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【The LEGENDS】仕事・育児を両立するママエンジニアの奮闘記。ライフワークバランスを保つために必要な環境と秘訣とは?

AGESTにはQAを極めし者たちがたくさんいます。『The LEGENDS』は、偉人たちのQAとの歩みを振り返り、AGESTを中核から支える社員のインタビューシリーズです。彼ら/彼女らがQAに夢中になったキッカケから、今後目指すべきエンジニア像をお話します。

今回は、QAエンジニア歴16年目のママエンジニアの小野寺詠子さん。新卒時代から一貫してQAエンジニアとしてのキャリアを築き、産休・育休期間を経て復帰。グループ長として最前線で活躍されているAGEST女性エンジニアの一人です。

2人のお子さんの育児とマネジメント職を両立できる秘訣とは?子育て世代にとって大切な環境とは何なのか?リアルな声を深堀していきます。

将来の可能性を感じ、QAエンジニアとしてキャリアをスタート

ーなぜQAエンジニアという仕事を選んだのでしょうか?

学生時代はITとは無縁の英文学専攻でした。周囲からは当然英語を活かして就職活動をすると思われていましたが、「長い人生において得意分野はいくつ持っていたって良いじゃないか」という自身の考えを尊重して、未知の世界にチャレンジしてみようと思ったことがエンジニアを視野に入れたキッカケでした。とはいえ、ドキュメントに英語が使われていることも多いため、自身の武器を活かせることにも魅力を感じました。そんな希望を持って就職活動を進めていったところ、たまたま第三者検証企業での選考が進み、QAエンジニアというキャリアをスタートさせました。

ー長年QAエンジニアとして働くうえで、違うキャリアを検討したことはありますか?

一度もなかったです。「エンジニア」と聞くと開発系を想起される方も少なくないと思いますが、QAエンジニアは開発系エンジニアとは違った目線でPJを推進できる、必要不可欠なポジションを確立できる仕事だと自負しています。しかし、ここ数年でQAの重要度が上がってはいるものの、世間一般的な認知度はまだまだ追いついていないと感じています。時代の変遷の中にいるということがやりがいにも繋がっていますね。また、QAエンジニアとして働き始めて、「物事を俯瞰して考えることが得意だ」と自身の知らない一面に気づくことができたことも、このキャリアを更に磨いていきたいと思えている理由の1つです。

ーAGESTに転職したキッカケは?

前職ではQAエンジニアというキャリアを形成してきたものの、SES*の一員として客先常駐していました。もっと他のプロジェクトのやり方を見てみたいという気持ちが芽生え、転職を検討し始めました。同時に生まれ育った仙台へのUターンも考えており、『地元仙台を拠点にエンタープライズ系プロダクトのQA支援ができるようになること』が目標でした。都心と比較して仙台にはQA専門企業も少なかったため「転職活動は難航しそうだな~」と不安視していたところ、AGEST仙台ベース(旧:デジタルハーツ仙台ラボ)が開設されるという話を聞きつけすぐさま応募し、2015年に当社へ入社しました。キャリアとプライベートどちらの条件も満たし、マネージャーとして上流工程から様々なプロジェクトに参画することが実現し、周りのテストエンジニア達からも認められてきたかなと実感ができるようになった頃に結婚して、妊娠・出産を経験して2児の母となりました。

*SES…SESは「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略称であり、IT業界における準委任契約の一種を指す。


仕事・育児の両立の厳しさに、心が折れそうになる日々

ーライフイベントを機に、自身の働き方に大きく変わった点はありましたか?

結婚が働き方に変化をもたらすことはありませんでしたが、妊娠・出産はかなり大きな影響を与えました。1人目を妊娠した時は何もかもが初めての経験だったので、どこまで報告しようかと些細なことにも悩みました(笑)。というのも部下に心配させたくない気持ちが大きくて、なるべく普段と変わらないコミュニケーションを取りたかったのが大きな理由です。上司に報告した際には、私の産育休中に代わりにPMを担ってくれる社員をアサインしてプロジェクトを支えてくださったのはありがたかったです。私自身は妊娠中も心身ともに良好な状態でしたが、周りはそれとなくサポートしてくれて、さりげない優しさが温かいなと感じました。ある意味、妊娠をキッカケに会社の新しい一面を知ることができました。

ー復職後、産育休のブランクやギャップを感じたりすることはありましたか?

1人目は3か月、2人目は6か月という、比較的短い育休期間を経て現場に復帰しました。想像される復帰後の不安を未然に防いでおきたくて、育休期間中に勉強したり、社外のシンポジウムに参加したり、現場の温度感を忘れないようにしていました。そのおかげで業務そのものに大きなブランクを感じることはなかったですが、環境そのものに再度溶け込めるかは復帰するまで想像がつきませんでした。復帰直後は周囲が気を遣ってくださるがゆえに、「これまで通り仕事を任せたり、頼ったりしてくれなかったりするのではないか?」と懸念していたのですが、そんな不安はよそに社員一同フランクに「おかえり」と受け入れてくれて、さりげない優しさと妊娠前と変わらないコミュニケーションで溶け込むことができました。妊娠・出産、加えて介護など、誰でも様々なライフイベントは起こりうると思います。それにより『腫れ物扱い』するのではなく、本人の望むサポートをさりげなく差し伸べてくれる環境は心地いいなと感じました。

ー復職後に最も苦労したのはどんなことでしたか?

