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エンジニア「スキルレベル」の考え方と高め方:【アフレル学び研究所】より

今回は、株式会社アフレルが、主に企業の人事部門の方や高等教育機関の先生、教育関係者を対象にAIやロボット、人材育成を中心に学びに関する様々な情報を、分かりやすくお届けするために運営しているオウンドメディア「アフレル学び研究所」より、<エンジニアの学び>についての連載記事を抜粋してご紹介します。

アフレル学び研究所とは https://learninglab.afrel.co.jp/about/


エンジニア「スキルレベル」の考え方と高め方

(渡辺のぼる氏寄稿:連載「エンジニアを導く、新しい学びのロードマップ」より)

スキルが高い人という表現はよく使われています。「スキルが高い人とは?」「スキルを高めるには?」を熟考することが、技術者の人材育成の基本です。筆者は国の機関である情報処理推進機構にて、研究員として組込みエンジニアの人材育成に取り組んできました。「組込みスキル標準(ETSS Series)※1」の策定では、学術的観点や開発現場の視点からスキルについてのモデルを作成し、人材育成の活性化を図ってきました。そこで今回は、根幹となる技術者スキルの考え方と高め方について紹介したいと思います。

<目次>
 ・スキルレベルの相場感を共有
 ・武道や茶道のレベル感で見るエンジニアスキル
 ・スキルレベルの高め方
 ・まとめ

スキルレベルの相場感を共有

スキルとは技能とも呼ばれ、身体を伴う能力と言われます。記憶している知識だけでなく、この知識をベースに考え行動することです。開発現場であれば、資料やソフトウェアを出力することがこれにあたります。その中で、豊富な知識を基盤に、より速く、より高い品質で出力することが「高いスキル」となります。このスキルのレベル感を共有することが、人材育成やプロジェクト編成で必要不可欠な情報となります。

武道や茶道のレベル感で見るエンジニアスキル

「守破離」という考え方があります。武道や茶道における師弟関係の段階を3段階で示したものです。「守」は、型を守りキチンとできるようになる、「破」はこれまでの型をベースに新たな方法も取り入れ応用できるようになる、「離」はその流派を離れ自分の流派を立ち上げるイメージです。

ソフトウェア開発では、「守」は開発の流儀を守り作業できるレベル、「破」は新たな方法も取り入れ応用できるレベル、そして「離」は新たな手法や技術を作り上げるレベルと置き換えられます。

守破離は武道や茶道におけるスキルレベルの表現とも言えますが、ソフトウェア開発でもソフトウェア工学の方法論や報連相の方法など組織の流儀が存在し、これらを用いながら守破離の段階を経てスキルアップするという点は共通しています。

守破離のような能力の段階以前に、自身の力だけでは成果物を作れないレベルを半人前とし、守破離の「守」を一人前(1)としたとき、その前段階は半人前(0.5)と表現できます。

以前も紹介したiCD(iコンピテンシディクショナリ※2)でも、スキルのレベル設定(iCDではタスク評価)があります。(連載1回目の記事参照)IT企業やITを利活用する企業で、ビジネスの目標を達成するためのあるべき姿(例えば、営業力強化、外販率向上など)を描き、人材育成の仕組みを構築するためのツールとして、タスク遂行時にスキルを発揮し、ビジネスの成果を出す考えに基づいて、スキルディクショナリーとタスクディクショナリーに分類しモデルが策定されています。

iCDのベースにもなっているETSS組込みスキル標準では、スキルについてメインで取扱い、人材育成や活用を推進しています。

守破離の考えも参考に、レベル1から4を半人前と表現し、基礎知識や作業手順、必要性の理解を深める段階を指します。また、レベル2は一人前、自身のスキルで課題解決ができ戦力として認められるレベルです。レベル3は1.5人前とし、他者の技術的指導、意識改革や組織構造やスキーム改革まで取り組めるレベルを指します。そしてレベル4は新しい技術やメソドロジーを開発できるレベルとしています。

図:スキルのレベル感に関するイメージ図


→続きは「アフレル学び研究所」でご覧ください。


参考
※1:組込みスキル標準(ETSS Series)
※2:iコンピテンシディクショナリ

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