アクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社として2000年に米国で生まれたアバナード。「戦略×テクノロジー」の支援により、これまで多くのクライアントのイノベーション創出を支えてきました。
世の中には多くのコンサルティングファームやシステムインテグレーターが存在し、コンサルティングと開発を一手に引き受けている企業も少なくありません。そんなアバナードには、専門性を活かしながら新たな領域へ挑戦できる、どのような環境があるのでしょうか。
今回インタビューしたのは、事業会社の情報システム部門でMicrosoft 365 Copilotの全社展開を推進し、その後アバナードへ転職した吉田。入社後は提案からデリバリーまで常時複数社を担当しており、マイクロソフト製品の普及に貢献した個人に贈られるMicrosoft MVPを受賞しています。専門性を軸にどのように役割を広げていったのか、語ってもらいました。
▼プロフィール
氏名:吉田 雄基(Yuki Yoshida)
役職:Manager
職種:Modern Workplace Engineering
支援する側に回るために、事業会社の情シスからアバナードへ
―アバナードに転職した経緯を教えてください。
前職は事業会社の情報システム部門で、「Microsoft 365」のインフラ管理や活用推進を担当していました。2023年に「Microsoft 365 Copilot」が登場した際には、いち早く全社展開するプロジェクトの立ち上げに携わり、プロジェクトマネージャーとして約2年推進しました。当時の私は、AIで組織を変えていく「攻め」と、セキュリティやガバナンスを担保し、既存システムを絶対に止めてはいけない「守り」を同時に担う立場でした。この相反する二つを両立させる正解は誰も教えてくれません。社内だけで解決策を模索することに難しさを感じるようになりました。
一区切りついたタイミングで、自社の中でのCopilot推進だけでなく、より多くの企業に知見や経験を還元したいという思いが強くなり、マイクロソフト製品を主軸に置くアバナードへの入社を決めました。
複数のお客様を支援する、提案からデリバリーまで担うチームのリード
―現在はどのような部署で、どんな役割を担っているのか聞かせてください。
Modern Workplaceという部署で、複数のお客様に対して並行でMicrosoft 365 Copilotや対話型AIを独自に作り込めるCopilot Studioの導入・利活用支援をするチームのリードをしています。お客様1社に専任で関わるのではなく、チームとして複数のお客様をご支援し、提案からデリバリーまでを一体となって担う組織です。
自分の主担当は2〜3社ほどですが、他のお客様のセミナーや提案活動にも関わり、提案からデリバリーまでを含めると複数社を担当しています。前職は自社の中でCopilotの活用推進を担っていたので、複数のお客様を並行して支援する今の働き方は自分の中で大きな変化です。お客様層は、エンタープライズから中小企業、自治体まで幅広く、期間を区切って伴走する「Avanade Copilot Utilization Accelerator Service」というパッケージで複数のお客様を支援しています。
―前職での経験は、どのように活きていますか。
10年以上マイクロソフト製品を専門にやってきた経験に加え、事業会社の目線、そしてエンジニアとしての実装経験。この3つを組み合わせることで、お客様の目線に立った提案にうまく活かせていると感じます。特に事業会社での経験は大きいと感じています。前職では、役員に向けてどう稟議を通すか、企画書を書いて承認をもらうか、予算の発注プロセスやお金の管理まで携わりました。誰がキーパーソンで、誰の承認を取り付ければ話が前に進むのか。といった「お客様の意思決定フロー」を、身をもって知っていることが、提案の強みになっています。
プライベートでもCopilotに関するコミュニティの運営や勉強会での登壇などをしており、その活動を通じてMicrosoft MVPを受賞しました。Microsoft MVP受賞者は国内に約160名いますが、実はアバナード日本法人だけで5名も在籍しています(2026年7月時点)。社内のメンバーから製品の相談を受ける機会も多く、マイクロソフトの担当者と業務でかかわることもあり、距離の近さも日々実感しています。
セキュリティと業務変革の壁は、アドバイザリー部門との連携で越える
―セキュリティや業務変革といった領域にも踏み込んで支援されているのでしょうか。
