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社会人一年目を振り返って~リクルート関連書籍を読み漁って 本当に参考になった4つの本~ 

こんにちは! 福田です。

今回は、「社会人1年目を振り返って」をお題にしたいと思います。合わせて、1年目の時に読んで営業の参考になったリクルート関連書籍についても紹介させて頂きます。

僕は2008年に新卒でリクルートに入社しました。

当時は、20代のうちに起業をしたいと思っていたので、まずは起業家輩出企業と言われるリクルートで圧倒的な1番になって箔をつけてサクッと辞めよう、くらいに思っていました。

■全く売れない時に、マネージャーから言われたこと

志だけは立派でしたが、現実は全然ついてきませんでした。

成果を出そうと、売ろうとすればするほど、驚くほど売り上げは上がりませんでした。

あまりにも営業成績が悪く、最初の査定の評価は最悪で、入社時より30%近く給料は下がりました。(今も同様の評価制度を引いているかはわかりませんが、当時は査定ごとに最大40%の給与の上下のブレ幅がありました)

悔しくて悔しくて、でも焦れば焦るほど売り上げは上がらず、悪いサイクルに陥っていました。一発逆転を狙ってお客様に大型提案を持って行っても、お客様は私が目の前のお金欲しさに提案をしていることを見透かしていました。

「前任の〇〇さんは、もっとうちのことを真剣に考えてくれていたよ」などと、営業マンとしては完全に失格の烙印を押されていました。

自信を失いかけていた僕に、当時のマネージャーが言ったのは、「やれと言われたことを、まずは徹底的にやれ」ということでした。

確かに当時の僕は、1日でも早く先輩を追い越そうと、TOPセールスの先輩の真似ごとを見よう見まねでやっていました。使う資料は先輩の焼き増しで、電話の言葉使いやオシャレな雰囲気のスーツまで、見よう見まねで真似していました。

しかし、僕が見てていたのはあくまで先輩の表面的な部分だけで、その裏にある圧倒的な努力は僕は知る由もなく、中身のない提案をいくら顧客に繰り返しても、売れないのは当然でした。

やれと言わたことを徹底的にやれ、スポーツだって華々しいプレーの裏には何万回と繰り返した基本動作や走り込みがあるものだ、そう諭されて、とにかくがむしゃらにやることにしました。

■がむしゃらにやった、3つのこと

当時のマネージャーから言われたのは、大きく分けると3つのポイントでした。

・先輩がなぜうまくいっているのか、もっと本質を学ぼうとしなさい。

上手くいっている人の表面だけを見て真似るのではなく、何に苦労し、その結果どうして今の行動をとるようになったのか。また、提案の裏側で何に気を付けているのか、お客様ごとにどう提案内容を変えているのか。徹底的に学びなさい。

・お客様の担当として、周りの誰よりも自分のお客様に関して、詳しくなりなさい。

経営者は現場をよく理解している人の話には必ず耳を傾けてくれます。

・一人で考えるのではなく、周りの力を借りなさい。

自分で考えられることには限界があります。どこまで社内を巻き込めるかも、営業マンにとって重要な力です。

以上のアドバイスを受け、僕が徹したのは以下の3つのポイントでした。

①リクルートの先人たちの本を読みまくる
②お客様の現状を、トコトン知る(特に、定性面)
③提案内容は、周りにたくさん相談して、アポにも付いてきてもらう

①リクルートの先人たちの本を読みまくる

当時の僕は、まずはリクルートの中で活躍することが目的だったので、過去のTOPセールスの方々からひとつでも多く学ぶべくリクルート関連の書籍を読み漁りました。20以上の元リク/現リクの方々の書籍を読みましたが、その中でも、営業向けの本として社外の方にもおススメしたい書籍は、以下の4つです。

・Hor Pepper ミラクル・ストーリー
・法人営業のすべてがわかる本
・リクルート流 最強の営業力のすべて
・(当時はなかったけど)リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること

