アンドパッドのコンテンツマーケティンググループは、認知獲得からリードの獲得、商談機会の創出、商談を通じた受注、プロダクト導入後の運用といった全ての営業フェーズに関連するコンテンツを制作しています。それゆえ、事業部のさまざまなメンバーと深く連携しながら、コンテンツ制作に取り組んでいます。紙媒体、Web、動画、などさまざまな制作物に関わる中で、訴求力の高いコンテンツ制作が実現でき、それによって顧客のダイレクトな反応も知ることができる、それはクリエイターとしての成長を実感できる環境だとグループマネージャーの長濱やグループをリードする鵜澤は語ります。今回の記事では、コンテンツマーケティンググループの担う業務内容や仕事の魅力に迫ります。
長濱 純人 事業戦略本部 マーケティング部 グループマネージャー (写真左)
工学修士。前職では不動産管理会社にて物件管理を担当。2018年より株式会社アンドパッドに入社し、当初はフィールドセールスとして100社以上の工事会社様のICT化支援を行う。現在はマーケティング部 マネージャーとして従事。マス、広報PR、リード創出、デザイン、SDRなどマーケティングのあらゆる機能を駆使して事業拡大、ブランディングに従事。
鵜澤 拓朗 事業戦略本部 マーケティング部 コンテンツマーケティンググループ (写真右)
グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートし、15年ほど広告の企画制作を経験。前職ではホリゾンタルSaaSのマーケティング領域において、コンテンツマーケティングを担当。現在は、建設業界のあらゆる業種の顧客理解を深めながら、日々、認知獲得からリード・商談創出に向けたコンテンツの企画制作に従事。
営業活動全てのKPIにヒットするコンテンツ制作
――始めに、コンテンツマーケティンググループが担う役割について教えてください。
長濱:アンドパッドでは、マーケティング部門による認知獲得からリードの獲得が始まり、IS部門による商談機会の創出、FS部門による受注、そしてカスタマーサクセス部門によるオンボーディングという営業活動の流れがあります。私たちは事業を支え、事業成長のための屋台骨として、それぞれの営業プロセスに沿った形でコンテンツを作り、各プロセスにおけるKPIや数値に貢献していくことをテーマとして掲げています。
――具体的にはどのようなコンテンツを企画・制作しているのでしょうか?
鵜澤:ホワイトペーパー、LP、導入事例、DM、サービス紹介動画、冊子などWeb、紙、動画などあらゆるメディアです。コンテンツによって認知獲得やリード創出、商談機会の創出など、担う役割(目的)が分かれています。Webでも展開しているホワイトペーパーは、専門的な情報や課題解決策を詳細にまとめた資料です。法改正やその時々のトレンドなど業界に関わる情報をキャッチして、実態調査や認知調査を実施。そのファクトをもとに課題を深堀し、最終的にはその課題を解消できそうなANDPADの紹介に落とし込んでいきます。他にも、業界新聞など専門メディアとのタイアップで、当社役員と建築・建設業界の有識者との対談コンテンツの企画・制作や、対談コンテンツとプロダクト紹介、導入事例などを合わせて冊子化することも。こういった紙媒体の役割は、新規リードの獲得です。DMは、自社やプロダクト紹介を通じ、商談機会の作成を目的としています。
当社HPに掲載している導入事例のコンテンツは、ANDPADの導入企業様で成果が出ているケースを取り上げてご紹介しています。このページはANDPADに興味があり導入検討されている企業様に、より導入意向を高めていただき、問い合わせを増やす目的があります。LPは、プロダクトや新機能の紹介が中心で、リード獲得を目標としています。
――コンテンツ制作はどのように進めていますか?
鵜澤:ホワイトペーパーは、まずコンテンツのターゲットを設定します。そこから、ターゲットの興味関心に沿った紙面構成のストーリーを考えます。実態調査をフックにした内容にする場合は、調査事項の設計から、調査依頼、データ抽出をおこない、ターゲットへの課題提起と、それらを解決に導くANDPADの紹介へと落とし込んでいきます。導入事例については、フォトグラファーやライターをアサインして、対象となる企業様に取材に行き、ライターから上がってきた記事のチェック、掲載までを手掛けています。動画制作も同様の流れです。プロダクトのLP制作の場合は、UIを意識したワイヤーフレームの構築から、コピーライティング、Webディレクションまで手がけます。デザイン・コーディングについては社外の制作会社に依頼するケースもありますが、社内のブランドエクスペリエンスグループと連携して進めることもあります。
長濱:それぞれの業務ボリュームについては、デジタル領域におけるリード獲得に向けたコンテンツ制作が中心で、それ以外が直接的な営業プロセスに関わるコンテンツ作成です。
――メディアや業務領域で細分化はされておらず、トータルに幅広く関わっているのですね。
鵜澤:業務だけでなく、お客様の事業領域で担当者を分けることもしていません。なぜなら、領域を分けると、その業種の解像度だけしか上がりませんし、コンテンツ全体の企画制作に関わる中で、大きな弊害が生まれてしまうからです。基本的には、全ての領域、全ての制作物に関わる体制にしています。
ゆえに広い視点を持ってさまざまな制作物に関われるのが、この仕事の醍醐味です。これまで数々の試行錯誤を通じて蓄積してきたノウハウがあるので、結果が大きく外れることはほとんどありません。万が一、解像度の低い業種があれば、担当する営業にヒアリングを行い、業種の課題、顧客への提案内容など、詳しく情報収集してから制作に取り組んでいるので、新しい領域のコンテンツ制作においても、安心して進められる環境があると思います。
――コンテンツマーケティンググループのKPIはどこに設定していますか?
