一輪の美しさを、無限の景色へ。AIは光と水。ブランドの世界観を『育む』クリエイティブ。
私はこれまで、フローリストとして「命あるもの」に向き合ってきました。 花には一瞬の美しさがあり、香りがあり、手触りがあります。
しかし、Head of Designとして事業に向き合うとき、常に一つの問いに直面します。 「この目の前の一輪の美しさを、どうやって何万人ものお客様に、温度感を損なわずに届けるか?」
これまで、その答えは「人海戦術」しかありませんでした。 ですが今は違います。私にとってAIは、クリエイティブを自動化する機械ではなく、花の美しさを拡張し、遠くまで届けるための「光と水」のような存在です。
アナログな感性とデジタルの論理を融合させ、ブランドの世界観を「育む」。 私の現在のワークフローと、その思想についてお話しします。
感性の「種」を、論理で広げる
「AIを使う」というと、すべてを機械任せにするように聞こえるかもしれません。 しかし実際は逆です。AIがあるからこそ、私は「人間にしかできないコア(核)」に集中できます。
私はこれを「Augmented Creativity(拡張された創造性)」と捉えています。
私たちが大切にしている「静謐さ」や「生命力」。 この抽象的な**感性の「種」**を私が選び取り、AIという土壌に蒔くことで、枯れることのないクリエイティブとして世界中に届けることができるのです。
具体的なワークフロー:AIとの「共鳴」
現在、私は主に以下のプロセスでAIをパートナーとして活用しています。
1. 「静」から「動」へ。視覚体験の拡張
一枚の写真。そのままでも十分に美しいですが、SNSのタイムラインで流れていく膨大な情報の中では、一瞬で埋もれてしまいます。
私は画像生成AIを用いて、写真の外側に広がる「見えない景色」を描き足し、シームレスに繋ぐことで没入感のある動画(Reels等)へと昇華させています。 物理的な撮影セットの制約を超えてより象徴的にその出来事を保存することができます。
2. 言語化の壁打ち相手として
「そのブランドらしい言葉」とは何か。 キャプション一つ書くにも、以前は悩み、時間を浪費していました。
今は、AIにブランドのトーン&マナー(人格)を学習させ、壁打ち相手として対話します。 「もっと詩的に」「少しだけロジカルに」。 そう相談することで、私の頭の中にあったけれど言葉にできなかったニュアンスが引き出されます。最後には語感を整えます。 AIは、私の言語化能力を拡張してくれるのです。
3. 構成案のプロトタイピング
動画や企画の構成案出しも、AIと協業します。 0から1を考える際の「産みの苦しみ」をAIに助けてもらうことで、私は「上がってきた案が、ブランドとして美しいか否か」の審美眼(ジャッジ)に全神経を注ぐことができます。または素材がなければ私の頭から創造していきます。
Head of Designとしての使命
私が目指しているのは、特定の職人にしか作れない「奇跡の一枚」ではありません。 いつ、誰が、どこで見ても美しいと感じられる「品質の標準化」です。
かつて、花は「枯れるからこそ美しい」と言われました。 もちろん実物はそうです。しかし、ブランドとしてのお客様との接点は、デジタル上で永遠に残ります。
テクノロジーの力で、美しさの解像度を上げ、再現性を高めること。 そして、事業がどれだけ拡大しても、HitoHanaというブランドが持つ「品格」と「熱量」を希釈させないこと。
それが、テクノロジー企業におけるフローリスト、そしてHead of Designとしての私の挑戦です。
私たちと一緒に「美の基準」を作りませんか?
花が好き。でも、テクノロジーも面白い。 そんな「境界線」にいるクリエイターの方、ぜひ一度お話ししませんか。
アナログな手触りを愛しながら、デジタルの力でその可能性を無限に広げていく。 そんな実験を、私たちは日々繰り返しています。