目次
はじめに
こんにちは、アジアクエスト株式会社デジタルイノベーション部の足立です。
2026年5月6日にシンガポールで開催された AWS Summit Singapore 2026 に参加してきました。
今回はAWS Jr. Championsとして、海外のAWS Summitに参加する機会をいただきました。
Japan AWS Jr. Championsとは?
AWS Partner Network (APN) 参加企業に所属し、現在社会人歴 1~3 年目で突出した AWS 活動実績がある若手エンジニアを「Japan AWS Jr. Champions」として表彰します。これは、AWS を積極的に学び、自らアクションを起こし、周囲に影響を与えている APN 若手エンジニアを選出しコミュニティを形成する、日本独自の表彰プログラムです。
※足立がAWS Jr. Championsに選出された記事はこちら
2025年 AWS全冠 + Jr. Champions 体験談 ―非エンジニアの挑戦 | 技術
AWS Summit Singaporeの後、そのままインドネシアの子会社(PT. AQ Business Consulting Indonesia)とのクラウド技術交流イベントでジャカルタへ向かう予定があり、私にとっては初めての海外渡航・海外出張、そして初の海外カンファレンス参加でもありました。
この記事では、 AWS Summit Singapore 2026の様子や、実際に現地へ行って感じたことなどについて紹介します。
今回は、特に次のことを意識していました。
- 会場の写真を撮り、展示の規模感や人の集まり方が分かるように記録する
- 海外の AWS Hero や AWS Community Builders のセッションを聞く
- Developer Community Zone で海外のコミュニティメンバーに話しかける
- House of Kiro のような体験型コンテンツに参加する
- 受付、ブース、質問ブース、体験コンテンツで、英語だけでどこまで動けるか試す
会社の出張として参加したため、社内で共有する際に、写真や体験をもとに話せる状態にして帰るつもりでした。
この記事では、AWS Summit Singapore 2026 の様子を紹介しつつ、初めての海外カンファレンスで何を見て、何を感じたのかをまとめます。
AWS Summit Singapore 2026 とは
AWS Summitとは、Amazon Web Services(AWS)が毎年世界各地で開催している国内最大級の無料クラウドカンファレンスです。
今年シンガポールで開催されたAWS Summit Singaporeの概要は以下の通りです。

公式サイトでは次のようなコンテンツが案内されています。
- 45以上のセッション
- Expo(展示ブース)
- Training & Certification Zone(トレーニングと認定)
- Startup Zone(スタートアップ)
- Developer Community Zone(開発者コミュニティ)
- The House of Kiro(脱出ゲーム)

会場は Sands Expo and Convention Centre で、Marina Bay Sands(マリーナベイ・サンズ) の一角にあり、公共交通機関でアクセスしやすい場所でした。

AWS Summit Japan と比べると、AWS Summit Singapore は少しコンパクトに感じました。ただし、1日で回るには十分に大きく、基調講演、Expo(展示ブース)、Developer Community Zone(コミュニティブース)、ハンズオン系の体験などがあり、限られた時間で回り切るのは難しいと感じました。
会場で感じたAWS Summit Singaporeの雰囲気
会場でまず目に入ったのは、生成AI、Agentic AI、Kiro などのAI関連の展示です。
一方で、Migration関連のセッションや展示もありました。AI一色というより、既存システムをどうAWSに移し、その先でAIをどう使うか、という並びに見えました。


会場では、中国語やインド系の英語が聞こえる場面が多くありました。参加者の正確な国籍までは分かりませんが、日本のイベントとは明らかに聞こえてくる言語や英語の種類が違いました。
会場規模は、体感では AWS Summit Japan の3分の1くらいです。幕張メッセで開催される AWS Summit Japan と比べるとコンパクトですが、2フロア構成で、専用のセッションルームや体験型コンテンツもありました。
Marina Bay Sands の会場はとてもきれいでした。ただ、外に出ると蒸し暑く、会場内も人が多い。きれいな会場なのに、ところどころで東南アジアの湿度とカンファレンスの熱気が混ざっている感じがありました。

軽食や飲み物も充実していました。パイ、クロワッサン、マフィン、コーヒー、紅茶などが用意されており、昼食もアジアらしいメニューでした。一方で、ランチタイムはとても混雑しており、座る場所を探すのも大変でした。あちこちの床や階段に座って食事をしている人がいました。

