アクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社として2000年に米国で生まれたアバナード。マイクロソフトのテクノロジーを軸に、これまで数多くの企業の事業変革を支えてきました。
そして、お客様からの漠然とした相談を実行可能な変革のテーマへと具体化していくのが、営業(Business Development)とClient Solutions(プリセールス)の連携です。今回は営業の粟津麻友と、Client Solutionsの谷苗明弘にインタビューを実施。約20年にわたり顧客担当営業を続けてきた粟津と、エンジニアからプリセールスを担うClient Solutionsへとキャリアを広げてきた谷苗。二人が語る、お客様の相談を事業価値の起点に変えていく仕事のリアルに迫ります。
▼プロフィール
氏名:粟津 麻友(Mayu Awazu)
役職:Manager
職種:Business Development ※営業
氏名:谷苗 明弘(Akihiro.yanae)
役職:Senior Manager
職種:Client Solutions ※プリセールス
顧客理解と技術力。それぞれの強みを活かして価値を届ける。畑違いの二人が見ている同じ景色
―まずはお二人のキャリアについて聞かせてください。
粟津:私は前職もアバナードと同じようなトータルソリューションの会社で、一貫して約20年、お客様担当の営業をしてきました。経営層から現場の方まで課題をお伺いした上で、どんな技術で解決できるかを提案し、契約後もサービスインまで伴走する営業活動を続けてきました。
谷苗:私はもともとインフラエンジニアです。中堅の独立系SIerに勤めていたのですが、そこでは基本設計やパラメーターシート作成といった、いわゆる下流工程が中心でした。アバナードに転職したのは11年前になります。
―粟津さんは、数あるSIerやコンサルティングファームの中で、なぜアバナードを選ばれたのでしょうか。
粟津:前職はハードウェアもソフトウェアも自社で持つ会社だったので、どうしても自社サービスに寄せた提案になりがちだったんです。もっとお客様の課題そのものに向き合って、広く解決策を考えられる会社で営業がしたいと思っていました。アバナードはマイクロソフトとアクセンチュアの思想を受け継ぐ会社なので、技術的な視点とコンサルティングの上流のノウハウ、その両方を持っている点に惹かれました。
―谷苗さんは、エンジニアとしてどんな点に魅力を感じたんですか?
谷苗:当時のアバナードは、マイクロソフトソリューションに深い専門性を持つ企業だと知ったのがきっかけです。というのも、中堅の独立系SIerだと、どうしても上流には入りづらいんです。アバナードならマイクロソフト製品を軸に、上流から高い専門性を活かしてエンジニアリングの仕事ができることに魅力を感じました。
―今は谷苗さんはClient Solutionsという部署にいらっしゃいますが、これはどういう役割なんですか?
谷苗:Client Solutionsは契約前の商談段階からお客様に伴走するプリセールスの組織です。技術的な提案を組み立て、お客様と合意するまでをメインで担います。営業がヒアリングしたお客様の課題を、実際に手を動かして形にしていくのが私たちの役割です。
入社してから7年ほどはインフラチームにいました。その後、コロナ禍初頭にセキュリティ部門へ異動したのですが、そこではお客様の課題に対して構想を練ったりロードマップを描いたりといった、アドバイザリーやコンサルティングに近い仕事が増えていきました。その流れで、上司からClient Solutionsが立ち上がるので一緒にやらないかと声をかけてもらい、昨年から今の役割に就いています。
「営業は人の話を聞く人、Client Solutionsは形にする人」——1つの相談が案件になるまで
―案件は、どんなきっかけで始まることが多いんですか?
粟津:新規のお客様であれば、直接お電話をいただくケースもあります。アバナードが出展したイベントで名刺交換をさせていただいて、そこから能動的にアプローチすることもありますね。あとは、すでにお付き合いのある既存のお客様の中で、まだ関わっていない部門をご紹介いただくこともあります。そこから新しい課題を掘り出して、お取引を広げていくケースもありますね。
―そうした最初の接点で、セールスの役割を教えてください。
粟津:私はお客様とのタッチポイントを増やし、課題を引き出す役割を担っています。そこで技術的に解決できそうだと思ったら、Client Solutionsのメンバーに声をかけて、一緒に動いてもらうんです。
―そこから提案が固まるまでは、どう進んでいくんですか?
粟津:私自身が技術提案のすべてを担うわけではありません。お客様の課題を深く理解し、適切な専門家につなぐことが営業の大切な役割です。あくまでお客様自身もまだ整理しきれていない課題や想いを引き出して、それを形にするための橋渡しをするのが営業だと思っています。だから、Client Solutionsのメンバーがいなければ、提案を実際の形にすることはできないんです。
―谷苗さんから見て、セールスとの役割分担についても聞かせてください。
谷苗:お客様の課題を理解しないと、適切な提案はできません。たとえば、同じ『AIを導入したい』というご相談でも、その担当がセキュリティ部門なのかDX部門なのかで、私たちが組み立てる提案の文脈はまったく変わってきます。だからこそ、粟津さんのようなセールスがお客様の生の声を捉えてくれることが、精度の高い提案につながるんです。それを踏まえて、私たちClient Solutionsが技術的な実現性やソリューションの組み立てを担っていく。ここがうまく噛み合うと、より良い連携が実現できると感じています。
困っている現場に、必要な知見を結集する。二人が語る、連携が生んだ現場のリアル
―プロジェクトが始まった後も、お二人は現場と関わり続けるんですか?
