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2度の事業ピボット・創業者の離脱・キャッシュアウト寸前?だったスタートアップの創業1年を振り返ってみた

株式会社Caratを2016年12月5日に創業してから、なんだかんだと1年が過ぎたので、この1年間の活動を少し振り返ってみようと思います。前回の創業半年編はこちら

まずは大きくどんなことがあったのかを箇条書きで出してみます

  • 2度の事業ピボットを経験(GLITが3つ目のプロダクト)
  • 共同創業者が抜け、別会社(株式会社キカガク)を設立
  • 自己資金が創業半年程でキャッシュアウト寸前になる
  • IVSにスタッフとして参加
  • GLITをサービスローンチ
  • GLITがTechCrunchに掲載して貰えるまでに
  • 関わっているメンバーが7人に

ざっと上がるだけでもこれぐらいのトピックがあります。

上記は後で振り返るとして、まずは月別にどんな感じでどんなことがあったかなどを書き出していこうと思います。と言いつつ、あんまり覚えてないなぁ〜、それぐらいこの半年が濃いということで。

2017年6月(創業7ヶ月目)
6月は、5月にシードファイナンスが決まったものをプレスとしてリリース出させて頂いたり、IVS Kobeにスタッフとして参加して起業家コミュニティに触れていました。
IVSに参加している2日目にプレスリリースを打ったのですが、そこではシードラウンドの資金調達とMVPのリリースを合わせて出しました。今回2017年12月のIVS Kanazawa(ちょうど開催されていますね)でもいくつかプレスが出たりするんじゃないのかなと思っています。
そしてこのタイミングでGLITをAppStoreにリリースしました。本当は内部でもう少し検証などを重ねていきたかったのですが、開発版のアプリを友人や知り合いに使ってもらう際にDeploGate(開発中のアプリの受け渡しツール)経由でインストールして貰っていたのですが、これが面倒だと断られまくっていたため致し方なくAppStoreに公開しました。但し使えるユーザーを制限するため、"審査制"を取っていました。

Tips:『IVSや大きなカンファレンスに参加する起業家はホットトピックを持って行け』

これはVCやメディア関係の方に教えてもらいました。ここで言うホットトピックと言うのは、先輩起業家やVCなどとネットワーキングするためのネタのことを指します。なので大きなカンファレンスのタイミングで調達ニュースなどのプレスが多かったりもするみたいです。(実際はどうなのか不明ですがw)

25歳の起業家が元同僚と挑む、採用プロセスの効率化 カジュアルに出会えるリクルーティングサービス『Glit』が求人市場を可視化する Skyland Venturesから資金調達 | Pedia News
カジュアルに出会えるリクルーティングサービス『Glit』を運営する、株式会社Caratは、Skyland Venturesと個人投資家1名より資金調達も実施したという。同社代表の松本直樹氏は、2014年に株式会社SHIFTへ新卒入社し、1年目から部署の立ち上げ、海外拠点の立ち上げを支援など幅広い業務を経験し、2016年12月に株式会社Caratを創業した人物である。
https://thepedia.co/article/2414/


2017年7月(創業8ヶ月目)
起業する前の前職を辞めてから神奈川(中央林間)でシェアハウスをしていたのですが、自宅兼オフィスを東京都内(都立大)に引っ越しました。

オフィス兼自宅を都内に引っ越しました! | 株式会社Carat
先日まで神奈川県の方(渋谷から電車だけで40分)に、起業してからの半年少しオフィス兼自宅ということで住んでおりました。※カバー写真はその時に作業風景です。事業の方も少しづつは進んで来ていることも...
https://www.wantedly.com/companies/caratinc/post_articles/69004


2017年8月(創業9ヶ月目)
7月末にこんなブログをまとめているのですが、6月中旬に初期MVPをリリースしたものを6−7月とブラッシュアップしデザインなどをしっかり実装したものを8月にリリースしました。確かここら辺のタイミングで"審査制"も撤廃したので、ユーザーがある程度動いてくれる感じにはなってきました。但しMVPからここまでは、Wantedlyなどの媒体からの求人情報がレコメンドされるだけしかユーザーに提供できる価値はありませんでした。(一応、履歴機能もあった。)


