システム屋の登竜門は、入社前から始まっていた
2004年、社会人1年目。
シスアド全盛期の時代に、理系として「基本情報技術者試験」の合格を求められた。
これは資格の話ではない。
企業で働く覚悟を問われた、最初の関門の話だ。
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「文系はシスアド、理系は基本情報」それが普通だった
当時、IPA試験といえば基本情報処理技術者が王道だった。
そこに新しく登場したのが、システムアドミニストレーター、通称シスアド。
ユーザー側のシステム理解を問う、当時は「一番簡単な国家試験」と言われていた資格だ。
役割分担は明確だった。
文系はシスアド、理系は基本情報。
私は理系だったため、迷うことなく基本情報技術者試験を受ける流れになった。
入社条件のように突きつけられた「国家資格」
驚いたのは、そのタイミングだ。
「入社までに合格しておいてください」
まるで入社条件の一つのように、試験受験が指示された。
まだ社会人にもなっていないのに、国家資格。
正直、かなり焦った。
落ちたらどうなる?
本当に入社できるのか?
そんな不安が、試験勉強の原動力になっていた。
大学で学んだことと、意外なほど重なっていた
勉強を進めるうちに気づいた。
「あれ?これ、大学の授業でやった内容と近い」
アルゴリズム、システム構成、基礎理論。
新しい知識というより、体系的に整理された内容だった。
極端な話、大学の試験もIPAにしてしまえばいいのでは、と思ったほどだ。
合格と同時に手に入れた「肩書き」と違和感
なんとか合格。
「国家資格保持者」という言葉を目にしたとき、
嬉しさよりも、少しこそばゆい感覚が先にきた。
でも今ならわかる。
この試験は、知識の証明以上に、
企業という組織のレールに乗る覚悟を確認する装置だったのだ。
大企業で働くということの入口
日立という大企業で働く。
そこには明確なルールと評価、そしてレールがあった。
外れたら振り落とされるのでは、という不安が常に背中を押す。
それでも、期待と不安を抱えながら踏み出した社会人の一歩。
システム屋の登竜門は、確かにあの試験会場にあった。
私ならできる!明日から踏み出す