長濱:定量数値として測るのが難しい仕事ではありますが、リード獲得にどれくらい貢献できたか、商談数が増えたかなど、可能な限り貢献度を明確にできるよう努力しています。アウトカムを追求するのはマーケターとして当然の姿勢ですので、社内向けアンケートを通じてフィードバックをもらい、情報収集する場合もあります。
コンテンツの訴求力を高める、“2つ”の視点
――業務上のポイントを教えてください。
鵜澤:2つあります。一つ目が、それぞれの営業フェーズで適切なツール、訴求方法を探ることです。マーケティングの入り口であるリード獲得、実際の営業現場の商談機会など、それぞれのシーンで、どのようなツール、どのような表現が適切なのかを画策しています。
そして二つ目が、ビジネス視点とクリエイティブ視点、両方を持って取り組めるか、です。日々お客様と接しているIS、FS、カスタマーサクセスなど、営業サイドのメンバーと連携し、リアルな顧客像を描けるのは、マーケターとして非常に貴重な経験だと思います。
――どのようなタイミングで営業メンバーと接点を持つのでしょうか?
鵜澤:主に新機能リリースを皮切りに販促を強化する際、コミュニケーションはマストです。どのようにプロダクトを販売するかという営業戦略は、マーケティングの根幹となるため、営業や新機能に関わる開発との連携は重視しています。特に制作会社や代理店出身の方にとっては、MRR向上、顧客獲得、チャーンの阻止といったビジネス側の狙いや意図を踏まえたクリエイティブ制作に関わるのは新しい頭の使い方、考え方が身につくので新鮮に感じると思いますし、ビジネス感覚を持ったクリエイターに成長できるのも魅力の一つです。自分が作りたいクリエイティブから顧客のニーズを汲んだクリエイティブへ。そしてビジネスの本質を捉え、プロジェクトを成功に導くビジネスパートナーへ。これはキャリア形成を飛躍させてくれるのではないでしょうか。
長濱:新プロダクトリリースのタイミングは必ずといっていいほど、営業や開発との連携が求められます。そのプロダクトがいよいよ拡販するタイミングで、チラシやホワイトペーパーなど一式のアセットを制作していきます。
――各事業部と二人三脚で行っているといっても過言ではなさそうです。コンテンツマーケティンググループの、仕事の面白さについて教えてください。
長濱:影響力を感じられる瞬間が多いことは、仕事の面白さにつながると思います。例えばホワイトペーパーをリリースした後の波及効果は大きく、業界全体の反応や、リード獲得といった明確な手応えを感じます。私たちのホワイトペーパーはあらゆる場面でご利用いただいており、国土交通省の方々がその資料を用いて残業時間についての調査をファクトベースで議論されることもあれば、企業経営者が人材不足に関するサーチデータをもとに議論されることも。価値の高いデータ収集とコンテンツ化の結果、自分たちの仕事が業界や社会へ貢献している実感を持つことができると思います。
鵜澤:確かにそうですね。他にも、ターゲットに訴求が届くダイレクトな手応えを味わえることも魅力だと思っています。私は以前、ホリゾンタルSaaS企業に勤めており、バーティカルSaaS企業に転職して感じたのは、限定された業界だからこそ深い業界知見が必要になる難しさを感じつつ、洗練されたクリエイティブを作り込めること。その分、反応があったときの達成感は大きいと感じます。
――自分の仮説通りに、ターゲットに訴求できた体験は、マーケターにとって大きな糧になりますよね。
鵜澤:リード数や商談数といった明確な数値が出るだけでなく、社内メンバーからお客様の反応をフィードバックしてもらえるので、自分の仕事の貢献度は肌で感じられるようになりました。お客様のダイレクトな反応は、バーティカルSssSならではだと個人的には思います。
長濱:導入事例ページの作成を例にあげると、取材を通してお客様がANDPADを導入してどのような変革をたどっているのかを間近に知ることができるので、貴重な機会です。「ANDPADがないと業務が回らない」というANDPADファンのお客様とコミュニケーションし、それをコンテンツにして世の中に発信していく仕事の価値を感じられると思います。
鵜澤:導入企業様の取材に伺うと、当社プロダクトが日に日に社会インフラに近づいていると実感できます。それは、「ANDPADなしでは仕事にならない」というお客様の声が本当に多いからです。「残業時間が2~3時間削減されました」「社員数はそのままに売上が伸びた」といった声を通じて、建築・建設業界に従事する人たちの働き方が変わっていくのを目の当たりにしています。世の中はさまざまなDXツールが溢れていますが、ANDPADはマストハブのツールになっているし、これからもそうであると信じています。お客様にお会いすればするほど、ANDPADというプロダクトのインパクトの大きさを実感します。私は広告業界にいたこともあるのですが、当事者として自社プロダクトのインパクトと向き合う経験は、これまでに味わったことがありません。自分の仕事は間接的ではありながらも、業界の発展に寄与していると自信を持てるようになったのは良い体験です。
利用者の顔やプロダクトの利用シーンがリアルに思い描ける
――お客様の声に触れる度に、使命感が増す環境ですね。
鵜澤:私はコンテンツを通じて情報を伝える立場にあるので、お客様が普段どんなところに困っているのか、それをどのようなコンテンツに落とし込めば、お困りの企業様に届くのか、そういった思考に変わってきました。実際に自社のプロダクトを使っているユーザー様が見える状態で、コンテンツ制作に携われる。それは受託制作の現場ではなかなか味わえない気がしますね。
――というのは?
