

「Endless SHOCK」「Endless SHOCK-Eternal-」両方を見て初めて完結するという点で、

理想は同日に2作品を見ればより理解が深まるという趣旨のものである。

それを何としても実現すべく、FC枠、一般枠、クレジットカード枠などありとあらゆる手段をフル活用した結果、運よく、

①「Endless SHOCK」(佐藤勝利・前田美波里)

②「Endless SHOCK」「Endless SHOCK-Eternal-」(佐藤勝利・前田美波里)

③「Endless SHOCK」「Endless SHOCK-Eternal-」(北山宏光・島田歌穂)

計5回の観劇機会を得る事ができた。

そして先日、①と②を観劇してきた。今回はそれらのフィードバックをしていきたい。

①「Endless SHOCK」(佐藤勝利・前田美波里)

前回と比べてどういう点が変化したかを俯瞰する為、「全体視点」から確認した。

結論、所々細かい演出の変化は多少あるが、概ね前回の博多座公演とそれほど変化はない印象であった。しかし、変化をどうしても挙げるとすれば、キャストの点になるだろう。

今回ヒロイン役が乃木坂46の中村麗乃さんになった事で、今までで一番若いカンパニーになった印象を受けた。彼女のつぶらな瞳や愛くるしい姿など、もしかしたら一番女の子らしいヒロイン像になったのではないかと感じた。また、彼女は外見が同じ元乃木坂46の生田絵梨花さんにどこか似ているので、同じミュージカル女優のポテンシャルを感じた。

そして、ライバル役は前回に引き続き、Sexy Zoneの佐藤勝利さん。彼は昨年に比べて間違いなく成長しており、良い意味での「悪者感」「挑発姿勢」を感じた。彼はあの外見からしてどうしても「正統派アイドル」なので、いくら役作りで尖ったライバル像を作っても、どこかに「優しさ」が残るので、昨年は正直物足りなさがあったのだが、今回は「前に前に」「俺が俺が」のグイグイ感をかなり感じ、役者としてのスキルが確実に上がっていると確信した。

②「Endless SHOCK」「Endless SHOCK-Eternal-」(佐藤勝利・前田美波里)

本編はコウイチ視点、Eternalはカンパニー視点で見た方がより理解が深まる。今回改めて思った事だが、この作品は本当に「たられば」要素が強い内容である。「あの時ああ言っていれば・・・」「あの一言がなければこんな悲劇にはならなかったのに・・・」と、ほんの一言二言がきっかけでその後の人生が大きく左右される展開は、現実世界に生きる我々の人生とリンクしているように思えてならない。この「自分の人生にも当てはめて観れる」というのが重要で、ただ観るのではなく思考を回転させながら観るという構成にしている点が流石である。

そして今回、本編で最も強く感じたのがショウリ(ライバル役)の焦りである。コウイチに追いつきたいと思えば思うほど距離は遠くなり、カンパニーの仲間も離れていく感じがする。その危機感から、些細なことでコウイチに突っかかり、どんな小さなことでもいいから、コウイチに勝てるマウントを取ろうとする。だが、なかなかコウイチに勝てるものが見つからず、考えた結果、コウイチがいつも言っている「どんな事があってもショーを続ける」ということに目を向け、本物の刀をコウイチに持たせてショーをストップさせ、「コウイチに勝利する」という考えにたどり着く、しかしそれも想定外の事態に終わり、あの悲劇を招き、そしてEternalでも後悔の念を抱き続けて、初めてコウイチへの感謝の思いやリスペクトさが生まれてくる。SHOCKという作品の主人公はコウイチなのは間違いないが、実はそれ以上にショウリ(ライバル役)の方が存在感として高いのではないか・・・

心からそう感じた。

今回、2作品を同日に観て、「SHOCKという作品はEternalで完結する」というのを再確認できた。本編でストーリーを観て、Eternalで「答え合わせ」をするというのが正しい形かもしれない。同じ2つの作品を観るのでも、一定期間を空けて観るより、わずか1時間30分程度の間隔で観た方が記憶も新鮮かつテンションが上がった状態で観れるので、より理解が深まりやすいと実感した。「Endless SHOCK-Eternal-」という作品がコウイチの人間臭さを最大限に引き出す事になったと感じている。しかし、もし欲を言えるのであれば、もう一つ、「Endless SHOCK-完全版-」的な作品もチェックしてみたい。要は、ストーリーがスムーズに進み、カンパニーの間に何も問題が起こらなかった時、このカンパニーはどうなっていたのかという、「本当の意味でのハッピーエンド」の結末を自分が生きているうちに是非とも観てみたい。

「SHOCK、コウイチ、そして堂本光一という人物について」

役柄のコウイチは決して完璧な人間ではない。むしろ、初演に比べ、ここ数年で一番人間臭さが出ているように思う。それは、コウイチを演じる堂本光一さん本人の変化と確実にリンクしていると思う。これだけ長く続け、どれだけ作品のクオリティーを磨き続けてきても、SHOCKという作品の0→1の生みの親である「ジャニー喜多川氏」「少年隊」への絶大なリスペクトを持っていることを強く感じる。時代やその時々の状況に合わせて勿論新しい事を取り入れつつも、しかし、

「変えない(むしろ変えてはいけない)部分は変えない」

というスタンスを徹底的に貫き続けている。

今回、新たに気づいた事がある。それは、自分にとって「尊敬する」人はジャニー喜多川氏、「憧れる」人は堂本光一さんという点である。自分が考えるに、ジャニー氏は「0→1」の人、堂本さんは「1→10」の人である。尊敬の定義は「こうなりたい、目指したい(自分と同タイプ)」、憧れの定義は「なりたいけどなれない(自分と異なるタイプ)」だと考えており、ジャニー氏は「ラテカル思考」、堂本さんは「ロジカル思考」タイプの人だと考えている。ふとそう思い、今回SHOCKを見て、改めて目指すべき理想像がまた一歩近づいた機会になったと思う。