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人の想いをカタチに back story

高校3年間をSalt Spring Island(カナダ)という信号一つとしてない田舎の島で過ごしてきました。そこは今では自分のルーツであり、自分自身という一人の人間を再認識できた場所でもあります。人口1万人ほどの小さな島の中には、アメリカ、メキシコ、スウェーデン、イタリア、フランス、イギリス、チリ、コロンビア、日本、中国、韓国など多くの国から移住してきた人たちが住んでいたことが、日本で生まれ育ってきた自分にはあまりにも衝撃的な事実でした。その環境に僕が溶け込むことができたという事実に感激したのを今でも覚えています。世界の広さを実感した瞬間でした。
小さな島の中には世界中からのあらゆる物語が持ち込まれ、そこで新たな物語が育まれていたのです。

僕は人の写真を撮ることが好きです。写真を始めた理由もSalt Spring Islandにあります。ホームステイをしてくれた家族の物語には必ず留学生を受け入れている節目があります。その期間の中には番外編とも言える、しかし繋がっている物語が生まれます。
僕の第二の家族であったホームステイ先はシングルマザーでした。子供が二人で次男が僕と同級生でした。僕と次男である彼は学校のバスケットボールチームに所属していて、ホストマザーはそのチームのコーチでした。3年間、彼らの物語に自分は登場しています。本来であれば番外編は終了し本編に戻るはずですが、ホストマザーの物語は僕と過ごしていた日々が最後でした。急なHeart Infectionによって僕の帰国直後に亡くなってしまいました。帰国直前、空港でお別れの挨拶をした際に僕は心のどこかで「また会えるから写真は撮らないで大丈夫かな」と思っていて写真を撮らないで飛行機に乗りました。その瞬間が人生の中で最も後悔している瞬間で、今でも強くその時のことを覚えています。
写真は人の物語をカタチにできるものであり、その瞬間どんな表情をしているのか、そこに映り込んでいる背景もあらゆる物語を連想させてくれます。継続して撮ることで、さらに物語を鮮明なものにしてくれます。


二度と後悔した瞬間を繰り返さないためにも僕は毎日カメラを鞄に入れています。日常が日常でなくなる日のために、今自分にできることを考えた結果が写真でした。
そこから、大学に入学した後も写真を撮り続けました。入学式、卒業式、イベント、団体での活動、友達との旅行。大学ではあらゆる瞬間が一瞬で過ぎ去ってしまいます。そんな中写真としてカタチに残していたことを感謝してくれる人達がたくさんいました。
そんな人たちと出会い写真を撮るたびに幸せを感じています。
色々な人達の想いをこの手から紡ぐことができることが自分にとっての「やりがい」に繋がります。大学に入り多くのことを知るほど、カタチにする方法は一つではないことを知りました。

僕の目標である「人の想いをカタチに」する方法をもっと増やすために現在はウェブデザイン、プログラミングを独学で学んでいます。
大学ではマーケティングとSMOについて詳しく知見を増やし、自分が所属している学生団体AUAのメディア部署で、自分ができる様々な可能性に挑戦しています。