すき家、くら寿司、大戸屋ら外食企業が悲鳴  相次ぐ「バイトテロ」が及ぼすブランド毀損、数字で見てみると?

2019年1月下旬、「すき家」のアルバイトが起こした不適切動画を発端に、感染するかのようにくら寿司、バーミヤン、大戸屋など外食企業やセブンイレブン、ファミリーマートなどコンビニへと”バイトテロ”が拡散。「テロ」とは大げさではないかと一瞬思うこともありますが、株価下落による時価総額への影響、ブランドパーセプションの悪化など、企業関係者にとっては損害が発生しているかもしれません。今回は、メディア露出の観点から、「バイトテロ」が及ぼすブランド毀損をテーマに調査してみました。

<調査対象>
調査ツール:PR Analyzer
期間:2019年1月25日~2019年2月19日
対象媒体:Web、テレビ(※1)
対象キーワード:各ブランド名と「不適切動画」、または「バイトテロ」のセット検索
対象企業:外食企業に絞って調査 1)バーミヤン、2)大戸屋、3)くら寿司、4)すき家
※1 PR Analyzerで取得したテレビ露出データは首都圏キー局のみを対象

連鎖するバイトテロ、逆バイラルマーケティング状態

図1はテレビ、Webニュースの想定リーチ数の日次推移です。図2はそれらの各社比率の推移(=シェア・オブ・ボイス)です。シェア・オブ・ボイスでは、全体の露出を100%とした場合の各社露出割合をグラフ化しています。

まず最初に、すき家(赤色)が1月29日に公式謝罪を表明したときから各ニュースメディアが記事化し始めています。その後、くら寿司、バーミヤン、大戸屋などと不適切動画投稿が続き、現在に至っています。くら寿司での事件以降、テレビ番組でも取り上げられ、想定リーチ数が大きく伸びています。2019年2月7日には、延べ3,400万人ほどのリーチ数となっており、一気に社会ごと化しました。

図2のグラフを見てみると、第一週は(当然ながら)バイトテロ関連の報道はすき家のものが100%を占めますが、週ごとに企業数が増えていることが分かります。新しい事件が起きると直近起きた企業例も引合いに出されるため、初期に騒動になったすき家やくら寿司は悪影響が続いているように見えます



図1 各社のメディア露出推移(日別、リーチ数表示)

図2 各社のメディア露出比率推移(週別、リーチ数表示)


参考)「日テレNEWS24」でも報道されました。


ブランド毀損が最も大きかったのは「くら寿司」?

下記図は、上から掲載数、リーチ数、広告換算費それぞれの指標でメディア露出量を比較したグラフです。注目すべきは、発端となったすき家ではなく、後発だったくら寿司の露出量が最も多かった点でしょうか。広告換算費ベースで、すき家の2倍弱の露出量となっています。テレビ番組での掲載も多かったようで、約63億円の換算となりました。これらの多くがネガティブ露出だとすると、質的にはもっと大きな影響を及ぼしているのではないかと思われます。しばらくの間、パーセプション(認知)にもネガティブな影響が続く恐れもあります。





「バイトテロ」に対する、広報のスタンス

一連のバイトテロにおける企業側の対策として、従業員教育といった観点で議論が起きていますが、広報担当者としては、何を考えれば良いのでしょうか。

(現役広報の方々には釈迦に説法かと思いますが)採用や研修といった人事的アプローチは必要だとしても、広報担当者は”こういった事件や事故は100%防げるものではない、いつか起こる”というスタンスで準備をしておく必要があるでしょう。 少し古めの調査結果ですが、トライベック・ブランド戦略研究所が行った「企業社員による不祥事に対する意識調査」(2010年)によると、「事実関係を調査する」(93%)、次いで「調査結果を公表する」(84%)となっています。

ちなみに、各社の発表内容(プレスリリースやブランドサイトでのお知らせ)は以下です。「大戸屋」のプレスリリースでは、事件内容に加え、再発防止策がより明確に記載されていますね。

「すき家」 当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ
https://www.sukiya.jp/news/2019/01/20190131.html

「バーミヤン」 当社従業員による不適切な行為とお詫びについて
https://www.skylark.co.jp/company/news/press_release/pk637h000001i6wm-att/190210.pdf

「くら寿司」 当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ
http://www.kura-corpo.co.jp/release/pdf/20190206.pdf

「大戸屋」 当社従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ
https://www.ootoya.com/news/20190218.pdf

「守りの広報」を強化するにあたって、やるべきことはいくつもあると思いますが、まず「いち早く事件や事故に気付く」ことで、その後に対応できることは大きく変わってきます。

ビルコムが提供する広報・PR効果測定ツール「PR Analyzer」では、自ブランド、競合ブランドの関連ニュース、クチコミをリアルタイムにチェックできる体制作りを支援しています。自ブランドの情報収集をしているところは多いかと思いますが、競合ブランドで事件事故が起きた際、飛び火してくることもありますし、逆にポジティブなPR機会につなげることもできるかもしれません。

ご興味あれば、ぜひお問い合わせください。


                                筆者:ビルコム株式会社 田中幸司


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