AI時代だからこそ、UXデザインを深く理解する必要がある!
と思い、日本でおそらく最も網羅的にUXデザインのルールをまとめている「Sociomedia ヒューマンインターフェース ガイドライン」を読み進めて、考えたことを記録して、noteマガジンにまとめている。
今日は19個目。まずは引用から。
19. Task Coherence
ユーザーが、昨日行ったことを今日も行う可能性は高い。これをタスクコヒーレンスと呼ぶ。つまりユーザーが最後に行ったことを覚えているだけでユーザーの行動を正しく予測したのと同じ効果がある。
アプリケーションの再開時に、前回終了した時のタスクを引き継ぐ。画面の状態やユーザーによる設定内容を記録し、次回起動時にそれを再現することで、ユーザーがすぐに作業の続きを始められるようにする。最近使った項目の提示も有効。
https://www.sociomedia.co.jp/9194
「タスクコヒーレンス」は日本語じゃないので、英語の Task Coherence のままで。「タスクの一貫性」と訳せなくはないが、同じく「一貫性」と訳せる consistency と意味合いが違うので、和訳しない方がいい。14年間英語で生活してきた経験からすると、coherence という単語には、一本筋が通っているイメージがある。
これは、ルール#14「Precomputation」と並んで、ルール#18「複雑性保存の法則」の帰結として位置付けられる。
アプリに「ユーザーが最後に行ったことを覚えている」ようにするには、もちろん、エンジニアの作業が必要。ここでも、より良いUXデザインには、エンジニアの献身的な努力が不可欠。ないし、AIエージェントにそういう指示を出せるUXデザインの知識が不可欠。
その昔、まだ、Windowsさえ普及していなかった頃に、ビジネスパーソンの間で超話題になった本、野口悠紀雄『「超」整理法』。この本が提唱した書類の整理法は、時系列で並べる、だけ。今日使ったものを一番最後のところに置く。
この整理法の背景にあるのは「最近使ったものほど、近々利用される可能性が高い」という原理(注)。この原理をUXデザインに応用したのが「Task Coherence」と言える。時間という軸で「一本筋が通っている」という意味で "coherence" になっている。
(注)倉下忠憲『Scrapbox情報整理術』82ページからの引用。「最近使ったファイル」が表示されるのも同じ原理であることもこの本で指摘されている。
いつからか忘れたが、macOSは、電源を切るときに「今開いているウィンドウを次回ログイン時に自動的に開く」というチェックボックスが表示されるようになり、「Task Coherence」を OS レベルで実現できるようになった。

macOS Sequoia 15.7.7 で電源を落とそうとすると表示されるポップアップ
"Reopen windows when logging back in" にチェックを入れると、
次回起動時に、開いているウィンドウが全て自動で開く。
余談だが、たくさんアプリを開いていたままで電源を切ると、翌朝、電源を入れた後に、早く立ち上がったアプリで何か作業を始めた途端、立ち上がりの遅い他のアプリが次々開いて画面が切り替わってしまい、作業が中断されてしまう(私の始業時のルーチーンw)。。。
アプリを立ち上げると強制的にアクティブになる、というのは全く必要性がないと思う。使おうと思う時は自分でアクティブにするわけだから。ルール#9「モードレス」に反しているとも言える。
(私が書いたnote記事を転載しています。)