SES(システムエンジニアリングサービス)は、その業態の構造上「キャリアが固定化しやすい」という課題を抱えがちで、キャリアチェンジを望んでもなかなか機会がなく悩む場面もあるのではないでしょうか。
Sun*のグループ会社であるSun terrasでは、エンジニア自身のキャリア志向を尊重し、実現に向けたサポートに力を入れています。
今回は、10年以上にわたるゲームプログラマーとしてのキャリアを経て、未経験からPM(プロジェクトマネージャー)へ転身したエンジニアと、その挑戦を粘り強く支え続けた担当営業に話を聞きました。
PMへの興味は”炎上案件”がきっかけだった
ーー笠井さんは10年以上ゲームプログラマーとして活躍された後、PMを目指されたそうですね。なぜキャリアチェンジを考えられたのでしょうか?
笠井:これまで、幾度かプロジェクトの遅延やトラブルを経験することがありました。その状況を開発の現場から見ていると、「プロジェクトマネージャーがしっかりしていれば、このような事態は回避できたのではないか」という思いが募っていきました。
それと同時に、自分自身のキャリアに対する漠然とした不安もありました。40代、50代になっても、最前線でプログラマーとしてコードを書き続けるのは、体力的な面でも厳しいんじゃないかなと。そう考えた時に、プロジェクト全体を俯瞰して、チームを成功に導くPMという役割に惹かれるようになりました。
ーー転職活動では、PMへのキャリアチェンジが前提だったとのことですが、Sun terrasを選んだ決め手は何ですか?
笠井:転職活動では業界を絞らず、キャリアチェンジを支援してくれる環境がある会社を選んで応募していました。自社開発かSESか、という点にも特にこだわりはありませんでした。
最終的に2社で迷ったんですが、Sun terrasに決めたのは、面接が終わった後にわざわざ電話をもらって、会社としてキャリアチェンジをサポートするという熱意を伝えてもらったことが大きかったです。
二人三脚で歩んだ3年間。水面下で続いた100社への提案活動
ーー入社後、すぐにPMとしてのキャリアが始まったのでしょうか?
笠井:いえ、入社時の面談でも「まずは今までの経験を活かしてほしい」ということでしたので、最初の3年ほどはゲームプログラマーとしてプロジェクトに参画していました。PMになれるチャンスを待ちながら、自分でも学習を進めようと。
ただ、個人での学習はなかなかモチベーションを保つのが難しくて。そんな中、Sun terrasの教育プログラムの知見をいかしたPM育成コースという研修が開催されたので、それに参加を決めました。
ーーどのような研修でしたか?
笠井:半年近くにわたって毎週課題を提出したりグループワークをしたり、通常業務と並行して行うためかなりハードなものです。外部から特別講師が招かれたりもして、PM業務への理解が深められるとても良い機会だったと思っています。通常業務と並行するのはかなり大変でしたが、逆に決められた時間に必ず参加しなければならないという強制力があったおかげで、単純に自学習を続けるよりもモチベーションを維持できました。
ここで受けたカルチャーショックは今でも覚えています。それまで僕は、PMというのは「プログラムがある程度わかっていて、メンバーに気配りができれば務まる」くらいに、少し甘く考えていたんです。でも、実際は全く違いました。様々な開発手法の知識はもちろん、講師の方が語る実際の現場での立ち居振る舞いとか、求められるスキルの幅広さと奥深さに圧倒されました。
特に、ゲーム業界以外のPMの方々の話は新鮮でしたね。ゲーム業界のPMって、プランナーやデザイナー出身の方が多くて、仕様が固まりきらないまま開発が進むことも珍しくないんです。でも、他の業界では最初に仕様やスケジュールをかっちり固めるウォーターフォール開発が当たり前だったりする。その違いを知れたことは、大きな収穫でした。
ーー藤牧さんは、笠井さんの挑戦をどのようにサポートされていたのですか?
