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tricknotes が語る「アンドパッドの開発風景」

Ruby と JavaScript を愛し、OSS へのコミットを趣味とする、佐藤竜之介こと tricknotes 。 そんな tricknotes がアンドパッドに入社して、はや 2 年と 6 ヶ月がたち、今年 7 月には執行役員に就任しました。

今回は tricknotes がみた「アンドパッドの開発風景」と題し、その豊富な開発歴から tricknotes がアンドパッドをどのように捉えているのか、アンドパッドを今後どのようにしたいと考えているのか、インタビューしました!


株式会社アンドパッド
執行役員
佐藤 竜之介 tricknotes

Ruby / JavaScript を主な道具立てとし、 Web 業界を長らく経験。 プログラマーとしての経歴を主軸に技術顧問・コンサルタントとしても守備範囲を広げつつ、 "課題解決" をテーマに活動。
趣味である OSS の分野では、 Ruby/Rails をはじめ Sprockets / Babel 周辺のエコシステムへの貢献や Node.js のパフォーマンス改善にもコミットする。
キャリアの前半は受託開発会社、後半はフリーランスとして、一人でのプロダクト開発〜大規模サービスの運営など多種多様な開発現場を巡ったのち、アンドパッドに出会う。
アンドパッドでは、技術で組織をリードすることを自己のミッションとし、事業と開発組織の成長にも向き合うことにも責務を持つべく執行役員に就任。

「建築・建設業界」と一括りにできない業種の違いが面白い

―― 2021 年 4 月から入社されて、はや 2 年 6 ヶ月が過ぎましたが、改めて建築・建設業界、アンドパッドのプロダクトに向き合ってみていかがでしょうか?

もともと受託開発のキャリアが長く、一定の期間ごとに色々な業界の開発に携わることが楽しかったので、そういった意味では、建築・建設業界は初めてでとても面白いです。

アンドパッドの多くの開発者がそうであるように、キャリアの中で建築・建設業界を経験したことがある人は少ないでしょう。私もその一人でした。

一口に建築・建設業界と言っても、土木一式工事、左官工事、板金工事などなど 29 の業種 (*) があり、日々新たな課題や発見と出会うことができるのは新鮮です。

  • (*) 建設業法による定義

―― これまで携わった業界と比べて、建築・建設業界はいかがですか?

普段住んでいる住宅やビル、インフラの建設などの裏側の業務が、日々の生活と結びつく感覚が新しいですね。

私の父が現役時代は建設業界に関わっていましたが、当時はまったく縁がないと思っていた業界に自分が業務支援システムの開発として関わるとは夢にも思っていませんでした。

一方で、建築・建設業界の業務に関わった経験はないので、最初から肌感を持ってユーザーの気持ちになれないのは悩ましいところです。

―― その業種・業務へのキャッチアップという点ではどのように進めたのでしょうか?

ANDPAD がお客様のどういう課題を解決するのか、プロダクトと業務の接点を知りたく、まずは営業スクリプト・営業資料・説明会の動画などの社内ナレッジを辿りました。

合わせて、想定される業務フローに沿ってユースケースを考え、そのとおりに自分でロールプレイを繰り返し理解を深めました。

ある程度の肌感が持ててくると、PdM (Product Manager) / PMM (Product Marketing Manager) との議論の中でよりリアリティのある状況について会話できるようになりました。

―― お客様との接点が深い営業部門の資料からキャッチアップするのは良いですね。 他方 ANDPAD は大規模なプロダクトなので、コードベースの理解は難しいところだと思います。 何か工夫されたことはございますか?

最初はお客様から寄せられた不具合をひたすら直していました。

そうすると、主要モデルの利用箇所一つひとつを起点に全体的な設計の傾向であったり、モデル同士のつながりであったりが見えるようになってきました。設計当初の意図と現在の使われ方の違っているような負債となっている箇所であったり、壊れやすい場所も見えてきますが、その傾向含め理解が進みました。 

―― なるほど! tricknotes さんらしい愚直な進め方ですね。 そのほか建築・建設業界ならではのことはございましたか?

これは開発していて興味深い点でもあり難しい点でもあるのですが、お客様の業種や業態によっても機能の使い方が異なることですね。 これは ANDPAD を多くの業種でご利用いただいているから起こることです。

―― 具体的にはどのように違うのでしょうか?

