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UXデザインとブランド事業、2つの柱をつなぎ「好き」を増やす存在に。

スタッフの進化に驚きながら、変化を楽しんでおります

先日、あるきっかけで10年前に在籍していた元社員たちに会う機会がありました。

就職氷河期に大学を卒業し、初期の危なっかしい経営だったA.C.O.に入社した彼らは、今では有名企業に転職してそれぞれの専門分野で活躍をしている様子。「自分の足で立つ人をつくる」を理念としてきた身としては感慨深いものがありました。

近年はデジタルデザインを追求する会社に焦点を絞ったA.C.O.ですが、彼らと久しぶりに話しているうちに10年以上前の記憶が蘇り、当時「こうなりたいなぁ」と妄想していた会社の姿に今頃ようやく近づいていることに気づかされたり。そんなことがあった今日このごろです。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

最近、A.C.O.が増やしているUX関連事業は、私よりも多くの知識と経験を持つ人が増えてきました。UXあたりのことはみんなにとっくに抜き去られ、どんどん変わるニーズに応えようとするみんなの意気込みに圧倒され、正直そちらの方面ではついていける気がしません。

だからみんなに期待されていることだけをやろうと。例えば、人事の仕組みをつくったり、人を集める方法を考えたり、もっと先のビジョンを考えたりすることを日々コツコツとやっております。

「好き」になってもらうこと

2年前から本格参入した「UXデザイン事業」は、幸運にも恵まれて沢山の機会をいただくようになりました。

9月にはデザインスプリント(短時間で成果を出すデザイン手法)を実施するための専用ルームを開設、10月からはJAIST(国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学)、UXデザインにおけるユーザーリサーチ報告書の課題に焦点をあてた共同研究を開始するなど、これからも独自のデザインプロセス開発のために、積極的に投資を続けていこうと思います。

一方で、A.C.O.のもう一つの柱「グローバル企業やブランドのWEB戦略や開発、運用、グロースハック、分析、改善」はワンストップで長いこと展開して来ました。こちらはUXデザイン事業よりも既に多くの独自ノウハウを持った事業で、今でも進化しています。 

現在それぞれ展開する2つの事業ですが、正直なところ去年くらいまではどういう関連があるのかわからず、別々に展開するものだろうなと思っていました。

が、それぞれの品質向上を進めていくと同じ答えや方法、表現に辿り着くことがわかってきたので、ああそうか構造的には何も変わらないんだなと、最近やっと気づいたところです。

であればということで、これからは別々だと思いこんでいたこの2つを、一つの事業としてつなぎ合わせていこうとしています。

ちょっと分かり難いですかね。

例えば、新規サービス戦略を考える過程で、多くの人が便利だとされる機能を選定するビジネス思考でデザインを進めていくと、必ずどこかで既に成功しているプロダクトに似てきたりすることがありますよね。と言っても、成功しているプロダクトと似たものに辿り着くこと自体は別に悪いことではないわけです。悩ましいのは、自分たちはどうやってそれと差別化するのか? という壁です。これがよく指摘される、ビジネス思考アプローチのコモディティ化という限界です。

では、どうすればそこから抜け出せるのか?

それには、すごく大雑把に言ってしまうと、ブランドを「好きになってもらうこと」だと考えています。

好き。

単純過ぎてピンと来ないですかね。ここで言う「好き」とは例えば、美意識や価値観への共感とか、愛着、豊かなストーリーを持った心地良い体験など、潜在的な価値を有するユーザの感情を指しています。ターゲットというよりは、感情を持った生身の人間を対象とする、と言えば少し解りやすいでしょうか。

この有効性はむしろ消費者向けのプロダクトよりも、法人向けプロダクトにより良く機能する気がしています。例えばメールマーケティングツールのMailchimpやストレージサービスのDropboxは、強力な競合商品との差別化をしようとする好例といえます。

ブランド・エクスペリエンスで2つの事業をつなぎ合わせる

UXデザイン事業を進めていくと、10年以上前から続けてきたもう一つの事業に解決方法があった、というケースが見えてきました。

この隣り合わせで展開していたUXデザイン事業とブランド事業をつなぎこんで一つのサービスにすること。それを今のところは「デジタル市場におけるA.C.O.独自のブランド・エクスペリエンス・デザイン事業」と呼ぶことにします。

専門のコンサルタントやマーケターから「ブランドエクスペリエンスはそんな定義じゃない!」と叱られそうですが、定義は時代とともにどんどん変わるので、そこらへんは耳を塞いでおくことにします。良い成果物を生むという目的を追求できさえすればいいのですから。

グローバル環境で成長するデザイン事業

A.C.O.は今年春に、モンスター・ラボ・グループにジョインしました。世界各国に拠点を持つテクノロジー集団であるのは知られたところです。

UXデザイン分野においても、同じモンスター・ラボのグループ会社であるコペンハーゲンが本拠地で欧州各地に拠点を持つデジタルエージェンシーNodesは、A.C.O.よりも規模も大きく、UXデザインも一歩先にいます。

今後、彼らのような兄弟会社ともグループ内のプラットフォーム上で、知見共有やプロジェクト連携、人の交流など、変化を楽しむ時期がしばらく続きそうな予感です。

「好き」を増やすために

A.C.O.の価値の全ては人材でありチームです。個々の意見や感性を尊重しながらも、ブランドを支える集団としての意思統一が必要です。

それは「好き」を増やすためのデジタルコンサルティングファームである、ということです。

デジタルテクノロジーがどの場面にも増え続けるこれから、もっと心地よいメディアやプロダクトを創るため、世界観を好きになってもらえるブランドを創るため、開発知見と技術力、グローバルネットワークを武器に、独自開発したデザインプロセスを多くの機会に提供していきたいと考えています。

これからもどうか、A.C.O.をよろしくお願い申し上げます。


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WRITER

倉島 陽一 / YOICHI KURASHIMA
代表取締役兼CEO/PRODUCER

東京芸術大学美術学部建築学科卒業。設計事務所を設立。代表取締役退任後、A.C.O.創業と同時に入社し、2002年同社代表取締役に就任。クリエイティブディレクション、マーケティング、コンサルティング担当。

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