藤牧:営業担当として年に数回、定期的に面談をする際に、PMへのキャリアチェンジへの意向は直接聞いていました。意向は営業チーム全体に共有されて、水面下でずっとPMのポジションを探し続けていましたね。
並行して、キャリアチェンジ経験者との面談をセッティングしたり、PMの知見を深めるための勉強会を開催したり、知識を身につけてもらうためのアプローチもちょこちょこ行っていました。
とはいえ簡単にはきまらず、最終的には100社近くに提案したと思います。ゲームプログラマーとして確かな実績があっても、他業界のPMとなると話は別です。「未経験」という壁は想像以上に厚くて、なかなか受け入れてもらえませんでした。
それでも、会社としても個人としてもエンジニア本人の希望を叶えたいという思いは強く持っていたので、粘りました。それに、実績を一つずつ積み上げていくことで、他のエンジニアにとっても希望になる。そう信じていました
グループの強みを活かして掴んだチャンス。キャリアチェンジの先に広がる未来
ーー最終的に、グループ会社であるSun*の社内プロジェクトでPMとしてのキャリアが始まったのですね。
藤牧:はい。過去にも、笠井さんと同じPM育成コースを修了した社員が、Sun*の案件を通じてPMになった実績があったんです。「ここなら可能性がある」と改めて掛け合いました。グループ会社だからこその連携のしやすさ、お互いの事情を理解した上での柔軟な対応は、キャリアチェンジを支援する上でも大きな強みだと感じます。
笠井:たしかに、PMとしてのキャリアをスタートできたのはグループ会社としてのつながりがあったからこそ得られた機会だと思っています。学習の機会の豊富さもそうですし、最終的な案件のマッチングも、この環境だからこそ実現できたと思います。
ーーどのようなプロジェクトに参加されているのですか?
笠井:Sun*のData Opsチームに所属し、採用活動や従業員の単価といった社内の様々なデータを分析・可視化して、経営戦略に活かすためのデータ基盤を整えることをミッションとしています。僕の役割は、チームをまとめるリーダーの補佐としてメンバーのタスク管理などを行うPM業務と、実際にツールを触って開発を行うエンジニア業務を半分ずつ担当するようなハイブリッドな形です。全く新しい業界と技術領域なので、日々勉強しながら業務に取り組んでいます。
ーー最後に、これからキャリアチェンジを目指すエンジニアへメッセージをお願いします。
笠井:Sun terrasは、「こうなりたい」と口に出して言えば、本当に水面下で動いてくれる会社です。自分一人ではどうにもならない高いハードルも、会社が一緒になって乗り越えようとしてくれる。勉強の機会にしても、案件探しにしても、必ず何かしらのアクションを起こしてくれます。その心強さが、新しい挑戦をする上での大きな支えになると思います。
藤牧:笠井さんが言うように、まずはどんな些細なことでも相談してほしいですね。僕たちはその想いをしっかり受け止めて、どうすれば実現できるかを一緒に考え、並走します。会社として連携して動く体制があるので、一人で悩む必要はありません。ぜひあなたの「なりたい姿」を聞かせてください。一緒に、その実現に向けて動いていきましょう。
笠井 清貴 / Digital.exe Tech Bridge Engineer
10年以上にわたりゲームプログラマーとして開発に従事した後、PMへの転身を決意してSun terrasへ入社。約3年間ゲーム開発プロジェクトに参画しながら社内の勉強会などを活用して学習を重ね、2025年1月よりSun*社内のプロジェクトでPMとしてのキャリアをスタートさせた。
藤牧 佑二 / Digital.exe Tech Bridge Unit
新卒から一貫して営業職に従事する。宝飾品の営業販売を5年ほど経験した後、IT業界へ転身し、2010年にSun terrasへ入社。以来、15年近くにわたり数多くのエンジニアを支援しており、特にゲーム業界の案件に精通している。笠井氏のキャリアチェンジを営業担当として粘り強くサポートした。