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シリーズ)IT業界の仕組み10

株式会社アイシス 代表取締役の政平です。
シリーズ)IT業界の仕組みの 続きです。


本日は「フリーランス(フリーエンジニア)」についてお話します。


フリーランス(フリーエンジニア)が流行っています。

フリー(個人事業主)は今に始まったことではありません。
実は私も20代の頃に2年間フリーランスの経験があります。

その私からアドバイスがあります。
「生半可な気持ちで
 フリーエンジニアになると後悔する。
 後悔した時(年齢)には遅い。」

理由は、フリーエンジニアは技術力の他に営業力も必要です。
営業力がないと案件がもらえません。
成長につながる経験をさせてもらえるチャンスも得られにくいためです。


一部の天才は除きます。
技術力、営業力もある人。その人はどこのプロジェクトに行っても重宝がられ、重要なポジションの経験ができます。
経験ができるからさらに成長します。
そのような人はこの記事を読む必要はありません。

また、何歳までIT業界で働くつもりなのか?
35歳くらいまで稼いでリタイヤしたいという方は、この記事の対象者ではありません。

尚、この記事は業務アプリケーション開発について述べています。


二人のエンジニア

私の経験から代表的な二人のフリーエンジニアのお話をします。
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一人は私が20代前半の頃
男性(30代前半)のフリーエンジニアの方がいました。

その方は、私が正社員として働いていた会社のフリーエンジニア。
私の上司のようなポジションでした。
その方の技術力、コミュニケーション力はすばらしいものがあり尊敬していました。
私はその方が大好きで、当時大変お世話になりました。

その方が私の所属の会社に正社員として就職しました。
お子さんも二人いて、そろそろ安定した会社に就職しようと考えていたようでした。
私からみたら、その方は同世代でも技術力、コミュ力ともに優れていましたが、同世代より一つ下の役職。社内とのコミュニケーションに苦労しているように見えました。
風のうわさでその方は後に退職されたと聞きました。
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もう一人。
そのメンバーは20代後半です。
それまで社内の評価は低く、それでも上司は手取り足取り教えていました。
その彼が「フリーになります」とある日言いました。
将来の結果はまだ分かりませんが、このコロナ禍で仕事があるのか?
将来の成長につながるような仕事を回してもらえるのでしょうか。
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フリーエンジニアの不安

フリーランスの不安は三つあります。
一つは、案件が安定して取れるのか。もう一つは、成長につながる経験ができるのか。
最後に、35歳定年説を迎えた時の将来性です。

①案件が安定して取れるのか
フリーは個人事業主という言葉通り、個人で仕事をしなければなりません。
会社に属していると、営業が仕事をとってきて、上司が失敗をフォローし、先輩が技術を教えてあげて、管理部が契約書類を処理してくれる。
フリーランスになると、こういったことを一人でしなければなりません。

特に難しいのが営業です。
仕事をとってくるというのは難しい。
「儲かるし、自分のやりたい技術」をもってくるのはさらに難しいと思います。
今ではネットでも簡単に仕事が取れるようになりました。それでも思い通りの仕事を得ることは難しいと思います。

②成長につながる経験(ポジション)ができるか
私の主張はここにあります。
会社の上司やプロジェクトマネージャーの立場になって考えてみると分かります。
駆け出しフリーエンジニアにチャンスをドンドンあげようとは思いません。
自社の若手社員にチャンスをあげよう、となる。

皆さんが考える以上に技術者を育てるのは手間がかかります。
未経験であれば、プログラムに入る前の開発環境設定も分からないでしょう。
書くコードもトンチンカンで、コードレビューもしてあげないといけません。
プロジェクトからすぐいなくなるフリーエンジニアに、こんな手間をかけるわけがない。

上流設計をするチャンスもなかなかこない。
プロジェクトリーダーどころか、サブリーダーの役目さえこないでしょう。こちらも自社の若手にチャレンジさせよう、となります。

フリーエンジニアにリーダーを任せることは、ほぼないでしょう。

③35歳定年説を迎えた時の将来性
IT業界には35歳定年説というものがあります。
若くないと新しい技術が頭に入らないというのが主な理由。
ただ私は持論があり。年配は「お客さんが使いづらい」という理由が現実は多いと考えます。
ここでは書きませんが想像してもらえると分かるかと。

20代はプログラミングをしていればよい。
35~40歳になって何ができるのか?ということです。

天才プログラマーであればOK。コミュニケーションがとれ上流設計が得意であっても活躍できます。
もしプログラミングも設計も並みだとしたら、あなたは危ういでしょう。
40歳も近くなるとリーダー役が求められます。

一生、プログラマー、エンジニアでもいい。
私もその考えは否定しません。ただ現状の日本ではプロジェクトマネージャーの役割が求められる。

さらに40歳を超えたら?どうでしょう。


過信禁物 早まってはいけない

私は若手でポテンシャルがありながら、焦ってフリーランスを目指す人を見ると、スラムダンクの谷沢を思い出します。

※スラムダンク(バスケ漫画)を知らない方へ
谷沢という若手選手が、コーチの意見を聞かず、本場アメリカに飛び出した。谷沢は、自分には才能がありすぐ活躍できるはずだと考えた。
基礎練なんて必要ないと。
知り合いもいないアメリカでは、誰も谷沢の将来を考えて指導や注意もしなかった。谷沢が気づいた時はすでに遅し。彼の才能は開花することはなかった。。。

若い人は生き急ぐ。
太古の昔からそうでしょう。明治維新も若い力により成った。

私も20代は焦っていました。
満たされない毎日。今のままでいいんだろうか?

世の中、フリーエンジニアはたくさん稼げる、案件はいっぱいある、楽勝だ。などと甘い言葉が多い。
でも焦ってはいけません。
あなたの才能が開花せず終わる可能性があります。


フリーエンジニアで成功できる人

私はフリーエンジニアがダメとは言いません。
以下最低一つ、複数に当てはまる人ほどフリーで成功できます。
・自己で成長できる
・営業力がある
・今の所属会社は上流設計やリーダー経験ができない
 ※ここ重要ポイント!
・コミュニケーションがうまい

冒頭に”天才”と書きましたが
天才は人に指導されるまでもなく、努力ができる人。
いわゆるイチロー選手のような。

できるフリーエンジニアは存在します。
とても尊敬できる方々ばかりです。
共通して言えるのは、皆さん非常に努力されています。

フリーエンジニアも経営者
人一倍努力できない人が、経営者で成功できるわけがない。


まとめ

フリーランス=独立です。
会社で活躍もできないのに、独立してうまくいくわけがない。

私は、フリーランスも経験しました。
私は続けなくて正解だった。
ここまで成長できなかった。
身近な人に私が相談されたらこう言います。
「フリーランスは止めた方がいい」

ただ、今の会社や状況に問題があって、自分の成長が見込めない時。
転職かフリーランスを考えた方がいいかもしれない。

自分の才能や強み、そして目標。各自の置かれた環境は異なる。
自分にあった働き方をみつけることが一番の幸せだと思います。

以上が私の伝えたかったことです。


それでは。

(「IT業界の仕組み その11」に続く)


ここでも語っていきますが
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note 政平秀樹
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