書籍【生成AI~社会を激変させるAIの創造力】読了
Chat-GPT3.5による生成AIが話題になったのは2022年末。
それがブームになったのは2023年からだが、2〜3年かけてようやく定着してきたと感じている。
もちろん、未だに生成AIに触れたことが無い人だって多いだろうと思うが、ホワイトカラービジネスパーソンで、それなりの役職に就いている人は、一度位は試したことがあるだろうと思う。
大規模言語モデルであるLLM(Large Language Models)が、まずはテキストでの生成を実現させた。
それから2025年頃には、音声も画像も、そして映像も、簡単に生成できるレベルまで来た。
2026年は、AIは益々進化してAIエージェントに、さらにデジタル世界だけに留まらないフィジカルAI(現実世界との融合のための、身体機能を持ったAIのこと)に進化していくと、予想されている。
AIは今後も、我々のビジネスや社会のあり方そのものを、根底から変えていくだろう。
私自身はテレビ局系列の関連会社で働いているのだが、コンテンツ制作はAIの力によって、どんな変化が起こるのかが、非常に楽しみだ。
台本も作成できるし、イラストも描ける。
もちろん、映像そのものだって、ボタン一つで生成できてしまう。
そんな状況の中で、人間が創作する「クリエイティブ」とは何なのか。
ネット上に溢れるコンテンツは、今現在でもAIが休みなく生成して、無限の広がりを見せている。
生成はAIが行うが、消費(コンテンツを視聴するの)は、人間が行うということであれば、世に溢れるコンテンツの相対的価値は必然的に下がってくる。
イラストも映像もAIが作れるのであれば、クリエイティブを目指す人が減ってしまいそうだが、果たしてそうなるのだろうか。
自動車が発明されて、人間は遠くまで早く移動できるようになった。
「歩く・走る」という価値が相対的に下がっているように感じるが、それでも陸上競技を目指す人が未だにいる。
将棋も囲碁も、人間がAIに負けたのは事実であるが、未だにプロ棋士を目指す人がいる。
この状況を、どう説明すればよいのか。
我々はAIとの向き合い方について、真剣に考える必要性があると思っている。
AIはどう進化して、我々はどこに向かえばよいのか。
結局のところ、人間はAIという新たな創造力を手に入れた。
それを使って、どうやって社会を良くしていくか、に尽きると思っている。
AIというテクノロジーが人間を滅ぼすかもしれないと、警鐘を鳴らす識者も多い。
この点は、私は案外楽観的である。
人類が核反応の技術を手に入れて、日本は被爆国として悲惨なことになってしまった。
それは確かに間違いない事実だが、現時点で人類を絶滅させるほど酷いことにはなっていない。
世界には何千発の核爆弾がすでに存在していて、今いる人類を、何度でも滅ぼすことができる量だという。
確かに人間は愚かだが、核戦争が起こらないように、その一歩手前で何とか踏み留まっている。
AIも同じような状況になるような気がしている。
AI自体が意思を持って、何らかの命令を達成するために、暴走した時は大変だが、それも人間が何とか制御していきそうな気がする。。
何となく「落ち着くところに落ち着くはずだ」という感覚があるのは、楽観的過ぎるかもしれない。
おそらく数々の課題は今後も起きてきて、その都度大きな議論を巻き起こすのだと思う。
AIの課題と真剣に向き合って、その都度対処していくしかない。
目先のことで言えば、「AIに仕事を奪われる」ということも、議論の一つだと思う。
ある分野では間違いなく、AIが仕事を圧倒的に効率化して、今まで人が行っていたタスクを自動化していくだろう。
その見極めを冷静に行っていきたい。
闇雲に人間の仕事を奪う必要はないかもしれないが、本当に効率化に繋がるならば、止めようとしても代替は進んでいくだろう。
個人的に気になっているのは、人間がどうしても生み出してしまう、「ブルシットジョブ(どうでもいい仕事)」という仕事だ。
これだけ科学技術が進化して、人々の生活が変わっているにも関わらず、無駄と思える仕事が生み出されるのはどういうことか。
効率化を目指すAIと、対極のことをするのが人間ということか。
人間が生み出すブルシットジョブを、AIが粛々と担っていくのか。
暇になる人間は、更なるブルシットジョブを開発していくのか。
そんなことにはならないと思っているが、案外人間は賢くはない所が、AIには代替されないむしろ魅力的なところでもある。
そんな楽観的な想像をしているのだが、これもまたどうなるかは全く予想がつかない。
いずれにしても、社会が大きく変化することだけは間違いないはずだ。
人生100年を考えると、私自身は当面生きていそうだ。
そんな自分の未来のためにも、AIの進化を引き続き追いかけていきたいと思っている。
(2025/9/21日)