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彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず

卒業を控えた学生は就職活動の真っ最中です。

お世話になっている先輩方が内定をとったとの噂を聞くたびにとても嬉しくなります。

さて、本日は就職活動において大切とされている「自己分析」についてです。

自分の適性というものは確実にあるので、それを理解していることは非常に大切だと思います。

その一方で、最近僕が学んだもう一つの「自己分析」というものについて書いていきます。


「絶対的な自分」

就活において重視されているのは「絶対的な自分」について考えることです。

まずは、先に述べた自己分析がどうして「絶対的」なのか説明していきます。

辞書で「絶対的」の意味を調べてみたところ

「他の何物ともくらべようもない状態・存在であるさま。」

とのことです。

これはつまり、何か他のものと比較をしないことを意味しています。

自己分析に関していうと、他人と比べるのではなく自分自身の性質についてよく考えることです。

これに対して、僕が学んだのは「相対的な自己分析」というものです。


「相対的な自分」

辞書で「相対的」の意味を調べてみたところ

「他との関係において成り立つさま。また、他との比較の上に成り立つさま。」

とのことです。

これは絶対的とは真逆の意味を持ちます。

具体的な事例について触れながら詳しく説明していきます。

僕の言う「相対的な自己分析」とは、「他者から自分はどのように見えているのか考えること」です。


アイドルの握手会

例えば、あなたがアイドルの握手会に行ったとします。

自分からしてみたらそのアイドルは唯一無二の存在ですから、鮮明に記憶に残ると思います。

ですが、アイドルからしてみれば私たちは残念ながら「たくさんいるファンのうちの1人」に過ぎないことは否定できません。

そのアイドルに会うために握手券を手に入れ、何時間も列に並んでようやく数秒間の面会を果たすことができます。

アイドルからしてみたら、その面会の記憶はたくさんのファンの中に埋もれてしまいます。

アイドルも人間ですから、どうしようもないこと、仕方のないことです。

握手会に関しては自分がアイドルに会えた満足感があれば全く問題ありませんが、これがビジネスだったら大問題です。


ビジネスにおける「相対的な自分」

例えば、苦労して大口の顧客とのアポを獲得したとしても、相手から見れば自分は「やってくる雑兵の1人」に過ぎません。

その相手に会うために時間をかけても実りがなければ苦労の甲斐がありません。

では逆に、自分のことを気にかけてくださる方にお会いすることや、人から相手にされずに困っている人に救いの手を差し伸べることは、どんな効果があるでしょうか?


答えは簡単で、今度は自分が「唯一無二の存在」になれます。

これこそが「相対的に自分を分析する」ということです。

つまり、相手が自分のことをどう思っているのか正確に把握した上で取るべき効果的な行動を決断した方が自分にとっても相手にとっても良い結果を生むのです。


これは「自分が相手に提供できる価値は何か」を考えることに繋がります。

目先の利益を追い求めるばかりに、博打に近い空回りな行動を取るのは賢明ではありません。

それよりは、自分のことを認めてくださっている方々に価値を提供する方が有意義な仕事と言えるのです。

周りからは「アイツは地味な仕事をしこしこやっているな」と思われてもいいじゃないですか。

本質的に重要なのは「派手な仕事をすること」ではなく「自分が持っている価値を提供する」ことです。


最後に

我が身を振り返って、「相対的な自己分析」が正しくできているのか考えてみました。

変なプライドを捨てて、謙虚で素直な心を持っているか?

自分にできることと、できないこととの区別がついているか?

他者の置かれた状況を理解しようとしているか?

自分と相手とを対等な人間同士とみなして他者理解に努めているか?

反省すべきことは尽きません。


仕事の本質は、「自分にできることを正確に理解した」上で「自分が助けられる人に手を貸す」ことだと僕は思っています。

仕事に普く通ずるこの考えを常に持ち続けていきます。