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Google Project Aristotle に学ぶ「子育て」

こんにちは。ALH株式会社 中途採用責任者のREIKOです。
今回は、子育てをしながらお仕事をしているパパママ、「将来子供を産んでも仕事は続けたい」と思っている女子社員に参考になる部分があれば、と思い執筆しました。

仕事で学んだ「チームビルディング」や「プレゼンテーション能力(伝える力)」は、プライベートでも活かされる、と、常々感じてきました。

もちろん、育児でも。

2016年、私はマネジメントで大きな課題を抱えました。感覚を重視し、感情型・右脳型で10年近く営業し、体系立てた論理的思考を後回しにしてきた付けが祟った年でした。そんな時、

Google Project Aristotle(グーグルプロジェクトアリストテレス)」の記事を読みました。

「The five keys to a successful Google team(成功したグーグルのチームにある5つの鍵)」の中でも、「Psychological safety(心理的安全性)」が最も重要だと結論付けらていました

メディアで幾度も取り上げられているので読んだ方も多いと思いますが、読んだ事の無い方向けに、ざっくり説明します。

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プロジェクトアリストテレスでは、過去の研究データなども参考に、「最高のチームの共通点」を調査。学歴、スキル、趣味、性別や性格のバランスだけでなく、報酬の種類ごとのモチベーション差、仕事以外での交流有無、労働時間などについて、180ものチームを追い続け、多くのデータを得た。しかし、特定のバックグラウンドが違いを生み出している訳ではなかった。そんな中、成功に導いた理由として「集団規範(チーム内のメンバーで共有される行動・判断の基準)」に着目。チームメンバーが異なるスタンスや傾向を持っていても、チームになった時は集団規範が優先されるので、チームに対する尊重が生まれる。チームによって「集団規範」の中身は様々だが、適切な規範を設けることがチーム改善の鍵になる。
成功チームの集団規範にある共通点は・・・
「メンバーがほぼ均等に話している」「高い平均社会的感受性がある」ことだった
会議などでメンバーが均等に話せる環境は、課題毎にリーダーシップを取る人が変わるので、集団的知性の偏りを防ぐメリットがある。平均社会的感受性とは、声色や身振り手振りから、相手がどのように感じているのかを察する力。これらが心理的に安心できる環境を生み出し、他人の話を聞く心の余裕を生む。そして・・・
Googleで成果を挙げたチームに共通する「5つの鍵」は
Psychological safety(心理的安全性) :
Can we take risks on this team without feeling insecure or embarrassed?
(チーム内で不安や恥ずかしさを感じることなくリスクを取ることができますか?)
Dependability(信頼性) :
Can we count on each other to do high quality work on time?
時間内で質の高い仕事を行うために、チームメイトを互いに信頼できますか?
Structure & clarity (構造と透明性):
Are goals, roles, and execution plans on our team clear?
チーム目標、ルール、実行計画は明確ですか?
Meaning of work(仕事の意味) :
Are we working on something that is personally important for each of us?
チームメンバーそれぞれにとって、個人の重要な事(生活や人生で重要な事)に取り組んでいますか?
Impact of work(仕事の影響力) :
Do we fundamentally believe that the work we’re doing matters?
今の仕事の社会的影響(どのような影響を社会に与え、現状を変えていく力があるということ)を心の底から信じていますか?
この5つ全てが「YES」なら、高性能のチーム。そうでなければ、足り無い部分を補完すればいい。

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2016年、私は保育園の保護者会役員を経験しました。仕事だけでなく、保護者会活動の中でも、「集団規範」の重要性を実感しました。保護者会役員が2016年に取り組み、成果があった事は、

連絡手段やアンケートのIT化を進め、役員会を月1回から2ヶ月に1回に減らし、保護者の負担や無駄なコスト(印刷物やレンタル会議室代)を削減したことです。自主企画で防災勉強会も実施しました。

保護者会では、イベントの出欠や、保育園への要望など、アンケートをとることが結構多いです。前年までプリントして配布していたアンケートを全てGoogleフォームに変更したり、文集フォーマットをデータで送るだけで、印刷代が浮きました。今の時代、文集の写真や文章も、PCを使って作成する保護者が多いので、プリントして渡すより、データで送った方が効率的なのです。役員が入れ替わった2017年度もGoogleフォームでのアンケートは継続していましたので、2016年に改善した成果は大きいと感じました。

「保育園や幼稚園の保護者会や小学校中学校のPTAは辛い」「なかなかIT化できない」「非効率で、多くの保護者が嫌々やっている」といった声を聞いていましたが、改善できる事も多いと感じました。

非協力的な保護者でも、伝え方を変えたり、自分が楽になる為・メリットがある事であれば、協力してくれることもあります。会話を重ねながら工夫していくことが大事ですね。

私も防災勉強会の企画チームに入り、議事録を担当し、当日参加できなかった保護者向けにデータで送付しました。以下に勉強会の議事録をアップします。この企画は、某特許事務所勤務ママ、某大手総合商社勤務ママ、某外資系コンサルタントママ、心療内科医ママ・・・といった、大変優秀な方々が牽引してくださり、本当に良い刺激を頂きました。

