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起業までのストーリー④

前回までの続き

メディアの提携を社長に木端微塵に壊されてしまい、次の事業の柱をまだ黎明期だったガラケーに着目して、i-mode向けのオプトインメールを企画しようと考えました。

当時はまだムーバ全盛期でi-modeユーザーは100万人程度だっと記憶しています。

携帯のメールサービスに着眼した理由の一つに社長の友人が携帯販売の代理店をやっていて、その人脈でH通信に企画を持ちこめるかもと考えていました。

で、パワポでせっせと企画書を作成していました。

企画のポイントは携帯電話販売会社の店舗網を利用して、ユーザーにはオプトインで広告を配信する
ユーザーには興味のあるジャンル、お得な情報を配信してポイントを受け取る
広告収入を得る(H通信の営業ネットワークを最大活用する)

いまなら当たり前で、目新しいサービスでもないですが当時は本格参入してる企業はなく事業化できる可能性は十分にあると考えてました。

企画初版ができて、H通信の前に関西で大手携帯代理店のN社の社長にプレゼンの機会をもらえないか友人の社長に聞いて欲しいと相談したところ、まずは企画書を見せてほしいとなりました。

しばらくして、ビジネスモデルやシステム構成や結構細かい点を社長にしては珍しく的を得た質問がくるようになり、理解してくれるまで何度も説明する日々でした。

ですが、ネットサービスリテラシーが低い社長が説明するより、企画者である私のほうが的確でプレゼンさせてくれれば話が早いのになあと思ってました。

そこからまた数日後、私のアポイントに全部同行すると突然言ってついてくるようになりました。

いったい、この人何がしたいのかな?おバカなのかな?

前回の事もあり、人間性に限界を感じていた私の怒りも徐々に限界に達してきました。

そして、たまたま社長が離席している時に社長のパソコンから私の企画書表紙が見えて、企画者のところが何と社長の名前になってるじゃありませんかw

まーいいけどさw
社長の顏もあるだろうと呑気にプレゼンの練習をしている中川でした。

1か月たってもプレゼンのことはうやむやに。

一通のFAXが届きました。

なんだろ?不動産屋?
家賃35万もする渋谷の高級賃貸マンションの物件資料でした。

やっと事務所移転できるのか?でも完全に家だよね、これ。
まさか、まさか、個人の家を借りないよね。
そこまでクレイジーじゃないよね。

中『物件資料来てましたがなんすか、これ?』

社長『中川君には関係ないから』

中『まさか、オフィス移転より前に個人の引越しじゃないですよね?』

社長『中川君には関係ないから!いちいち説明する必要ないでしょ!』

これは怪しい。

はい。やられました。

企画を無断で盗まれました。すべて自分考えたことにしてプレゼンしてたようです笑

同行してたのもそのためか。的を得た質問は株主側からか。なるほどね。

そして既にN社から約5000万調達済だったんですねw

サラリーマンなので、もちろん会社としての企画だから、こうなっても文句は言えません。

当時はビットバレー構想とかネットバブルだったので、ペライチ企画でもこれぐらいのお金はすぐに集まったのです。

そうなると私は完全に用済み。

当然、出資者に私の存在を知られるのは困るんでしょう。
うるさい目障りな存在になった私は追い出されるように退職することになりました。

どうやらこのサービスでトータル5億調達したらしいです。

親族の会社に業務委託で資本金の大半を横流ししてる噂も聞き、噂でもらしいなと思ってましたw

その後2年程度で資本金を食いつぶして最終的にはH通信に吸収されたようです。

何て汚いんだろうか。

25歳の青年はサービスを作りたかっただけなのに。
社会の厳しさを知り、さて、これからどうしようと考えるのでした。

ただ会社を辞めても個人でレンタル掲示板を運営してて副収入があり極貧ながらも生活はできました。

当時サーバー管理をお願いしていた優秀な外注さんで茨城県のサイトウさんに一連の騒動を話して、退職すると伝えて一度も会ったこともなかったのでこの機会に食事を行く約束をしたのでした。

そうです笑 知ってる方にわかると思いますが、

このサイトウさんというのは弊社の創業役員で現在も弊社の最高技術責任者です。

そして彼の存在が非常に大きく、後に起業の後押しをしてくれるのでした。


起業前のストーリーはこれで終了です。





・・・・・・・・・・・・・・起業編につづく

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