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【社員インタビューvol.6】ファーストキャリアでベンチャー企業に挑戦! 新たな研究分野に舵をきった真意とは?

社員インタビュー第6弾は、研究開発部に新卒入社した佐藤 楽生(さとう よしき)さんです。

大学生時代より続けてきた研究分野を大きく変え、農業系ベンチャー企業の研究開発職を選んだ佐藤さんは「視野を広げた先に得られるものは多い」と語る。

AGRI SMILEのリアルな一面を知れる内容なので、ぜひ最後までご覧ください!

──大学時代はどんな研究をしていましたか?

東京大学大学院農学生命科学研究科で魚とその寄生虫の相互作用に関する研究をしていました。実は魚の養殖現場では、魚に寄生虫が寄生して魚が死んでしまうことがあります。魚の中には高級なものもいます。そういったものでこのような病気が発生すると商業的なダメージが大きいこともあり、問題になっているんです。

研究の中で、対象魚種の近縁種には寄生虫が一切つかない、ということが分かりました。そこから、近縁種には寄生虫が嫌いな何かがあるのだろうと仮説を立て、その分子やメカニズムを調べ、寄生虫を防御するシステムや、薬などに頼らない環境負荷の小さい駆虫方法を探していました。


──水産系の学部を出た後は、進む先にどういった選択肢がありますか?

水産関係の商社、水産魚の餌を作る会社、食品加工会社などです。免疫学や養殖現場にまつわる研究をしていた人は、水産関係のコンサル会社に進むことも多いです。水産業の現場を回って、病気が出たときなどに対策法を提案する仕事です。

あとは、ポスドクとして大学に残ったり、研究職として企業に勤めたり。水産分野ではない道に進む人もいますが、博士までいくと今まで研究してきた分野を生かそうと考える人が多いです。


──佐藤さんはなぜ水産系の道ではなく農業会社のAGRI SMILEを選んだのですか?

水産関係の会社や製薬会社の研究職などを何社か受けている中で、就活サイト経由でAGRI SMILEからスカウトメッセージを頂きました。

その時に初めてバイオスティミュラントや植物免疫学について聞いたのですが、とても面白そうだと思ったんです。それまでたしかに「免疫学」の研究分野にはいましたが、魚と植物では何もかもが違います。ただ、それでも興味が刺激されたということは、知らず識らずのうちに興味の幅が「魚」から「生物全体」に広がっていたのでしょうね……。

それに当時、とある養殖魚に植物を食べさせると寄生虫への耐性が上がる、という研究にも携わっていました。あたかもバイオスティミュラントみたいだな、と脳内でリンクしたのを覚えています。このことからも、植物から採取した成分が別の生物に対してなんらかの生理学的な作用をもたらすことにも興味を抱きました。植物という動かない生物がどうやって身を守るのかというのも学生時代から気になっていたのありましたので、かなり偶然が重なったという印象です。分野を変えることに抵抗がなかったわけではありませんでしたが、最終的には魚も植物も細胞レベルで見たら同じだと思い至って、この分野に飛び込むことを決めました。

研究者の目線で見るベンチャー企業

──ファーストキャリアとしてベンチャー企業を選ぶことについては、どう感じていましたか?

就職活動中に、「ベンチャー企業からスカウトがきた」という話を博士課程の同期や修士課程の後輩にしてみたところ、意見が二つに分かれたんです。

修士課程の学生は、「そんな不安定なところはやめておくべき」という反対意見。自分の親もそうでした。一方で博士課程の同期は、「ベンチャー企業とはいえ、正社員なら安定してるんじゃない?」と肯定的な意見。

こうして対照的な意見が出るのは、博士の学生が就職先を選ぶ際のベースラインが違うことにあると思います。
博士課程までいくとポスドクを視野に入れている人も多いのですが、このポスドクというのが給与などの待遇面や将来性においてすごく不安定でシビアな世界なんです。それでも極めたい研究分野がある人は、企業の「利益を出すための研究」という制限下に入るよりも、自由度が高いポスドクに挑戦する、というイメージです。

自分にとってはベンチャー企業か否かはそれほど重要ではなくて、会社の利益をもたらすための研究が面白そうか否かの方が重要でした。そういう意味ではAGRI SMILEに舵をきることはある意味必然だったのかもしれませんね。

チャレンジできる環境で高め合えるメンバーと

──研究開発部ではどんな業務を担当しているのですか?