粟津:出席できる定例会議には積極的に呼んでいただくようにしています。拾いきれていない宿題や、解決が難しそうな課題が見えたときは、私から社内にエスカレーションをすることもあります。提案後の実行フェーズが始まったら営業の仕事は終わり、というわけではないんです。
―具体的にはどんな動き方をするのか聞かせてください。
粟津:たとえばプロジェクトチームと話し合う中で、必要に応じて追加メンバーやより深い知見のあるメンバーをアサインし、チーム全体でプロジェクトを成功に導くこともあります。このように、現場の人たちがスムーズにプロジェクトを進められるよう、環境を整えるのが私の仕事だと思っています。
―谷苗さんは、プロジェクトの実行フェーズが始まってからどう関わっていくんですか?
谷苗:提案の段階ではまだ固まっていない論点を、プロジェクト実行チームの責任者と一緒に組み立てていきます。あとは、粟津さんとも重なる部分ですが、社内のリソースをうまく引っ張ってくることも大事な仕事です。マイクロソフトの公式サポート窓口を使ったり、Client Solutions内の技術スペシャリストに直接お客様と話してもらったりして、プロジェクトの品質向上につなげています。
―お二人の話を聞いていると、提案して終わりではなく、現場に入り込んでいく印象を受けますね。
谷苗:そうですね。1つの相談から生まれた提案を、実際に価値のあるものとしてお客様に届けるところまで見届けたい、という思いは強いです。やり切ることで信頼が生まれ、次のプロジェクトにつながっていくんだと思っています。
営業とClient Solutions(プリセールス)に向いている人は、技術力よりも「人への興味」と「知的好奇心」
―お二人にとって、この仕事にはどんなスキルやマインドが必要だと感じますか?
粟津:技術的な知識よりも、人に興味を持てるかどうかが大きいと思っています。目の前のお客様が何を考えていて、どんな組織の中で、誰とつながっているのか。そこに関心を持てる人であれば、技術面はClient Solutionsやプロジェクト実行チームの心強いメンバーがいますから、心配しなくて大丈夫です。
「この人は何をされたら嬉しいんだろう」と考えることで、相手の気持ちや要求に気づける。そう考えると、スキルも身近なものに感じられるかもしれません。
谷苗:私たちの場合は、技術知識はやはり欠かせません。ただそれだけでなく、お客様の表面的な課題の奥にある「本当の原因」を構造的に捉える力や、相手の立場に合わせて説明する力も必要になります。技術の進化が早い分野なので、自分の専門外だからと線を引かず、学び続ける姿勢も大事にしています。
―「学び続ける」ために、社内にどんな仕組みがあるのか聞かせてください。
粟津:会社としてあらゆる分野の研修をオンデマンドで用意してくれており、興味を持った領域はいつでも学べます。他のお客様でどんな技術活用の事例があったかも社内で調べられるので、それを自分の知見にしてお客様に持っていく環境も整っていますね。
―今後、この仕事を通じて実現していきたいことを教えてください。
粟津:アバナードとしての営業のあり方を、もっとしっかり言語化していきたいと思っています。今は若手メンバーとも積極的に対話をしながら、それぞれがどんな思いで仕事に向き合っているのかを聞いて回っているところです。そうやって集まってきた声を重ね合わせることで、アバナードらしい営業の形が見えてくるはずだと思っています。
谷苗:プリセールスに専任してから、数字への責任を前より意識するようになりました。それに加えて、Client Solutionsは目の前の提案だけでなく、アバナードのサービスメニューそのものを開発することも仕事に入ってきます。たとえば2030年にアバナードとして何を市場に出していくべきか、そのために今何を準備するか。市場の大きさを調べたり、お客様の長期的な課題のロードマップをヒアリングしたりと、少し先の未来を見据えて動くようになりました。今後は、単発のプリセールスで終わるのではなく、お客様の組織変革や事業変革という大きなテーマに、チームとして向き合っていきたいと思っています。自分の専門領域だけで答えを出そうとするのではなく、チームで価値を出せる人と一緒に働きたいですね。
―どのような方に、アバナードで活躍してほしいと思いますか?
粟津:アバナードはサポートしてくれる人が多い会社です。IT業界の経験がなくても、人とのコミュニケーションを大事にできる方であれば、ぜひ飛び込んできてほしいです。
谷苗:アバナードのプリセールスは、ビジネスとテクノロジーの両方に関われるのが面白いところです。すべての技術に詳しい必要はありません。わからないことは学んで、周りを巻き込みながら、お客様にとって本当に価値のある提案を一緒に考えていける方と、一緒に働けたらと思っています。