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【代表インタビュー】ブロックチェーン技術が人類に役立つために一番意味があることをしていきたい

チューリンガムで働くメンバーのことをお伝えするインタビュー企画。

今回は共同代表として新たに代表取締役に就任したばかりの田中遼さんにインタビューしました。

官庁、スタートアップ、大企業などさまざまな環境で働きつつ一貫して「人々が楽しく暮らせる社会の実現」を掲げる田中さん(@RyahooBB)に、これまでのキャリアで大事にしていることや入社のきっかけ、チューリンガムでの仕事について伺いました。

田中遼 - 代表取締役CBO
東京都庁、Web3スタートアップを経て、LINEのブロックチェーン・NFT事業立上げに従事。JCBA NFT部会副部会長を歴任。 2022年よりTuringumに参画しビジネス開発をリードし、共同代表を務める。

東京都庁、スタートアップ、LINEをへてチューリンガムへ

ーこれまでのキャリアを教えてください。

大学卒業後は東京都庁に就職しました。法務をメインに政策法務から条例立案などをしていました。合計7年ほど都庁で働きました。
2017年、まだ都庁で働いていた頃にビットコインのホワイトペーパーを読んで、これは人々の生活に新しい可能性をもたらしてくれると感じたんです。
それをきっかけにブロックチェーンが社会に役立つために自分ができることをしたいと思い、Web3業界に入ります。行政で働いていたこともあり、特に社会に普及するためのインフラ作りに関心がありました。

ー 官庁からWeb3業界に行くというのは、大きなキャリアの転換だと思いますが、何か大事にしていたことはありますか?

今も変わらず大事にしている想いですが、ブロックチェーン技術が人類に役立つために一番重要なところで仕事をしたいと考えていました。Web3業界での最初のキャリアはスタートアップなのですが、当時は2017年でビットコインも話題になり、「億り人」と呼ばれる億万長者が登場した時期でした。こういう人たちは確定申告しなきゃいけないっていう税金の問題が発生したんですね。そこで税金の問題を解決するために、個人の損益の計算を簡単にするツールを開発して確定申告支援をするスタートアップで事業立上げをしていました。

そして次のステップとしては、ブロックチェーンを普及させていくためには具体的な活用事例が必要であり、そのためには誰もが簡単にプロジェクトを開始できるような日本発のプラットフォームを生み出す必要があると考え、LINEに移ります。

ー 具体的にはどのようなことをやられたんですか?

LINEではLINEブロックチェーンの立ち上げを行っていました。立ち上げ当初、日本側は僕一人で開発チームはみな韓国にいる体制だったので、大変ではあったのですが、ウォレットサービスやNFTマーケットプレイス事業を生み出すことができました。

また、国内でもブロックチェーンゲーム領域で最初の成功事例と認識されているブロックチェーンゲーム『ミリオンアーサー』にも携わりました。スクエアエニックスさんのような知名度のある企業がブロックチェーン事業に参入し、NFTを活用した上でビジネスとして成り立った事例を作れたんです。その後も100万ウォレットを達成したり、NFTを数十万件配布するような国内最大級の取り組みをやってある程度形になりました。

ー NFTブームの真っ只中にいらっしゃったんですね!

LINE以外でもNFTに関する活動をしていて、NFTが広く普及してきた頃に、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会 (JCBA)でNFT部会を立ち上げました。そこでは副部会長としてNFT事業を広げるため業界の標準となるガイドラインを作成しました。これは都庁時代の経験が活きましたね。

ー 事業づくりだけではなく、ロビイングなどもやられていたんですか。

NFTに何年か関わり、想像以上に広がっていく様を見て本当にすごいなと思ったのですが、もう一度Web3の原点に立ち返った時に「何が次のステップか」と考えるとやっぱりトークン(FT)なんですよね。トークン(FT)だとNFTよりも表現できることが多く、サービス設計の幅と可能性がもっと広がる。どちらがいい悪いではなく、両方必要だと思うんですよね。

トークン(FT)はNFTと比べると規制も強く、流通を考える必要があるなどハードルが高いので国内事例があまりありませんでした。だからこそ次はトークン(FT)のプロジェクトを日本から生み出していくことをやりたいと思って、チューリンガムに入社します。

Web3と法律には共通点がある

ー 先ほどビットコインのホワイトペーパーを読んだことがWeb3業界に入るきっかけだったとお話しされていましたが、その時のことを詳しく教えてください。

自分が大学生の頃はリーマンショックが起こり、就職活動でも100社受けても受からないようなことが珍しくない時代でした。そんな状況を目の当たりにしたので、金融が人々の生活に強く影響していることを感じ、また金融の仕組みが健全でないのではないか、という問題意識を持っていました。

そんな中、2017年にビットコインのことを知り、ホワイトペーパーを読んだら衝撃を受けたんです。これは今までにないもので人類にとって必要になる技術だと読んですぐに感じました。その後も図書館に籠ってブロックチェーンに関する本を全部読んでみて、やはり必要だと確信しました。

ー 人類にとって必要というのは?