例えば、ANDPAD には写真・資料を格納する汎用的なフォルダ機能があります。お客様によっては施工する順番で連番を割り当ててその順番の通りに業務を進めやすいようにしていたり、また別のお客様では部屋ごとのフォルダにしていたりと、その使い方は様々です。

我々もエクセルやスプレッドシートの使い方を独自に見出しているように、 ANDPAD ユーザーの方々も汎用的な機能をもとに工夫した使い方を編み出してらっしゃいますね。

―― その使われ方は面白いですね

ただ開発者の観点だと、想定される文字数やデータ量などある程度具体的なユースケースが最初から見えていた方がデータの制限やパフォーマンスチューニングを事前に行えます。 一方で、幅広く使っていただくためには汎用さも求められているのでバランスが難しい部分でもあります。

―― さきほどおっしゃられたように、広く使われているプロダクトだからこその大変さですね

事前に考えすぎても先には進めませんし、早く提供してその上でお客様からのフィードバックに向き合うことを大事にしたいです。

アンドパッドはたくさんのスタートアップがあるような開発組織・開発文化

―― ANDPAD というプロダクトならではの面白さを伺ったところで、アンドパッドの開発組織についても伺いたいと思います。 まずはアンドパッドの開発組織をどのように見ていらっしゃいますか?

いい意味でエンジニアだけでは完結せず、職種を越えて価値提供に向き合っています。ANDPAD は多くのプロダクト群で構成されており、そのプロダクトごとに開発チームがいます。チームのサイズは大小様々ですが、チームごとのミッションを持って開発にあたっていて、まるでたくさんのスタートアップで構成されているようなイメージです。

また、チーム内に CRE 、  PMM などのお客様の業務への理解が深い職種がいることで、エンジニアもリアリティを感じることができます。いい意味で課題にまみれることができる環境です。

―― "課題にまみれる" とはいい表現ですね

このため、アンドパッドにはたくさんのお客様の課題にバランスよく向き合える、事業軸で判断できるエンジニアが多いと思います。

事業のための課題把握・仮説検証・意思決定・技術判断をスピーディに行い、お客様の課題解決とプロダクト成長に貢献するのは、大変ですがやりがいも大きいです。  

―― 今年もリリースが立て続けにできたのは、そのチームの力があるからですね

そうですね。 2023 年だけでも ANDPAD API連携、 ANDPAD 3Dスキャン、 ANDPAD 豆図AIキャプチャー機能、 ANDPAD BIM(β版)、 ANDPAD 資料承認、 ANDPAD デジタルサイン機能、 ANDPAD おうちノートと8つのプロダクトや機能をリリースできているのは、それぞれの開発チームがミッションと向き合って開発をやりきったというのが大きいです。

ただ一方で、 ANDPAD は大きなプロダクトでもあります。 開発する都合上、どうしてもチームの中だけで完結しない部分や、他のチームと足並みを揃えることが必要な状況があります。

その際、スピード感やオーナーシップを失わないような組織作りをしていきたいと考えています。

―― 確かにチーム数が多いことによる課題もあるようにも思います。 このあたりを解決する仕組みやプラクティスはいかがでしょうか?

チーム数が増えると、必然的にコミュニケーションパスは増えます。そして、情報や意思決定が錯綜してしまうと、わたしたちの開発速度は急激に下がってしまうでしょう。

また、ソースコードやモジュールの共通部分に対して関心が薄くなることも想定されます。

そこで、前者に対してはコミュニケーションフローを整備し決定までのスピードを上げる、後者に対しては課題集約の場を作りオーナーシップを築いていくことに取り組んでいます。

正直に言うとまだまだ形式化できていない部分が多いですが、仕組み化よりもまずひとつの解決に辿り着くことが大事で、そこから組織に浸透させていくという順で考えています。

挑戦できる環境を作るのが楽しみ

―― これまでは tricknotes さんからみたアンドパッドの開発風景を伺いました。 ここからは tricknotes さんご自身のアンドパッドの楽しみ方や野望を伺いたいと思います。 まずはアンドパッドでの楽しさを伺えますか?

