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"今"こそ"未来"につながる価値を自ら選び取る。絶えず変革を続けるアバナードが提供する世界とは

今、企業は急激に働き方の変化を求められています。それによって、働く環境のすべて、つまりワークプレースそのものの変革を余儀なくされています。

ワークプレースという観点からこの状況を捉えた場合、セキュリティをはじめとした様々な課題に対して、企業やマネジメント層はどのように向き合い、どのような対応が必要になるのでしょうか。

モダンワークプレース統括の和田玄にオンラインで話を聞きました。


和田玄(わだ げん)/モダンワークプレース統括
東京大学卒業後、大学院在学中に米国の監査法人、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社し、IT部門で10年活躍。2005年に立ち上げメンバーとしてアバナードに入社後、インフラストラクチャのリーダーやケイパビリティリードに従事。現在はモダンワークプレースの統括を務めている。

突如迫られた、マネジメント層の意識改革

——現在、全世界で企業の労働環境が変化しつつあるかと多いますが、実際の現場ではいかがでしょうか?

変化は求められていますが、この短期間で何かが劇的に変わったということはまだないと思います。そこには、国ごとの事情の違い、考え方の違いも大きく関わってきます。

昨年アバナードでは、世界中の企業の意思決定者1300人を対象に、ワークプレース改革に対するアンケートを実施しました。その結果「ワークプレース改革は、企業のコスト削減や売り上げアップに繋がる価値のある取り組み」として、多くの企業がその考えに賛成していることがわかっています。

しかしながら、現時点でワークプレース改革の実現に至っていない阻害要因は、国ごとで異なります。

日本企業の多くは、トップが考えるミッションや目標を部門ごとに分割し、それぞれの部署がいかにコストを下げるか、売り上げを上げるかを考えて施策を実施していきます。そのような体制下においてワークプレース改革を実施すると、「各部門における効率化」がキーワードになります。

一方、日本との比較として、あるIT先進国を例に挙げると、そこでは日本のように部門ではなく、企業全体でワークプレース改革が実施されていきます。部門を超えてプロセスを作り変えたり、今までの無駄をなくしたりすることでより大きな効果を出せるように「生産性」がキーワードになります。

プロセスを守りながら部分・部門最適を徹底的にこなしていく日本もあれば、全体最適から考える国もあります。このように、国によって根本的な考え方に違いがあります。

では、諸外国の成功事例をもとに、日本も全体最適を目指して改革を実施するといいのではないかというと、そう簡単な話でもありません。

それはなぜかというと、変革を推進するのは自分たちの役割である、とマネジメント側が認識している企業が日本には少ないからです。

日本では、良くも悪くも今ある環境やプロセスを尊重し、それを守ろうとする文化が根付いています。マネジメント層、つまり企業のトップにいる人間がそれまでのプロセスや文化を崩さない限り、部門を越えた横断的な意思決定と実行はできせん。そのため、ワークプレースを改革したいのであれば、マネジメント層の意識改革が非常に重要なポイントになります。

これまで自分が変革推進者であるとの意識が薄かったマネジメント層が、突如変化を迫られている。それが、“今”だと思います。


「取捨選択」をしなければ、本当に守りたいものは守れない

——マネジメント層が積極的に関わって、企業全体でワークプレース改革に向き合わなければいけない状況がやってきたということですね。

そうですね。現在、働き方に対する柔軟な対応が求められています。それが、ワークプレースそのものを見直さなけなければ生き残れないかもしれない、という危機感を持つきっかけになっているのではないかと思います。

今の状況を転機と捉え成長する企業もあるでしょうし、反対に縮退するきっかけになってしまう可能性もあります。それは各企業の判断によって変わってくるはずです。

アバナードに寄せられる相談としても、「会社としてこの危機を乗り越えるためにサポートして欲しい」、「これまではユーザーの合意形成をしながら丁寧に進めていたが、それでは間に合わないので、スピード感を持って改革していくためのアドバイスが欲しい」という声が増えています。


——相談のお声にもあるように、今はスピード感がとても重要ですよね。将来を見据えながら今を乗り越える改革を、スピード感を持って進めていくためには企業はどうすればいいのでしょうか?

まずは、目的達成のための「取捨選択」が必要です。

例えば、テレワークを実施したいというときに、「社内でしているのと同じことを、すべてリモートで実施できないことにはテレワークには移行できない」なんて考えていたら、いつまでたってもテレワークに移行できません。優先順位をつけ、機能を制限するなど、何かを犠牲にしながらでも変えていくしかない。取捨選択をしない限り、今企業が背負っているリスクを減らすことはできないんです。

最近はセキュリティが話題に上がることも多いですが、セキュリティ対策というのも、その取捨選択すべき要素のひとつなんです。

セキュリティ対策を万全にしたからと言って、100%安全だと言い切ることはできないのが現状だと思います。もしも「セキュリティが100%担保できるならば、プロジェクトを進めてもいいよ」と会社側から言われているのだとすれば、そのプロジェクトは全く進めることができないでしょう。

「セキュリティ上どこまでの業務はリモートでOKなのか」「何を守る代わりに何ができなくなってもよいとするか」といった取捨選択ですから、最終的には「何を目指すのか」「何をやりたいのか」「どこまでのリスクを取れるのか」ということを総合的に考えて判断をする必要があります。

これらはマネジメント層にしかできない意思決定です。

自らが変革の推進者にならなければ、というマネジメント層の意識改革とともに、何を守りたいのかを真剣に取捨選択しなければならないときがやって来たのです。

中長期的に本当に価値あるものをつくる「バリュー・リアライゼーション」という考え方

——その取捨選択や変革実現をサポートする上で、アバナードが大事にしていることはなんでしょうか?

