無理なクロージングはしない。柳井さんが貫く、信頼から始まるキャリア支援
保育業界に特化した人材紹介を行うSecondGame。年間MVP受賞の実績もあるHRSマネージャー・柳井穂波さんは、求職者との信頼関係を第一に考えるキャリアアドバイザー(CA)です。
数字に追われることの多い人材業界の中で、彼女が大切にしているのは、「クロージングをしない」という、一見すると営業職とは真逆のスタンス。そこには、長期的な信頼を育ててきた彼女ならではの哲学があります。
「クロージングをしない」という選択
キャリアアドバイザーとしてどのような姿勢を大切にしているかを尋ねると、柳井さんは迷わず「とことん、聞くこと」と答えてくださいました。
「一人ひとりの“その人らしさ”を理解することを何よりも大切にしています。お話の中で出てくる言葉だけでなく、ちょっとした“つぶやき”や声のトーン、間の取り方などもヒントにして、本音や不安を拾うようにしています。」
そして、そのスタンスが最も表れるのが、クロージングの場面です。
「私は、“クロージングをしない”ことを意識しています。紹介先を無理に勧めるのではなく、それまでの対話の中で不安を解消し、自然と前向きに選択できる状態をつくることを目指しています。仮に気が進まない様子があれば、いったん整理し直して一緒に考え直すようにしています。」
安心して笑顔になれるように。
無理に進めないという選択が、信頼につながっていきます。
求職者が“安心して話せる存在”であるために
柳井さんが意識しているのは、求職者にとって「相談しやすい存在」であることです。
「不安や言いづらいことも、『柳井さんになら打ち明けられる』と思ってもらえる関係性を築くことを意識しています。そのためには、何よりもまず信頼してもらうことが大切。口調や言葉の選び方にも気を配り、リラックスして話せるような雰囲気づくりを心がけています。」
実際に、面談中にふとこぼれた言葉を拾ってフォローしたことで、「そんなことまで気づいてくれてありがとう」と感謝されたこともあるそうです。
正直な情報共有が、信頼につながる
紹介活動において、柳井さんは「誠実さ」を何より大切にしています。
「紹介を止めた、という表現とは少し違いますが、過去に問題があった法人様など、求職者にとってマイナスになり得る情報は、聞かれていなくても自分からきちんと伝えるようにしています。隠したままでは信頼は得られませんから。」
そういった姿勢が信頼につながり、実際に「事前に教えてくれて助かった」「安心して面接に臨めた」と感謝の言葉をいただくことも少なくないといいます。
長期的な信頼が、成果につながる
柳井さんには、こんなエピソードもあります。
他社エージェントを利用して進んでいた選考について、メリット・デメリットを率直に伝え、応援の気持ちで送り出したところ、その方が「やっぱり柳井さんが信頼できる」と戻ってきてくださり、最終的にご紹介した園で就職を決めたそうです。
「その方が3年後、友人を紹介してくださったときは本当にうれしかったですね。『柳井さんに任せれば間違いない』と思っていただけたことが何よりの成果でした。」
また、紹介いただいたご友人にも同じように丁寧に向き合い、最終的には新しい職場をご案内することができました。このような「紹介の連鎖」が起こると、日々の誠実な積み重ねが形になったように感じられ、自分の仕事に誇りを持てているそうです。
短期的な成果よりも、長期的な信頼を大切にするスタンスで取り組んできたからこそ、こうしたご縁が生まるのかもしれません。安心して相談できる存在であることを大切にしながら、目の前のひとりひとりに真摯に向き合っていきたいといいます。
実際のチームミーティングの様子。
どんなときも「とことん聞く」文化は、社内にも根づいています。
チームで大切にしている価値観
HRSチームとしても、「求職者ファースト」の姿勢を共有しているといいます。
「私たちのチームでは、アドバイザーの価値観を押しつけるのではなく、『求職者が転職によって何を実現したいか』を深く理解することを大切にしています。いくら条件が合っていても、本人の希望や価値観とズレていれば、長く働けない可能性がありますから。」
また、短期的な成果よりも長期的な信頼構築を重視する文化も根付いています。
「一時的に進めたくなった場面でも、“今じゃない”と判断したら思い切って立ち止まります。そのほうが、結果的に成約につながったり、紹介につながることも多いです。」
自分の強みは“共感力”と“代弁力”
柳井さんはご自身の強みについて、「相手の気持ちをくみ取って言語化すること」と話してくださいました。
「『そうそう、それが言いたかった!』とよく言っていただけるので、私自身が言葉を整理して代弁できることが強みなのかなと思います。」
共感し、理解し、代わりに言葉にしてあげる。それが、柳井さんならではのアドバイザーとしての価値です。
共感や信頼があってこそ、自然と本音が引き出せる。
そんな空気感を何より大切にしています。
CAとして大切にしている信念
最後に、「CAとして大事にしている信念を一言で」とお聞きすると、柳井さんはこう答えてくださいました。
「『安心して相談できる存在でいること』です。」
紹介の押しつけではなく、寄り添い、耳を傾け、信頼の先にある選択をともにつくっていく。そんな柳井さんの姿勢は、SecondGameが大切にする「定着」を支える大きな柱となっています。
2023年MVP受賞。
「誠実であること」は、柳井さんにとって成果を上げる最短距離でもあります。