これまではそこまで踏み込んでいませんでしたが、今後は広げていく必要があると感じています。Copilotなど生成AIの活用を進める中では、セキュリティや業務変革が、取り組みを進めるうえでの壁になりやすいからです。アバナードに期待されるのは、ツールを導入して使いこなしてもらうだけでなく、実際に業務がどう変わったかという成果まで示すことだと感じています。
自分たちのチームだけでは難しい部分も多いため、アドバイザリー部門や営業部門とも連携しながら対話を重ねて学び合い、提案の幅を広げているところです。
―実際にはどのような連携が生まれるのですか。
大げさなものではありません。コンサルティング部門が主導する案件に関心を持った際には、自ら手を挙げて関わりたい意思を伝えることもあります。今まさに、プロジェクトチーム内にコンサルティング部門出身のメンバーも混在してアサインされているんですよ。
技術領域とコンサルティング領域のメンバーが混在する、ユニークな「混成チーム」だからこそ、双方の強みを活かせると考えています。今後は、コンサルティングの視点と高度な技術的アプローチの両方を高いレベルでこなせる精鋭チームへ育てていきたいです。
提案を受け止めてもらえるから、新しい挑戦につながる
―アバナードを選んだ理由に「自由度」を挙げていましたが、入社後に感じたことを教えてください。
入社後に感じたのは、自分の担当領域にとらわれず、会社やお客様にとって価値があると考えたことに挑戦しやすい環境です。他部署との連携も活発で、新しい取り組みに手を挙げた際には前向きに受け入れてもらえることが多いと感じています。
長く日系企業に身を置いてきたため、入社前は文化の違いも想像していました。しかし、実際にはカルチャーショックはほとんどありませんでした。むしろ今振り返ると、自分自身が日本企業の枠組みにあまり馴染めていなかったのかもしれません。
―提案やアイデアに対しては、どのようなフィードバックや議論が行われるのでしょうか。
もちろん、準備不足による却下や差し戻しもありますが、その場合も経験豊富なメンバーが真剣に話を聞き、フィードバックをしてくれます。頭ごなしに否定するのではなく対等にディスカッションしてくれますし、不十分であっても「ここがまだ詰めが甘い」と成長を促すフィードバックを返してくれます。真摯に向き合ってくれる土壌があるだけで、納得感が得られるため、その後のモチベーションにも大きな違いが生まれます。
―どのような人がこの環境で活躍できると思いますか。
技術力よりも、圧倒的に「マインドセット」の方が重要です。正しいマインドセットさえあれば、技術的な知識は後からいくらでもカバーできます。特定のスキルや専門領域を深めることだけでなく、技術を通じてお客様のビジネスにどのような価値を提供できるかを考える力が大切です。
そうした意欲や視点を持ちながらも、自発的な提案が前例やルールを理由に受け入れられず、力を発揮できていない人もいると思います。だからこそ、現状に疑問を持ち、自分なりの「独自の視点」を持つ人にこそ、挑戦してほしいです。
事業会社での経験を活かし、お客様に寄り添う支援を実現したい
―吉田さんご自身が、今後アバナードで取り組んでいきたいビジョンを教えてください。
前職の事業会社で情報システム部門としてCopilotの全社展開を推進していた際、AIで組織を変える「攻め」と、セキュリティやガバナンスを担保する「守り」を同時に担う難しさに、正直かなり苦しみました。経営層と現場との間で目指すべき方向性のコンセンサスが十分に形成できないまま、実務だけが先行してしまう場面もありました。今振り返ると、経営層と現場の間に立ち、それぞれの考えをつなぎながら共通の目標を示していく支援が必要だったのだと感じています。
だからこそ今度は、アバナードのコンサルタントとして、お客様の情シス部門に徹底的に寄り添い、事業部門とIT部門が同じ目標に向かって業務変革を進められるよう支援していきたい。事業会社出身だからこそ、お客様の社内で何が起きているか、どのようなプロセスで意思決定が進むかを、身をもって知っていることは、大きな強みのひとつだと感じています。
ー最後に、アバナードに興味を持った方にメッセージをお願いします。
Copilotをはじめとする AIやIT製品を導入する真の目的は、人々がより生産的に、そしてやりがいを持って働ける環境を実現することにあると確信しています。目の前の仕事をより良くしたい。そして、組織や社会により大きな価値を生み出したいという想いを持つ方に、ぜひ仲間に加わっていただきたいです。