なぜ基調講演ではなく会場を歩くことを優先したのか
今回、私は基調講演を現地では見ませんでした。
理由は、基調講演の内容は後からオンデマンドで確認できる可能性がある一方で、朝の会場の雰囲気や、Expoの人の流れ、体験コンテンツの様子は現地でしか見られないと考えたからです。

初めての海外カンファレンスでは、セッション内容そのものだけでなく、どの展示に人が集まっているのか、参加者がどこで足を止めているのか、コミュニティエリアがどのくらい話しかけやすい雰囲気なのかを見たいと思っていました。そのため、今回は基調講演の時間を、会場全体の把握と写真撮影に使いました。
特に優先したかったのは、次の2つです。
- 基調講演中で人が少ない時間に、展示ブースや体験型コンテンツを回ること
- あとから説明できるように、会場全体、展示の配置、目立っているブースを写真で残すこと
結果として、マップだけでは分からなかった会場の様子や混雑具合を掴めました。後から社内で共有するときにも、単なるセッション内容ではなく、現地の空気感や展示の見え方を自分の言葉で説明しやすくなりました。

後から基調講演の内容を確認すると、シンガポールという場所の意味合いが強調されていました。シンガポールは2010年に AWS の Asia Pacific 地域で最初のリージョンが開設された場所です。
基調講演でも、AIの発展に関連してシンガポールの役割や位置付けが大きく扱われていました。

会場でAI関連の展示や体験コンテンツが目立っていたことのも、基調講演の内容とつながって見えました。単に「最近はAIが流行っているから」ではなく、イベント全体でそこに寄せている印象でした。
脱出ゲーム型の体験で、英語を分かったふりして失敗した
今回、一番記憶に残っている体験の1つが「House of Kiro」という脱出ゲーム型のコンテンツです。

House of Kiro は、Kiroをテーマにした脱出ゲームのような体験コンテンツです。2〜4名で参加し、Kiroにヒントを与えながら、脱出に必要な鍵を探していきます。
※Kiro とはAWSが開発・提供する、AIを搭載した次世代の「エージェント駆動型AI統合開発環境(AI IDE)」です。
部屋の内装、小物、ヒントの配置まで作られていて、単なる展示ではなく、Kiroを使った脱出ゲームとして楽しめる内容になっていました。

ただし、ここで大きな失敗をしてしまいました。
スタッフから「Any other questions?」と聞かれた際、ルール説明を完全に理解できていなかったにもかかわらず、質問せずにそのまま参加を進めてしまいました。
最初に分かっていたのは、「脱出ゲームのような体験で、Kiroを使うらしい」ということくらいでした。時間制限があることも、最初にどこを見るべきかも、ちゃんと理解できていませんでした。
内装の作り込みが面白く、写真を撮ることに気を取られていたこともあり、最初に見るべきヒントを見落としてしまいました。最後に答えを入力する段階になってから、「結局、何を入力すればいいのか」「何が問われているのか」を把握し直すことになりました。

スタッフの方に聞いたり、Kiroに聞いたりしながら何とか進めましたが、結果はタイムアップ。ノベルティ / 景品はもらえず、悔しい思いをしました。ノベルティがもらえなかったことより、「分かったふりで進んでしまったこと」と「どう聞けば良いか分からなかったこと」が悔しかったです。

海外のAWSコミュニティメンバーに話しかけてみた
今回、特に行きたかった場所が Developer Community Zone (コミュニティ用のブース)でした。

Developer Community Zone では、AWS Hero や AWS Community Builders によるLTが行われていました。セッション後には、そのまま登壇者に話しかけられます。私にとっては、ここが一番海外イベントらしい場所でした。
AWS Hero, AWS Community Builders とは
AWS(アマゾン ウェブ サービス)に関する知識の共有や、技術コミュニティの発展に熱心な技術愛好家やエンジニアを支援・表彰する公式プログラムです。
AWS Hero 公式ページ:https://builder.aws.com/community/heroes
AWS Community Builders公式ページ:https://builder.aws.com/community/community-builders

ヘッドホンで聞けるのは助かりました。会場が騒がしいので、直接聞くより聞き取りやすいです。ただ、スマホで音を拾って翻訳するような使い方はしづらくなります。
そのため、できるだけ前の席に座りました。英語を全部聞き取れなくても、スライドが見えると内容を補足できます。