取捨選択をして変革を推し進めたとしても、それが使えないものでは全く意味がありません。そこで、本当に価値あるものをつくるために「バリュー・リアライゼーション」という考え方がポイントになってきます。

今回のように急な判断を迫られている状況でも、半年後に使えないものを導入してしまっては意味がないんですよね。せっかく入れたシステムを、中長期的にその会社のワークスタイルとして定着させていけるような方向性を持って進めないと、単純に導入しただけのその場しのぎのツールで終わってしまいます。最初はもちろん導入の速さが大切ですが、それが今後きちんとお客様のビジネスに繋がっていく、効果的な施策として進めていけるよう支援していくことがアバナードの役目です。

中でも、誰が、どんなデバイスで、どのように活用するか、というユーザー体験の観点は非常に重要です。

以前、社内ツールやデバイスについて、アバナードがグローバル規模で実施した調査によると、10〜20代の人は、個人間コミュニケーションで電子メールを使うことは、もうすでに「ありえない」と考えている、という結果が出ています。それを踏まえると、何かテクノロジーを導入する際には、お客様の年代別構成、雇用形態、テクノロジー対応へのスキルやリテラシーの高さなど、多様な観点で考えなければ、新しい社内インフラの定着化はできません。

一人ひとりの日々の業務のシナリオを理解した上で、使う人が便利だな、使いやすいな、という良い印象を感じてもらえるシステムにしていかないと意味がないんです。

現在の状況で直面しているワークプレース環境の問題は、1ヶ月我慢したからと言って終わるわけではなく、これから先ずっと続く問題です。

このテレワーク期間中、どうしたら安定して仕事を回せるのか、どうしたらテレワークで仕事をしている人の負荷を減らせるかという、ユーザー体験の観点で物事を考えることが、本当のバリュー・リアライゼーション、つまりは価値の創出になるのだと思います。


——ユーザーに寄り添うため、アバナードは具体的にどのようなサポートをしているのでしょうか?

例えば、日々誰がどこでどんなふうにコミュニケーションをしているのか、正しく理解するためのワークショップがあります。スピード感を持って進められるようにするためのワークショップなので、これまで3~4ヶ月かけて要件定義していたことも、その場で話を聞いてパッと画面を作ってみたり、実際のデバイスを使ってみたり、どんどん改善を繰り返して具現化していきます。

その他には、テクノロジー導入後であれば、展開の計画、レクチャーやトレーニング、使い方に関するヒント提供方法など、多様なメニューでユーザーに受け入れてもらうための工夫をしていくことが非常に重要であり、それがバリュー・リアライゼーション、すなわち価値の実現につながるのです。


▲オンラインで実施したインタビューの一コマ


今も変化し続けるアバナード

——アバナード創設時から活躍されていますが、当時と比べて今のアバナードはどのように変化していますか?

アバナードは、たった15名の小さな会社から始まりました。

それが、100人、200人と仲間が増え続け、現在は約600人規模の会社に成長し、今も様々な意味で変化しています。毎年毎年、アバナードは違う会社になっているんですよ。

当初はMicrosoftのテクノロジーに強いエンジニアがいる会社として育ってきましたが、現在は「お客様のパートナーになる会社」です。

私自身は、入社当初はインフラ系のリーダーとしての役割を担っていましたが、ケイパビリティをリードする立場になったり、先にお話ししたバリュー・リアライゼーションを実現するモダンワークプレースをリードしたりと、会社の成長に伴って私の役割も変わってきています。

また、社内に様々な領域の専門家が増えてきています。

例えば、AI、IoT、クラウドなどぞれぞれの分野の専門家や、お客様にバリュー・リアライゼーションのコンサルティングをする専門家、アドバイザリーや戦略コンサルティングチームなど、年々領域が広がっていっています。これは、アバナードのカバーするフィールドがどんどん広がっているということで、私自身とても面白みを感じています。

600人規模の会社になりましたが、社長と、我々危機対策チーム、プロジェクトのリーダー、そして現場のメンバーの距離が今でも非常に近く、社長からのメッセージがダイレクトに伝わるようになっています。状況に合わせて、会社全体が柔軟に対応できるのは、我々の強味だと思います。


——そんな今のアバナードにはどんな人材がマッチすると思いますか?

アバナードには、何をしなくてはいけない、これをしないとダメという制約や制限がほとんどなく、どこのコンサルティング会社よりも自由度の高い会社だと思っています。

いろいろなことに興味を持って挑戦できたり、自分の頭を使って進めていけたりする環境がありますが、逆に言えば、何か役割を決めてほしい人にとっては、それを丁寧に説明してくれない会社とも言えます。

自分が正しいと思ったことを発言できて、やりたいことをやって、自分よりも知識のある人たちにどんどん質問相談しながら、キャリア形成をしていくことができる環境があるのがアバナードです。

年齢社歴にかかわらず、正しいことを言えば採用され、正しくないことを言えば正されます。私自身もこれまで、正しいか正しくないか、合理的か合理的じゃないかという観点で物事を考えて仕事をしてきました。この環境を楽しめる人にとって、アバナードは最高の環境だと思いますよ。

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