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Webエンジニアがエレベーターを動かす。ユーザーへの「価値」にとことん向き合った、2年間の軌跡


「働く空間」をアップデートすべく、日々開発に取り組むW&E Productチーム。経験も、強みも、志向性も異なるメンバーが集った個性溢れるチームです。このシリーズでは、W&E Productメンバーの想いや毎日の取り組みを等身大でお届けします。

今回はWebエンジニアの古川さんにお話を聞きました。

ビットキー入社後、第一子の出産と育児休暇の取得を経験した古川さん。育児休暇から復帰したあと、本来Webエンジニアが触れることのない、ビル用ネットワークの通信プロトコル「BACnet」にも挑戦されました。家庭を大切にしながら、開発者として進歩を続ける古川さんは、日々何を思い、どのような夢を描くのでしょうか。

古川 恵三|Webエンジニア

新卒で日産自動車に入社し、工場の生産設備の電気設計を担当。ワークスアプリケーションズ入社のタイミングでエンジニアに転向し、会計のERPパッケージの開発に携わる。ビットキーへは2019年10月に入社。現在は、ABWを実現するためのWebサービスの開発や、オフィスビルとworkhubの各種機能を繋ぐためのサーバーの開発を担当する。※ABW...Activity Based Workingの頭文字を取った言葉で、業務内容に合わせて働く場所を自由に選べるワークスタイル

目次

  1. 一つの技術へのこだわり以上に「何を成し遂げるのか」を重要視
  2. エレベーターが動いた、その瞬間の喜び
  3. 子育てとの両立は、まだまだ模索中
  4. 拡張性の高い事業で、昔描いた夢をもう一度

一つの技術へのこだわり以上に「何を成し遂げるのか」を重要視

古川さんは元同僚の声がけをきっかけにビットキーと出会いました。前職ではマネジメント業務の色合いが濃くなり、もっと手を動かして開発したいと思い始めていたタイミングだったそうです。

「事業構想が面白いと感じましたし、一緒に働く人たちの人柄も魅力的に映ったので、ビットキーへの入社を決意しました」

古川さんが開発したプロダクトの1つに、bitreceptionがあります。入社から、わずか2週間でゼロからの開発を任されました。bitreceptionの開発は1年弱携わってきましたが、workhubの誕生と共に他の開発者に引継ぎつつ、徐々にコワーキングスペース領域に注力していきました。2020年10月には育児休暇を取得し、3ヶ月後の2021年1月に復職。その後、オフィスビルのアクセスコントロールなどを担う制御盤の開発を前任から引き継ぎながら、workhubのWebサービス開発も行いました。これら全てをたったの2年、そのうち3ヶ月は育児休暇取得しているとは思えぬほど、様々な領域の開発を担ってきました。

「2年間、正直忙しかったですが、色々なプロダクトをつくれたのは楽しかったですね。入社していきなり受付業務無人化とスマートロックの連動をテーマにしたプロダクトをゼロから作ったりとか、『制御盤、よく分からないですけどやります』とか(笑)。いい経験でした」

古川さんはこれまで、とにかくお客様の求める価値に重きを置いてきたと語ります。仕事を選り好みすることなく、任されるものに対して毎回真剣に向き合ってきました。しかし、実際のところ、やりたい言語や触れたい技術もあったのではないでしょうか?

「『この言語がやりたい』など、技術にこだわりを持つことも大事だと思います。でも僕にとってそれは趣味の側面が強くなってくると思っています。結局は何を成し遂げるか、どんな価値を与えられるかだと思うので、あくまで仕事上はそこを大切にしています。相手が求めるものに対して応えていかないと、仕事としては意味がないのかなって。その上でどんな言語を使うか、手段として何を選択するかが大事だと思ってます」

採用面談でも、「TypeScriptという言語が好きで、それを突き詰めたい」という方に対して、ビットキーの環境は合わないかもしれないと素直に伝えたことがあったそうです。もし古川さんが特定の技術へのこだわりが強ければ、おそらくここまでの幅広い経験は積めなかったでしょう。 W&E Productチームは、価値を追求しながら、その上でこだわりを突き詰める人が向いていると言います。