僕は歴史書を読むんですが、古今東西お金っていうものはあんまり長続きしないんですよね。旧日本円も戦後切り替えられていますし、お隣の韓国も通貨危機がありました。通貨が変わることは100年、200年のスパンで見ると頻繁に起きていて、人の一生の中で一回は起きてもおかしくないものなんです。

日本円は比較的安定していますが、国がデフォルトして、そこで暮らす人の財産が一気に失われることも歴史的に何度も起こっています。そう考えると今ある法定通貨以外のお金があった方が何かあった時に安心ですし、選択肢を広げてくれると思うんです。

また昔からお金って多様で、日本で昔は藩札や小判がありながら、お米もある種お金的に使われていることがありました。現代を生きる私たちには法定通貨しかない世界線が当たり前ですが、多様な通貨が存在するような世界への揺り戻しは決して不思議じゃないなと。

ビットコインというものは誰が運営しているのかもよくわからないけどもなぜか動いている。その裏側にブロックチェーンという仕組みはあるけど、法定通貨と違って誰かがコントロールしたお金ではなく、自然に維持されている。そのことにとても驚いて、新たな人類の選択肢になるものだって思ったんです。

ー 2018年以降はずっとこの業界で働かれていますが、どんなところに面白さを感じますか?

Web3はユーザーが主体なんですよね。運営者が誰か一人がいるんじゃなくて、ユーザーみんなが運営する参加型のプラットフォームを作れるのがWeb3。個人にどのようなインセンティブを付けて、どういうエコシステムを生み出していくかを設計できるところがWeb3の本質だと思っています。

これはちょっと法律に似てるところがあって、法律って国をどうしていきたいかっていう想いがまずあって、それを実現するために決めるルールです。みんなこのルール守っていけばこういう社会が実現されるよね、という。ある種小さな国作りみたいなものが、Web3の世界のブロックチェーン上でトークンを絡めながら行われている。これってとても面白いことだと思います。

創業メンバーとの再会がきっかけでチューリンガムにジョイン

ー チューリンガムの創業メンバーとは元々お知り合いだったんですよね?

勉強会などを通してみなさん顔見知りでした。僕がビットコインに出会って情報収集していた2017年頃は業界がコンパクトで専門性の高い勉強会をいっぱいやってたんですよ。参加者も十数人ほどで小規模だけどマニアックなテーマを語っていて。当時勉強会に参加されていた方々は今でも業界で活躍されている方が多いです。

ー 創業メンバーの伊藤さんとは一緒に働かれていたとか。

伊藤さんは自分が勤めていたスタートアップでブロックチェーンエンジニアとして働いてくれていました。代表の田原さんが大学生の時に主催したWeb3の勉強会に参加したことがあったのですが、そこに大学生だった伊藤さんもいました。話してみるとブロックチェーン領域での開発にチャレンジできる場場を探していたので、「じゃあうちで働く?」と誘ったんです。それで一緒に働くことになり、伊藤さんはエンジニアとしてメキメキ頭角を現していきました。

伊藤さんは本当に優秀で誠実な男で、いつかまた一緒に働きたいと思っていました。チューリンガムを創業したと聞いた時も「いつか伊藤さんの下で働かせてね」って言ってたんですよ(笑)。

ー そんな素敵なやりとりがあったんですね。その後入社のきっかけとなった出来事は何かあったんですか?

LINEで働いている時に伊藤くんと久しぶりに会う機会があって、その時に伊藤くんからドバイに移住して事業展開すると聞かされたんです。LINEもグローバル企業ですが、日本が基軸なので僕は国内のことをずっとやっている中、後輩がドバイに行って海外のプロジェクトにも関わっていくというのを聞いて、ちょっと自分は閉じすぎてたかなって思ったんです。この日の出来事は、入社を決める大きなきっかけになりました。

LINEも優秀な方がたくさんいて刺激的だったんですが、チューリンガムはWeb3技術、金融ともに詳しい人が多く、専門性の高い話をできるのが楽しいですし、非常に勉強になります。

Web3技術と金融、どちらの専門性もあるのがチューリンガムの強み

ー 現在はCBOとしてBizdevチームを管轄されていますが、どんな仕事をされているか教えてください。

現在は新規営業と契約したお客様に対する企画開発支援、大きく分けてこの2つの業務を行っています。僕自身は企画開発支援の仕事が多いので、こちらの話をします。

企画開発支援では、文字通りお客様の事業内容に沿ったWeb3ビジネスの企画を行うのですが、まずビジネスモデルの構築のサポートを行います。NFTを活用するのか、トークン(FT)の発行が必要なのか。全体のシステムを回す仕組みはどのようにするか、など大きな方針を固めていきます。