以上4つの本を熟読して、すべて行動に移せば、絶対に誰でも売れる営業マンになれると、言い切れます。とにかく、やるかやらないか、です。

Hor Pepper ミラクル・ストーリー

Hor Pepperの事業部長や、地域展開の担当執行役員まで歴任された方が書いた本。

営業の各論というよりは、ホットペッパーというビジネスが如何に事業戦略が優れていたか、そしてそれを支えた営業組織はどのように作られたかが書かれた本です。

この本はリクルート関連書籍の中で、なぜリクルートの営業組織が強いかを各論で記載された、もっともわかりやすい書籍だと思います。

そして、一見マネジメントレイヤーや事業企画向けの内容に見えますが、当時1年目で営業担当だった僕にも、非常に参考になった本でした。

「リクルートってなんでそんなに営業強いの?」とか、「なんでみんなモチベーション高いの?」とか、よく外部の方から聞かれていましたが、正直1年目の社員には中々、組織としての優位性の根拠というのは見えづらいものです。

この本を見ればリクルートの組織作り、営業戦略、その背景の考え方についてよく理解できるのでクライアントに何がキモか、話せるようになります。

大して深い提案もできないうちは、リクルートの組織としての強さの理由をクライアントに話せるだけでも大きな価値ですし、また、自分たちの組織がなぜそのような戦略を行っているかを、本を読むことで理解できると自分自身、その営業戦略を実行するときに、ハラオチちしてモチベーション高く動けるので、成果に繋がりやすくなります。他社の方々が読んでも、取り入れられる内容は多数あると思います。

法人営業のすべてがわかる本

営業で圧倒的な実績を出した後、独立/起業の情報誌「アントレ」の初代編集長を担当された方が書いた本。

営業におけるあらゆるプロセスの具体的各論が記載されています。法人営業の教科書と言えます。

ヒアリングをして、個別カスタマイズされた提案をする という「課題解決型営業」を目指そうという趣旨の内容はあらゆる本にも書いてありますが、この本のわかりやすいのは「ヒアリングで聞くべきこと」の内容が具体的に記載されていたり、カスタマイズ感(オーダーメイド感)を出すために提案書には相手の大事なキーワードを盛りこもう とか、もはや人の考える力を失わせる本なのではないかと思うくらい、行動ベースで書かれています。

リクルート流 最強の営業力のすべて

早い段階でリクルートを卒業した方が、起業などを経たのちに、客観的にリクルートが何がすごかったかを書いた本。

上記の「法人営業のすべてがわかる本」以上に、より現場に近い生の事例が多数、紹介されてます。例えばテレアポで受付を突破するために、「リクルートの〇〇です」ではなく「銀座の〇〇ですけど、社長さまいらっしゃる?」と受付を突破した営業ウーマンの話など、教科書通りではないがTipsとしても参考になる事例が多いです。

何より、最終章にある「7つの営業スキルと62の技術・要素」という項目を非常に参考にしていました。1年目当時の僕は、62すべての項目に〇▲×をつけて、何が自分に足りないか可視化していました。

リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること


この本は、私が社会人1年目の時には存在しなかった本ですが、最近営業マネジメントについて考えていた時に見つけた本です。

リクルートを題材にしてはいますが、どんな会社の営業にも当てはまる汎用的な内容だと思います。最後の紹介になってしまいましたが、この本が一番わかりやすく、スタンスの話と行動各論の話のバランスもよいのでこの中では、一冊目に読むのに最も良い本だと思います。要点がまとまっているので、1.5時間くらいあれば読めます。

「一人前の営業になるための6つの習慣」というのが記載されていますがまずは第一の習慣「お客様にがむしゃらにぶつかり、やりきることで学ぶ習慣」と第二の習慣「成長につながるものの見方に変える習慣」の二つをやりきれば、非常に優秀なマインドを持った営業マンになれると思います。

メンバーのマインドがなんか違うんだなあ、とマネジメントに困っている方はこの本の第一章と第二章をかみ砕いてメンバーに説明してあげると有効かと思います。

②お客様の現状を、トコトン知る(特に、定性面)

当時、僕が所属していたゼクシィには、項目を埋めるだけでクライアントの3C分析が出来る素晴らしいExcelシートがあって、みんなそれを埋めることに尽力していました。

ある時、売上があがらない僕に対して、先輩が「提案前に、このお客様のことを調べつくしたんだよな?」と聞いてきたので、ここまで丁寧に埋めているんだ、文句があるかと、びっしり埋まったそのシートを突き出しました。

しかし、先輩が聞いてきたのは、そのシートの項目に書いていないことばかりでした。

・社長はなぜ、ブライダル事業をやりたかったのか?
・なぜその式場は、その場所にあるのか?
・シェフはどんな思いで料理を作っているのか?
・なぜ、プランナーの人たちはプランナーになりたいと思ったのか?