エレベーターが動いた、その瞬間の喜び

最もやりがいを感じた瞬間は、「ソフトウェアとハードウェアを組み合わせて新しい体験を実現できたとき」だと語ります。直近では、ビル1棟をworkhubでDXするという取り組みがなされ、古川さんはエレベーターの着床制御を担当しました。この機能があると、認証された人間のみが入り口ドアを通過でき、エレベーターで特定の階のボタンが押せるようになります。セキュリティ面から人の少ない夜や朝の時間帯はエレベーターの利用に制限がかかるため、その不便を安全に解消するために導入された機能です。着床制御には、「BACnet」というビル用ネットワークのための通信プロトコルが使われました。

「社内に1人だけ、その名前を聞いたことがある人間がいたくらいで、僕自身全く知らない技術でした。インターネット上にも詳しい情報が出ていなかったので、700ページくらいある分厚い技術書を読んで勉強しました」

着床制御をするには、元々あるビルのオートメーションシステムと連動させる必要があります。システム連携先の会社からは、BACnetについて何も知らない状態から本当にできるのかと心配する声も上がっていたと言います。

「最も苦労したのは検証の仕方でした。仕様は理解できても、本当に動いているのかを確認する方法が不明瞭でした。通信の中身をバイト単位で見ながら、徐々に読み解いていきました」

BACnet採用時は、技術のキャッチアップや開発を外部の会社に依頼することも検討しましたが、結果として、最初から最後まで古川さん1人でやり遂げました。

ビルのオートメーションシステムと連動させる検証の日、古川さんは自ら顔認証をし、エレベーター内に入りました。着床制御の状態にあることを目視し、正確にエレベーターが動いていることを確認したその瞬間、「本当に実現できたんだ、エレベーターを動かせたんだ」と喜びが湧き上がってきたそうです。

「ソフトウェアとハードウェアの掛け合わせで新たな体験を作る、ビットキーのものづくりの醍醐味を味わった瞬間でしたね」

子育てとの両立は、まだまだ模索中

古川さんは現在、1才のお子様を育てられる父親としての顔もお持ちです。保育園の送りは古川さんが、お迎えは家族が担当されています。

「1日で最も忙しいのが夜の時間帯です。自分もなるべく早く帰って家のことをしたいのですが、妻にかなりフォローしてもらっているのも事実。その分、休日はできる限り子どもの世話をしています」

お子さんが生まれる前に比べると早く帰るようにはなりましたが、それでも奥様に頼っていると感じる部分も大きく、日々感謝しながら過ごしていると言います。気になるのは、チームメンバーとの関係性です。帰りづらさを感じることはないのか、ストレートに質問してみました。

「帰りづらいという気持ちは全くないです。『なるべく早く帰ってお子さんのお世話をしてくださいね』と周りも声をかけてくれます。現時点では、子育てと仕事の両立ができていると胸を張って言えるわけではないけれど、今ある環境の中で最大限に上手くやろうと努力しています」

事業の成長スピードが早いため、業務自体は相変わらず多忙。それでも、チームの理解と家族のフォローもあって、前向きに働けていると語ります。

拡張性の高い事業で、昔描いた夢をもう一度

これからの目標をお聞きしました。

「いつか、自動車の領域に携われたらいいなと。日産で働いていた経験があるので、少しは知識が活かせるんじゃないかと思っています。僕は大学時代、リチウムイオン電池の研究をしていました。電気自動車の開発に活かせると考えて日産への入社を決めたのですが、実際には研究内容に全く関係のない、工場の生産設備の電気設計部門に配属となりました」

自動車の開発に携われなかったことや、予算や日程の管理などが主となる大企業的な働き方に不満を感じ、自ら手を動かしてものづくりがしたいという思いが募っていったそうです。その後、古川さんはWebエンジニアに転向し、自動車業界を離れました。

「入社時に、ビットキーの技術は汎用性が高く、車の鍵などにも使える可能性があると聞きました。すごく面白そう、いつか自分がやってみたいと思いましたね」

思いがけず、人生の点と点がつながっていく。技術の汎用性が高いビットキーだからこそ成し得るわざかもしれません。

さて、入社理由の1つに「事業の面白さ」を挙げていた古川さんですが、現在事業に対してどのように思っているのでしょうか。

「入社時は、鍵を抽象化して扱うというフワッとしたイメージに過ぎませんでしたが、現在はHomeとWorkspaceでそれぞれ事業が伸びていて、目指す世界観の解像度も一気に上がっています。大きな成果をあげられている実感が強くなってきていますね」

会社ではプロダクトや事業の成長を感じ、家庭では大切なお子さんの成長を見守る。一瞬一瞬の成長の喜びが、開発者として、父親としての古川さんを支えています。

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