セッションの内容には、自分にとって新鮮なものもあれば、既に知っている内容に近いものもありました。ここで困ったことがあります。
「知らない分野の方が面白い。しかし、知らないから質問ができない。」
逆に、知っている分野は聞き取りやすいですが、新しい驚きは少なくなります。次に同じような場へ行くなら、興味のあるセッションについて、サービス名や登壇者の背景くらいは事前に見ておきたいです。
セッション後には Ask the Speaker (登壇者に質問できるエリア)に行き、登壇者に話しかけました。自分は日本から来た AWS Community Builder であることを伝え、セッションの感想も伝えようとしました。
ここでは、できたこととできなかったことがはっきり分かれました。
できたことは、最前列でセッションを聞き、Ask the Speaker で話しかけ、LinkedInで繫がり、一緒に写真を撮れたことです。英語に不安はありましたが、自分から話しかけるところまではできました。

一方で、セッションの感想はほとんど言葉にできませんでした。紹介されていたサービスの前提知識が足りず、感想も「Great」「Nice」「Interesting」 くらいで止まってしまいました。
このとき、足りなかったのは英語だけではありませんでした。技術的な前提知識も足りていない。知らない分野のセッションに行くなら、少しでも予習しておいた方が、セッション後に話しやすかったはずです。
うまく話せたわけではありません。それでも、現地にいたからこそ、話しかけるところまではできました。
英語は度胸だけでは足りなかった
今回、勇気を持って話しかけるところまではできました。ただ、その後に会話を続けるのは別問題でした。
気合いや度胸だけではどうにもならない場面があります。相手が何を言っているか分からない。質問したいことをすぐに英語にできない。曖昧な表情をしていると、さらに質問されて困る。こういう場面が、会場の中で何度かありました。
一方で、セッションを聞くことについては、思っていたより何とかなりました。スライドがあり、普段から英語のイベント動画やポッドキャストを聞いていたこともあって、内容を大まかに理解することはできました。
難しかったのは、自分が話す側になったときです。用意していない質問に答える、とっさに反応する、相手の発言を受けてもう一言返す。そこで急に言葉が出なくなります。
カタコトでも「これに興味があります」「参加したいです」「セッションが面白かったです」くらいは伝えられます。スタッフの方も親切で、こちらが伝えようとしていれば助けてくれます。
ただ、その先が難しかったです。
相手がこちらに興味を持って質問してくれたとき、返答が短くなり、会話を広げられませんでした。House of Kiro のようにルール理解が必要な場面では、説明を聞き逃したまま進めてしまいました。自分の英語力の不足が、そのまま行動の質につながりました。
技術でも、「触ったことがある」と「必要な場面で使える」は違います。英語もそれに近い感覚でした。
聞いて大まかに理解することと、その場で話して返すことは別でした。今回足りなかったのは、単語量だけではありません。聞き返す力、短く説明する力、会話を続ける力が足りませんでした。
AWS Summit Japanと比べた違い
AWS Summit Singapore に参加して、AWS Summit Japan との違いは単に規模の大小だけではないと感じました。より本質的な違いは、イベントが対象とする市場の範囲と、得られる情報の文脈にあります。
主な違いを以下の表にまとめました。