鵜澤:例えばキャッチコピーを考えるにしても、「この文面で伝わるのか?」「お客様がどんな反応をするか?」ということが、リアルに頭の中で映像として見えるからです。利用者の顔やプロダクトの利用シーンが思い描けるからこそ、本当に顧客視点を持ってクリエイティブと向き合うことができ、お客様にしっかり刺さるコンテンツを生み出そうという原動力になっています。
その一方で、ターゲットにフィットする課題提起、それに対する明確なソリューションを伝えなければ、ANDPADを選んでいただけません。顧客の事業内容や業務の課題など、高い解像度でコンテンツを制作する必要があります。さらに、企業の業種や規模、1次請け、2次請け企業などによって課題も異なってくるので、訴求の仕方も変わります。業種と規模の掛け算で訴求内容が変わってくるのは非常に奥深いと思いますね。
――鵜澤さんが一番成長したと感じる点や、得られたスキルについて教えてください。
鵜澤:先ほどもお話ししましたが、営業視点とお客様視点を持ってクリエイティブに臨めるようになったことです。ISやFS、カスタマーサクセス、そしてお客様企業、社内外でコミュニケーションをとる機会が圧倒的に増えたことで、プロダクトを利用するお客様の姿がクリアに見えるようになりました。そして、売り手側のビジネスサイド視点でどういう風にプロダクトを拡販していこうと思っているのか、その頭の中が見えるようになった上で、モノづくりができるようにもなりました。ビジネス感覚が養われているのは、大きなメリットだと感じています。
長濱:制作物の納品がゴールではなく、事業戦略やお客様の状況を理解して、その文脈に沿ったクリエイティブができるということですよね。言葉選び一つとっても、あらゆる視点を持って、選択していけるようになる、と。
鵜澤:一般論としてクリエイティブ人材の方が自社の成長という視座で物事を捉えるのは難しいことですが、本来的にはそれを理解できるほうが面白いと思います。自分のクリエイティブが、自社やお客様企業にどれくらい影響を与えているのかが分かるので、マーケターとしての成長を感じられるようになるからです。
コンテンツがビジネスを拡大させる世界を目指す
――最後に、グループが目指す展望について教えてください。
長濱:一番の理想は、コンテンツで受注ができる、コンテンツでANDPAD活用の課題が解決できる世界です。2025年は、動画DMという新ツールを生み出しました。これは、5~7インチほどのモニターを冊子にしたもので、薄いディスプレイが埋め込まれたページを開くと、自動で動画が再生されるものです。このツールを使って、黒板AI作成機能などの販促を行ったところ、非常に好評で受注にもつながり、手応えを感じました。このツールに次ぐ、営業ステータスを進められるコンテンツを量産していくことが私たちのミッションです。
というのも、組織が拡大・変遷していく中で、一時的に受注率が低くなることもあります。一人当たりの受注率を高めていくためにも、効率の良い組織を目指していくべきで、そのときに不可欠なのはコンテンツの力だと思っています。そのため、常に「このコンテンツを手順通りに説明するだけで受注できる」「このコンテンツをお客様が手にしたらアップセル・クロスセルにつながる」といった事例を生み出せるよう努力しています。
――コンテンツの力だけで受注できる世界は、究極の理想ですよね。
鵜澤:そうですね。個人的にはブランディングにも注力していきたいと思っています。アンドパッドという会社、そしてプロダクトのブランディングに力を入れることで、営業現場で2~3社の競合があったとしても、ブランドの力がプラスアルファで加味され「ANDPAD一択だよね」と選んでいただける。アンドパッドのブランディングが、受注に寄与しビジネスを拡大につながる取り組みを、ブランドエクスペリエンスチームや広報チームなどと連携しながら増やしていきたいと思っています。
長濱:そのためには、今以上に各事業部とディープなコミュニケーションが求められます。各事業部の要望に100%応えていくには今の運営体制をもっと強化し、よりコンテンツの力を信じていきたいと考えています。