マーケティングは、施策ではなくビジネスである
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近年、マーケティングは、SNSマーケティング、コンテンツマーケティング、広告、インフルエンサー施策など、手段(施策)を起点に語られることが増えていると感じています。
しかし本来、マーケティングは事業目的や解決すべき課題から逆算して設計されるべき、ビジネス領域の取り組みです。達成したい目的があり、あるいは克服すべき課題があり、そのために何が最も有効なのかを整理した上で、戦略を立て、その結果として施策(戦術)が選ばれる——それが本来あるべき姿です。
ところが実際には、施策だけが先行し、部分最適が積み重なった結果、事業全体としての最適解が見えなくなっているケースが多く見受けられます。
その結果、マーケティングは、「コストばかりかかって成果が見えない」「コストセンターである」という評価を受けてしまうのだと考えています。
社内リソースの不足から、代理店や外部パートナーに依頼すること自体は問題ではありません。
問題は、それらの施策やリソースを統合し、事業目的に沿って意思決定できる"司令塔"が不在なことです。
今、事業会社に本当に必要なのはマーケティング施策を管理する人ではなく、マーケティングをビジネスとして設計する司令塔だと考えています。
そのため私は、まずクライアントの事業・市場・顧客・組織構造を徹底的に理解するところから関わります。場合によっては、「今はマーケティング施策を増やすべきではない」という結論に至ることもあります。
全体像を把握した上で、何が本当に必要なのかを整理し、戦略として設計したうえで、必要な施策(SEO、PPC、コンテンツ等)を検討・実行する。
施策は目的ではなく、あくまで手段である。
これが、私のマーケティングにおける基本原則です。
そして、この原則は、海外と日本の間で事業を設計するときに、最も鋭く問われます。
日本市場は、設計が雑なシステムが最も顕在化する場所だと感じています。市場が弱いからではありません。構造的に異なるから——本社のロジックと、日本の意思決定構造、商習慣、顧客の判断基準が、根本的に違う前提で動いているからです。そして構造の違いは、上流の杜撰なロジックを許してくれません。
私が今、トロント拠点で本社側 (HQ) と日本側の双方を一次情報として直接ヒアリングする仕事をしているのは、その「上流の前提」をクライアントと一緒に整理しなおすためです。
日本企業の海外展開でも、外資系日本法人と本社の連携でも、解いている問題はひとつだと考えています。施策の前に、構造を設計する。司令塔の役割を引き受ける。
それが、私のすべての仕事を貫いている原則です。