アンドパッドはシェア No.1 (*) を 6 年取り続けていますが、建築・建設業界の規模からすると、まだまだ十分ではありません。 課題を発見し、課題を解き、お客様に届け、たくさんのお客様にご支持いただけるよう価値を届けていく、この流れを積み上げないと、建築・建設業界の課題は解決できないと思っています。社外から見られるよりはるかに、アンドパッドは成長途中です。

そんな課題の総量が多い現状だからこそ、エンジニア観点でもオーナーシップを持ってリードタイム・品質を牽引していくアプローチが必要ですし、またそれだけでなく私自身で組織設計から開発を推進していけるところも、これまでにない面白さですね。

―― tricknotes さんが入社された際のインタビュー でも「組織」をキーワードにされていましたものね。 では、執行役員に就任され、これからアンドパッドの開発組織をどのようにしたいとお考えなのでしょうか?

アンドパッドのミッションは「幸せを築く人を、幸せに。」です。

幸せを考えるには、まず自分たちが幸せになる必要があると私は考えています。

だからこそ、わたしはアンドパッドで働くエンジニアがアンドパッドで過ごす時間を幸せに感じられるよう、事業推進と働く人の幸せを繋げていきたいです。

多くのお客様に支えられ、大変ありがたいことにプロダクトも開発組織もどんどん成長しています。その中で、先送りにしていた課題に後になって向き合う状況が増えることも予想されます。

課題が増えるということは、エンジニアが挑戦できる領域も増える、そして課題を解決することでお客様の幸せに繋がっていくということです。そして、今はまだ定義できていない課題・挑戦領域も多いでしょう。

私の取り組みとしては、安心して挑戦できる機会を増やし「エンジニアとしての幸せ」を体感できる場を、組織作り・体制の整備を通じて作っていきたいと考えています。

―― これからもドラスティックに変化しそうですね

エンジニアが挑戦できる組織・環境作りに私も挑戦していくので、一緒にリードしてくれるエンジニアが増えることを願っています。

―― いい宣言で締めることができ、とても良かったです! 今日はありがとうございました!

ありがとうございました。


このインタビューを通じ、 tricknotes はコードの楽しさだけでなく、さらに組織での改善の楽しさをアンドパッドで感じていることがわかりました。

そんな tricknotes が実際に現場ではどのように開発組織やチームと向き合っているのか、ここからは現場のチームメンバーにインタビューし、その様子をお伝えします。

番外編: tricknotes がアンドパッドにいる風景

ken3ypa
tricknotes さんには所属チームのテックリードとして、開発の設計段階からビジネス要件との調整に至るまで、多くの相談に乗ってもらっています。 また相談を持ちかけた際には、いつも明るくニコニコされていて、多忙な様子を微塵も見せず、前向きな姿勢で解決策を提案いただき、部下としてはとても相談しやすく、またありがたく思っています。また、全体に影響がある課題が出てきたときにはいち早く駆けつけ、状況を的確に把握して課題を収束させたのち、次なる課題へ去っていくそのさまは、アイコンよろしく忍者のようだと社内でもっぱらの噂です。


akiratakahash1
社内の Pull Request をよく見られていることに驚かされます。作業途中のブランチを WIP PR にしたところ、レビュワー指定どころかメンションもしていないのに十数分後には的確なコメントがついた経験が何度かあります。


つな
アンドパッドが今後どのようになるとスケールするのか、その観点からコードレビューやアーキテクチャレビューなどを行なってもらっています。 その度に学びが多く、感謝しています。技術的に困っている際は前提から疑い、その考えは無かったと思うような提案をしてくれるため、何度も助けられています。


ydah
相対している事象に対して、適切な人を巻き込んでいく力や纏めあげていく力が凄いなと思っています。


ytjmt
普段のレビューはチームメンバーに任せてもらっていますが、設計に悩んだ Pull Request であったり、長期的に見て改善しておきたい場合など、ここぞというときに見つけて的確なレビューコメントをいただけて助かっています。また、常にポジティブなコミュニケーションをとられるのも印象的です。障害対応で誰よりも大変だったであろうときでも、ポジティブな言葉を選んでコミュニケーションをとられていて、自分もそうありたいなと思ったことを覚えています。


kei-s
コードに厳しく人にやさしく。 コードの品質向上に気をかけていて、コードコメントなどでの物腰は柔らかく、書いた人に寄り添うコメントをしているのが印象的です。

組織・チーム編成を考えるだけでなく、やはりコードを通じても組織やチームとコミュニケーションし、チームを動かすのが tricknotes 流なのかも知れませんね。

アンドパッドでは、豊富な挑戦の機会を活かして、「お客様の幸せ」と「エンジニアとしての幸せ」を追求したい方のご応募をお待ちしております。

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