ブランクは感じなかったものの、やはり仕事と育児の両立は想像を超えるほどハードです…。以前の私はよほどのことがない限り休まないし、仕事の優先度が何よりも高かったのでプライベートとの線引きが曖昧でした。1人目の育休から復職して初日に保育園からお呼び出しの電話がかかってきて、職場に到着直後に引き返したことを今でも覚えています。妊娠時から子供優先で色々なことを決めてきましたが、実際に働き始めて実感することの方が大きく、『自分の都合以外で強制的に仕事を中断しなくちゃいけない』という現実に戸惑い、折り合いをつけるまで少し時間がかかりました。自分が不在となることで指示が滞ったり、トラブルが起こっても即時対応すれば事なきを得ていたのに、翌朝出社したらこじれていたり…。うまく仕事を回せないことに自責の念を抱える毎日でした。

自身に合う働き方、変化した考え方、トライアンドエラーから生まれたモチベーション維持法とは

ー仕事と育児の両立を叶えたのはどんなキッカケでしたか?

悩みを抱えながらも仕事と育児の両立に励んでいたところ、2人目を妊娠しました。同時にコロナが流行し、働き方が完全フルリモートにチェンジしました。先行き不安でしたが、この働き方が子育てをする私にはピッタリでした。加えて当社はコアタイムなしのフルフレックス制度を活用できます。子供が体調を崩しても自宅で看病しながら仕事を行なったり、育児に関わる急用ができてもフルフレックス制を活用して自身の対応できる時間に残務をしたり、これまでと比較して自由度が格段に上がりました。意外なことがターニングポイントとなり、仕事と育児の両立におけるフラストレーションも次第に解消していきました。

ー育児をしながら仕事へのモチベーションを保つ秘訣を教えてください。

次第に平日のタイムスケジュールを見直す余裕も生まれ、「時間がないなら、効率的に時間を使おう!」と考えるようになり、隙間時間を使う術も身につけました。子供を出産する前は勉強時間を確保したい気持ちとは裏腹に、仕事が忙しいことを理由に熱量が保てていませんでした。しかし、子育て中の現在は1分1秒が貴重です。子供を寝かしつけながら”耳だけで”オンライン勉強会に参加したり、寝かしつけた後に業務に関わる本を読んだりと、子育てをしながらでもインプットの時間を確保できると気づきました。それからは自身の内発的モチベーションを安定させることができるようになり、仕事に全力で時間を費やせないことへの焦燥感も自然と和らいできました。「仕事も頑張りたいけど、育児も手を抜きたくない」と力みすぎるほど、身動きが取れなくなってしまいます。「できることからまずは頑張ろう」と割り切って考え、色んなことに対してゴールを低めに設定するのはオススメです。

ー小野寺さんの平日タイムスケジュール


ライフイベントを迎え入れるにあたって、必要な環境とマインドセットとは

ーライフイベントを見据える女性エンジニアにとって、一番の支えは?

周囲の理解と取り巻く環境だと思います。育児に関わらず、様々な事情を抱えながら働いている方もたくさんいらっしゃると思います。周りが理解を示し、フォローし合う姿勢を見せることで、キャパオーバーする前にヘルプを出せる人も増えてくるはずです。また「もう少し始業の時間を遅くできれば…」「この日は出社できないから有給を取るしかない…」など、様々な制約で働き方を縛られてしまうのも勿体ないなと感じます。少し工夫するだけでストレス負荷を軽くして仕事の成果に繋げられるのであれば、本人にとっても会社にとってもハッピーではないでしょうか。そういった意味で、社員の事情を理解した会社の環境整備は重要になると思います。私の場合は夕方の業務が立て込む時間帯と子供のお迎えの時間が重なってしまうのですが、そもそもそういった時間帯に会議を入れないよう配慮してもらったり、あと一歩で完成する資料作成を代わりに仕上げてくれたり、上長やメンバーのサポートには日々助けられています。お迎えや寝かしつけが終わってから作業を再開できると思うと、心置きなく「一旦中断!」と切り替えできることも心に余裕を生んでいます。当社の場合はエンジニア主体のIT企業で比較的男性社員比率が高いことは事実ですが、理解力が高く、相手の苦労を想像できる社員がたくさん在籍していると思います。会社も社員の自由度を尊重しているので、結果として社員の温かさにも繋がっているのかもしれませんね。

ー今後チャレンジしたいことは?

ご縁あって社外コミュニティ活動にも参加するようになりました。コミュニティのメンバーには同世代の子供を持つパパ・ママエンジニアも多く、打ち合わせは子供が寝たあとに行なったり、子供をあやしながら参加する方もいらっしゃいます。みんなで柔軟に活動方法を選んだり、勉強したりすることが非常に楽しいです。インプットの時間を捻出できるようになったからには、アウトプットの機会を作りたいと感じています。今後は自身で社外コミュニティも主宰してみたいです。お子さんも参加OKでパパ・ママエンジニアの情報交換会や勉強会を開き、当時の私のように悩んでいる方に少しでも手を差し伸べられたらいいなと思います。加えて、昨年度から新しい仕事を任されることが増えてきました。子育て中の私にもチャレンジさせてくれる環境に感謝しつつ、培ったインプットは会社への成果にも繋げられるように励んでいきたいなと思います。

ー頑張る子育て中エンジニアにエールを!

頑張るパパ・ママエンジニアは素敵です!といっても、自分自身が倒れてしまうと本末転倒だなとも思います。ワークライフバランスという言葉をよく耳にしますが、仕事もプライベートも同時に満たすという意味ではなく、「その時の状況に応じて、どちらに比重を置くかを判断して動けること」だと思います。子育てワーカーはどうしてもたくさんのことに追われて疲弊してしまいがちですが、自身がモチベーションを保てる環境と方法を模索することが大切だと思います。周りに頼りつつ、「できることからやってみよう」の精神を忘れずにお互い頑張りましょう。

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