方針が固まった後、それを実現させるために法務や会計の基準を満たすスキームを構築します。会計上の処理の仕方や法務の観点で必要なライセンスの整理などです。お客様の要望をヒアリングすると、規制上実現が難しいこともあるので、「それは暗号資産の交換業取引業者しかできないからこういう形に変更が必要ですね」といったように代わりのスキームを提案します。

この部分が非常に重要で、上場企業がWeb3ビジネスに参入する際、管理部門との調整が大きなハードルなんです。新規事業も管理部門のサポートがあって初めて成り立つものですが、管理部門の方は必ずしもWeb3の専門知識がある訳ではないので、「法律的にはこういうスキームであれば、法律上の論点をクリアし、会計上も整理できます」といった提案をしていきます。このスキーム構築はチューリンガムの業務の中でも高い専門性が必要になる部分です。

ー 確かにWeb3事業をする際、管理側で何が論点になるかは見当もつかないですね。

僕らは金融とブロックチェーンの両方に精通しているので、それがパッとわかるんです。
日本の法律に合わせると展開しにくい場合や、国際展開を見据えた事業の場合は弊社の拠点があるドバイでトークンを発行して、日本の規制を乗り越えたり、世界に展開する。そのような支援もしています。
そしてその裏側では先日インタビューが公開された佐藤さん率いるR&Dチームがトークノミクス設計をサポートしています。

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ー 企画開発支援はWeb3への専門性と法務や会計などの専門知識の両方が必要なんですね。

法律面に特化したサポートは監査法人がプロフェッショナルですが、Web3技術に明るいわけではない。反対にスタートアップはWeb3技術への豊富な知見はあるが、法務や会計に配慮したスキーム構築は支援対象外なこともあります。
チューリンガムの強みとしてはWeb技術と金融、双方への深い知見を生かした企画開発支援ができること、またグループ会社に暗号資産取引所のZaifがあるので、発行したトークンの流通まで一期通貫で支援できること。だからこそWeb3プロジェクトは全てお任せください、とお話しています。

ー この仕事のやりがいを教えてください。

最近ビットコインがETFに承認されました。以前は怪しいとされていた暗号資産をはじめWeb3の技術が、今まさに人類にとって当たり前のものに変わるフェーズなんです。
当たり前に社会に溶け込んでいく真っ只中に身を置いて、その一助になっていることを感じられるのはすごく魅力だと思います。

ー 大変なことはありますか?

目まぐるしく変化する業界なので考えることは多いです。日々規制も変わるし、技術も変わる。僕らは趣味でやっていますが、常に最新を追い続けるところは大変だと思います。
また、この業界は産業としてはまだ立ち上げ段階なので、 やっぱりどこも経営は難しいですよ。スタートアップはそういうものですが。ただ市場はこれから大きくなるフェーズなので、チューリンガムがWeb3業界全体を盛り上げられるよう色々仕掛けていきたいですね。

ー 今後チューリンガムでやりたいことを教えてください。

チューリンガムは上場企業グループとして大企業と大きな取り組みもたくさんやっていきたいなと思っています。今までにない取り組みをして、新しい事例をどんどん出していきたいです。

Web3の最先端を味わうことができる

ー 最後にチューリンガムの組織や文化の魅力を教えてください。

Web3への可能性を信じて働いているところかなと思います。Web3の社会実装にポジティブに取り組んでいるのがすごく良いカルチャーだなと思っています。
可能性を信じているからこそ、やらなければいけないことはたくさんあるし、まだやれていないという焦りもありますが、それを共通認識として持ってるのは良いところかなと思います。

ーどんな方がマッチしそうですか?

新しいことにチャレンジするのが好きな方には合っていると思います。実際そういうタイプのメンバーが多いです。アップデートも多い業界なので、そうでないと逆に疲れちゃうと思うんですよね。
Web3大好きという人はもう超大歓迎ですし、そうでなくても新しい分野自体が好きという方もすごくウェルカムです!

ーこの記事を読んだ方にメッセージをお願いします!

僕はやっぱり官僚の考えが抜けないんですけど、多くの人々に貢献することをやりたくて、Web3って一見そういうことから遠いように見えますが、実はユーザー主体の新たなWebのあり方を示すような社会貢献性の高い分野であることもぜひ知ってもらいたいです。
そして、チューリンガムに来たらWeb3の最先端なことができます。ただ世間とかけ離れた最新技術に触れるだけではなく、イノベーションとして社会につなげて人々の生活を変えていく、 技術と社会をつなげる役割を担っています。ぜひ一緒にWeb3の社会実装を行っていきましょう!


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