など、通常の3C分析には入ってこないような内容でした。

「あのなあ、お客様は、みんな数字を達成することを目的に働いているんじゃないんよ。

自分の夢や想いを実現するために、働いているんだよ」

この先輩の言葉に、僕はハッとさせられました。だから今まで、数字だけを並べ、正しいことを言っている提案資料を持って行っても誰も真剣に聞いてくれなかったんだと。

社長も、定量的な分析データをいくら持って行っても、そんなのはすでにわかっていることだからわざわざ時間を作ってなんかくれない。

でも、自分が普段話をする時間をとれていないプランナー達が今何に悩んでいるかを詳しく知っている人の話は、喉から手が出るほど聞きたい。

社長の創業時からの夢を、心から応援するような、熱意のこもった提案であれば、喜んで聞きたい。

実践して、提案される側の気持ちに気づきました。

それ以来、僕はお客様の定量的な数字だけでなく、その裏側にある想いや日々の気持ちの変化に対しても、詳しくなれるように、徹底的にお客様のところに通って、従業員の方々1人1人と話す時間を増やし、たくさんのお話を伺うようになりました。

③提案内容は、周りにたくさん相談して、アポにも付いてきてもらう

いち早く、先輩を追い越して1番になってやろうと鼻息の荒かった僕は、当然追い越すつもりでライバル視していた先輩の力など、一切借りるつもりはありませんでした。

しかし、成果が出ない時にマネージャーに言われた

・自分で考えられることには限界がある
・どこまで社内を巻き込めるかも、営業マンにとって重要な力

という話には非常にハラオチしました。

それ以降、あくまで営業マンの大切な役割は「クライアントと良好な関係を築いて、深い粒度での課題を定性定量の両方で持ち帰ることだ」と割り切り、企画内容は出来るだけ社内の人に相談し、それぞれの得意分野を生かした意見を出してもらうようにしました。

また、そうやっていくうちに気付いたのは、クライアントへの提案の時に社内の人を同席させればさせるほど、商談の成功角度が高くなることでした。

当然、人の意見を参考にして作った(時には作ってもらった)提案なので、いざ企画書を読み上げるときや質問されたときに、自分の言葉で説明できるようになるのはかなり時間がかかることに気づき、であれば代わりに説明してもらえば早いのに加えてクライアントも、「〇〇の専門の人」という目で同席者を見るので、提案に対してポジティブなバイアスがかかるということに気づきました。

・クリエイティブが重要な提案は、制作担当を

・和を取り入れた結婚式のプロモーションを提案するときは、和婚に社内一詳しい担当を

など、その時その時で検討に巻き込む人も同席させる人も、変えるようにしていました。

余談ですが、とある広告代理店で史上最強の営業マンと言われていた方とお仕事にご一緒させて頂いたことがありますがその方は、広告主とのアポに媒体の営業マンを同席させて、いつも隣で鼻くそをほじくっているだけでした。

顧客との関係性作りに徹し、提案の際はトコトン周りに頼る、をただ実践すれば必ず売れるようになるという、良いお手本でした。

以上のように、先輩の教えを実践していくうちに、どんどん営業としての売り上げは上がるようになり、2年目3年目にはMVPや達成率1位を何度も獲得し、4年目には役職がついて、年間10億円を超える大きなチームを任せてもらえるようになりました。

リクルートは自称TOPセールスがたくさんいるが怪しいとかいう意見をよく聞きますが、当時のマネージャーのおかげで、僕も自称TOPセールスの一人になることが出来ました^^

そして、今はリクルートを卒業した身ですが、今でもリクルートは大好きな会社です。僕がリクルートの先輩から教わった経験が、少しでも、現在の社会人1年目の方々に、役立てば幸いです。

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