役員メンバーは30代から40代のママしたが、多くの方から、「若かりし頃の部活動みたい!」「さながら、カンパニー制を導入した中小企業だね!」「このメンバーで起業したらすごく楽しそう!」そんな声が上がっていました。防災勉強会の打ち上げ(飲み会)も大いに盛り上がりました。この時のチームメンバーは、それぞれに異なった得意分野があり、

「メンバーがほぼ均等に話している」「高い平均社会的感受性がある」

これを両方満たしているチームだったと思います。

私がProject Aristotleを知らなかったら、せっかく良いチームで仕事をしても、「優れたディールメーカーがマネジメントすると凄いスピードで改革が出来ちゃうんだ!」「協力的で優秀なママが多く、恵まれたチームで保護者会役員が出来てラッキー!!」くらいの感想で終わっていたと思います。

Googleの最高経営責任者ですら、「最高のチームを築くことは最高の人材を結集することを意味する」と長い間信じていたそうです。

そこで、考えました。

自分の家庭のメンバーは、離婚する以外、今更変更出来ませんが、

「家族は生活を共にするチーム」でもあります。

良い家庭にする鍵は、Project Aristotle の5つの鍵にあるのでは???

保育園の同じクラスの方々や、社内の同僚の話を聞く限り、我が家は、夫婦喧嘩、子供と親の喧嘩がかなり多く、激しいようです。しかし、メンバーの属性に依存せずに良いチームを作れる可能性があるなら、仕事だけではなく、家庭も良いチームに出来ないだろうか、と考えました。

まずは「子育て(5歳児)」で実践!

そもそも、幼児は保護者に守られてるんだから、心理的安全性、無い訳ないでしょ!?毎晩寝る前に「世界で一番愛してる」って言ってるし!!

と思っていました。しかし、

そういう問題ではない

ということに気付きました。生活の中で、不安な事は沢山あるからです。
約1ヶ月前の事でした。それまで数ヶ月間毎日ピアノを一緒に練習していたにも関わらず、急に全く練習しない日がありました。

ベストセラーにもなった、伝え方が9割(2)という本に、ノーをイエスに変える技術の1つに「チームワーク化」があり、「一緒にやろう」と伝える事例がありました。しかし、うちの5歳児には通用しません。3歳頃までは有効でしたが、今は「一緒にピアノ弾こう」と言っても「ママが一人で弾けば」と言われるだけなのです。弾かない理由を尋問すると、

ピアノがうまくでき無いから弾きたくないだけだった

ことがわかりました。勿論、娘もプライドがあるので、「上手く出来ないから弾きたくない」とは言いません。ふざけたり、「手を打ったから手が痛い」と仮病を使ったり、使い古された嘘をつきます。

↓こんな感じの8小節の曲を、毎週曲を変えて練習しています。


仕事の売り上げ利益が順調に伸びていれば楽しいですが、スランプに陥ると、出勤するのも嫌、という時がありますよね。私も子供に偉そうな事は言えないな、と思います。

娘に、「間違えたっていいんだよ」「間違える為に練習しているんだよ」と、何度も伝えましたが、あまり聞く耳を持てないようでした。母親と娘、という近い関係だと、素直に聞けない事が多いようです。

そんなピアノボイコット状態が数日続いたある日、寝る前に子供と読んだのが、こころのふしぎ なぜ?どうして? という本でした。

その本の中に、丁度よい題材がありました。本文を抜粋すると、

がんばっても、なかなか上手にならないときは?

途中までは成長するが、ある日成長が止まる。こういう人が一番多い。でも、この先に、ドンと一気にうまくなるところがあるだろ?これを「ブレークスルー」と言うんだ。いつかくるブレークスルーを信じて、頑張り続けろ!

といった内容でした。

なんてタイムリー!!しかも「breakthrough」(笑)


娘は、この日始めて、ブレークスルーという言葉を知り、以来、何かが新たに出来るようになる度に「ブレークスルーきたね!」と言っています。

この本の「引用法」効果は絶大で、母親がいくら言ってもやろうとしなかったピアノを、また前向きに練習するようになりました。

本のお陰で、「間違えてもいいんだ」「なかなか上手くならない日が続くのは、みんな同じなんだ」という、「心理的安全性」が生まれ、安心できたからこそ、行動が変化したようです。

チームメイトが失敗を恐れて行動できない時、スランプから抜け出せず踠いている時こそ、他のメンバーが「心理的安全性」を実感できるような発言や行動をしてあげると、早期にブレークスルーがくる!

ということを実感しました。


今後も、公私ともに良いチーム作りに取り組んでいきたいと思います。

ここまでお読みいただき、有難うございました。

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