今は入社して半年になりますが、実験などの実際に手を動かす仕事をメインに、パートさんのマネジメントやクライアント対応も担当しています。

具体的にいうと、栽培試験としてポット内で植物を育てて、バイオスティミュラント候補資材の試験を行ったり、これまでに収集してきた膨大なデータを整理しながら統計学的な解析を介してにストーリーを作ったり、コンピューターを使って遺伝子発現解析をしたりしています。

パートさんのマネジメントでは、担当してもらっている生物試験の中でトラブルが起きたときの対処法や、その週に行う試験内容を伝えています。クライアント対応では、JAさんと一緒に実験計画をたてるなどのコミュニケーションをとっています。


──研究開発部の雰囲気はどうですか?

研究に関するアイデアや、ふと思ったことをその場ですぐにディスカッションできるようなフランクな環境です。

研究において、ぱっと思いついたフラッシュアイデアが重要なきっかけになることも少なくないので、すぐに口に出して整理しておこうという共通認識が部内全体にあります。アイデアを肯定的に受け入れた上でレスポンスをもらえるので、すごく有益だし建設的だと思います。

会社全体でいうと、自発的に「こうしたい」「こうできないか」と考え続け、諦めずにチャレンジする研究者的な考えの人が多いです。農家さんやJAさんを第一に考え、「農業や農家さんを元気にするんだ」という強い意志で突き進んでいます。


──どんな人がAGRI SMILEに合っていると思いますか?

生産者さんから学ぼうとする姿勢がある人です。

農業という分野において、栽培品目を一番見ているのは生産者さんなので、その方たちが抱いた違和感は十中八九合っていると思うんです。

少し話は逸れますが、学生時代に、実験に使う魚を飼育していた方に、「どうしてそんなに元気な魚を育てられるんですか?」と質問したことがあったんです。その方は笑いながら、「科学的じゃなくて申し訳ないんだけど、愛を持ってやったらうまくいくんだよ」と言っていました。

最初は冗談だと思いましたが、よくよく考えてみると毎日魚一匹一匹に注意を向けて観察していれば異常があっても迅速な対応できるし、いろいろな環境をコントロールできるなと気づいたんです。そういうふうにしっかりと魚に向き合って、常に魚のことを考えながら育てることを『愛』と称したんだと思うんです。

農業でもこれは同じだと思います。現場で一番作物に近い方たちをリスペクトしながら、栽培品目をはじめとしていろいろと教えてもらいたい・吸収したい、というマインドをもった人がAGRI SMILEには合っているはずです。


──実際に入社してみて感じたギャップはありますか?

入社する前は、農家さんやJAさんを相手にしているということもあって堅そうなイメージがありました。若者ならではのフランクなスタンスは受け入れられないかなと心配もあったのですが、そういった感じは一切ありませんでした。社内のメンバーもオープンマインドで話しやすい人が多いです。

それから僕が面接を受けた時期は、社員が十数人しかいなかったのに、入社する頃には倍近くに増えていて驚きました。すごいスピードで成長していて、人気がある会社だと思い、ベンチャー企業に対する不安が軽減したのを覚えています。今は当時と採用活動のアプローチも変わっています。面接だけでなく、インターンシップやセミナーを実施しているので社員とコミュニケーションをとりながら雰囲気をつかんでいただけたうえで入社できると思います。

──今後AGRI SMILEで実現したい夢や目標はありますか?

研究の世界にAGRI SMILEの名をとどろかせたいという野望があります。

弊社では、バイオスティミュラントを中軸に置いた研究を行っています。しかし、バイオスティミュラントの種類も効果も多岐にわたります。それらを理解するために、生理学や分子生物学をはじめさまざまな分野からアプローチをしています。まずはバイオスティミュラントとは一体どういうものなのかを理解して、みなさんに知ってもらいたいと思います。

そしてやがては、「バイオスティミュラントといったら、AGRI SMILE研究開発部だよね!」と研究者のみなさんに思っていただけるようになったらうれしいです。

視野を広げた先に得られる新たな発見

──これから進路を模索する学生たちに向けて、自身の経験からどんなことを伝えたいですか?

自分の分野を専門的に追求するのも面白いし、重要なことだと思います。その一方で、視点をガラッと変えてみて新たな分野に挑戦してみると、その分野に新しくて面白い風を吹かせられると思います。

僕は今、これまでの分野とは全く異なる研究をしています。「魚(動物)の生理学・免疫学」と「植物の生理学・免疫学」を横並びで比較しながら研究する人はなかなかいないはずだし、だからこそ得られる発見もあります。実際に良い方向に転がるかは博打でしたが、真剣にやってみればどうにかなるもので、今では植物に詳しい人とディスカッションできるまでに理解を深められています。

新たな分野だからこそ、挑戦的な面白みや感動もあるので、視野を広げた先でAGRI SMILEの研究内容も目にとめてもらえたらうれしいです。


─佐藤さん、すてきなお話をお聞かせくださり、ありがとうございました!また、読者の方も最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。AGRI SMILEにご興味をお持ち頂けた際は、エントリーを心よりお待ちしております。

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