この表からも分かるように、両イベントは「同じAWS Summit」でありながら、参加する目的によって得られる価値が異なります。
普段は日本国内のイベントに多く参加しているため、AWSの話題を国内の文脈で捉えがちですが、シンガポールは世界のテック大手にとって、ASEANのグローバルハブ的な位置づけでもあるため、アジア太平洋地域を前提としたテーマが前面となっています。
最先端の技術を日本語で深く学び、国内の事例や人脈を得たいなら AWS Summit Japan。東南アジアの活気を感じつつ、英語環境でグローバルなトレンドや国際ネットワーキングを体験したいなら AWS Summit Singapore がおすすめです。
次に海外カンファレンスへ行くなら変えたいこと
今回参加した海外カンファレンスで、うまくいかなかったことも含めて、次に行くときにはこう変えたいと思ったことを書きます。
まず、目的をもっと具体的に絞った方がよかったです。
今回は基調講演を見ずに会場を歩き回る判断をしましたが、その判断自体は間違っていなかったと思います。ただ、目的の範囲が広すぎた感は否めません。次に行くなら、「写真を撮る」「Community Zoneで2人に話しかける」「体験コンテンツを1つやる」といったように、具体的な行動をもう少し絞り込んでおくべきでした。
次に、予定を詰め込みすぎないことです。
スケジュールは一応確認していましたが、初めての会場ということもあり、移動や行列だけで思った以上に時間がかかりました。偶然見つけた展示に寄り道したり、急に誰かと話が始まったりすることもあります。予定を詰めすぎると、そうした余白の時間をすべて削ってしまうことになります。
一方で、アウトプット先を先に決めておいたのは役に立ちました。
今回は、会社ブログや外部登壇で共有することを前提に参加していたので、「ただ写真を撮る」のではなく、「あとで説明しやすい写真を撮ろう」と意識できました。会場全体の雰囲気、展示の様子、混雑具合、Community Zone、食事の風景などを意識して残せたのは、そのおかげです。
最後に、話しかける相手や内容について、もう少し事前に考えておけばよかったです。
Ask the Speakerに行くなら、「どこが面白かったか」「自分の文脈ではどう感じたか」を一言で言えるように準備しておくべきでした。ブースに行くなら、「何を聞きたいのか」を先に決めておくべきでした。そこまで準備できていれば、「Great」「Nice」「Interesting」だけで終わってしまうことは、もう少し減らせたと思います。
AWS Summit Japanに参加する前の自分に伝えるなら
AWS Summit Japanに行く前の自分に言うなら、「セッションを詰め込みすぎない方がいいよ」と伝えたいです。
AWS Summitでは、セッション以外にも見るべきものがたくさんあります。Expoを歩く、ブースで話を聞く、Community Zoneに立ち寄る、知り合いに偶然出会う。あとから記憶に残るのは、むしろそうした時間の方が多いものです。予定を詰めすぎると、その余白をすべて削ってしまうことになります。
全部を見るのは無理です。だから、「今日はこの技術の事例を聞く」「このブースで1つ質問する」「Community Zoneに行く」といったように、1日の軸を1つ決めておくくらいが現実的だと思います。
発表を聞いて気になったことがあれば、ぜひAsk the Speakerにも行ってみてください。今回、海外のAWS Community Buildersの方に話しかけたときは、うまく話せないことも多かったです。それでも、行かなければLinkedInの交換も写真撮影もできませんでした。短い会話でも、登壇者が何に関心を持っているのかが少し見えたのは収穫でした。
参加前に、あとでどこに共有するかを決めておくのもおすすめです。ブログでも社内共有でも、形式はなんでも構いません。あとで誰かに伝える前提があると、写真を撮る場所やブースで聞く内容が変わってきます。ただ撮るだけでなく、「この展示は誰に共有するとよさそうか」「この会場の様子をどう説明するか」を考えながら歩けるようになります。
まとめ
AWS Summit Singapore 2026 は、私にとって初めての海外渡航であり、初めての海外カンファレンス参加という貴重な機会でした。
英語でうまく話せない場面もありました。House of Kiroでは、ルールを理解したふりをして失敗してしまったり、Community Buildersの方に話しかけても、伝えたい感想をうまく言葉にできなかったりしました。
それでも、現地に行って本当によかったと思っています。
会場を歩き、展示を見て、どのブースに人が集まっているのかを自分の目で確かめ、AWS Community Buildersの方に話しかける。こうした経験は、資料や動画を後から見るだけでは決して得られません。
セッションの内容を確認するだけなら、後からオンラインで追えるものもあります。だから今回は、基調講演を見ない時間を作ってでも、会場を歩き、写真を撮り、人に話しかけることを優先しました。
今回の出張を通じて、海外のAWSイベントの雰囲気だけでなく、「自分はどこで詰まるのか」もはっきり見えてきました。
次に海外カンファレンスへ行くなら、「Great」「Nice」「Interesting」だけで終わらせるのではなく、「どこが面白かったのか」「自分の文脈ではどう感じたのか」を、少なくとも一言で伝えられる状態で臨みたいです。

参考リンク
AWS Summit Singapore 2026 公式サイト
AWS Summit Singapore
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写真で見るAWS Summit Singapore 2026 - Speaker
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