2017年9月(創業10ヶ月目)
9月はプレスを仕込んでいたのと、Tech in Asiaのカンファレンス内で行われるHINODEアクセラレーターの最終デモデイがあったので、そこに向けた開発や準備にほぼほぼ注力をしていました。そして9/27のTech in Asia初日に、GLITアプリにおけるフィード機能の提供および・企業向けβ版のリリースをTechCrunchで発表させて頂きました。

"腰をすえない転職アプリ"、TinderライクなUIが特徴の「GLIT」が企業向けβ版をリリース | TechCrunch Japan
学生のあいだに行う就職活動は、腰をすえてじっくりと取り組む時間がある。でも、働きながら行う転職活動は、まとまった時間が取れないことも多い。 そんななか、日本のスタートアップである Caratは、TinderライクなUIが特徴的な「腰をすえない転職アプリ」を開発した。同社が2017年6月にリリースした「 GLIT 」だ。 ...
http://jp.techcrunch.com/2017/09/27/glit/

ここでのプレスの効果などもあり、ユーザーがガツンと増えMAUやスワイプ数などのKPIもガツンと増え、企業からのお問い合わせも数多く貰うことに成功しました。

2017年10月(創業11ヶ月目)
この月は、前月のプレスの効果もありお問い合わせ頂いた企業へのセールス活動などが結構メインで行っていたような気がします。開発の方は、GLITの根幹となる"マッチング機能"の開発に結構注力していたなぁって気がします。
なので実はここでも、ユーザーに与えれる価値は初期のMVPからそこまで大きく変わらないまま。笑
そのためさすがに一定期間使用したユーザーの離脱なども結構ありました。。

10月末時点の概要がこちら

ローンチ5ヶ月で累計求人スワイプ数25,000件を突破!"AIが毎日レコメンドする求人情報をスワイプするだけ"の求職アプリ『GLIT(グリット)』でカジュアル採用が加速度的に...
AI求職アプリ『GLIT』(http://appstore.com/glit)の累計求人スワイプ数が25,000件を突破しました。 ...
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000023025.html


2017年11月(創業12ヶ月目)
ようやく"マッチング機能"をリリースすることができ、ユーザーと企業が繋がり始めました!ここでようやくユーザーに与えれる価値が求人情報がレコメンドされるだけでなく、自分が興味を持った企業とアプリ内でやり取りすることができるようになりました。そうなってくるとやはりユーザーの離脱なども減ってき、KPIの数字なども上がってきました。

11月末時点での内容がこちら

AI求職アプリ『GLIT』が企業向けに期間限定「¥0プラン」の提供を開始
2017年10月より企業向けに既に提供を開始しており、既にITベンチャー・スタートアップ企業を中心に80社超がトライアル導入 を行なっております。今回「GLIT」サービスページ( https://glit.io/enterprise )よりオンラインで企業様に自由にアカウント開設を行い、ご利用可能になったことをお知らせ致します。 2017年内は期間限定「¥0プラン」として、企業様に"完全無料"でライトプラン相当の機能を提供致します。 GLIT Adminβ(企業向け)についてのお問合わせはこちらから: h
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000023025.html

こちらのプレスで数多くのトライアル企業の獲得に成功し、ユーザーに与えられるマッチング体験がかなり増え、より一層ユーザーと企業が繋がり面談・採用実績が出てきましたね。

まぁざっとこんな感じが月別編です。
トピックも色々とあったので、そちらも少しフォーカスして振り返ってみようかなと。

2度の事業ピボットを経験(GLITが3つ目のプロダクト)
GLITは実は3つ目のプロダクトで、2016年12月に起業して2つプロダクトを止めました。
1つ目はこちらのチャットボットコンシェルジュのようなもの

「relico -リリコ- 」 無料で使えるチャットでの出張手配代行サービスが登場
多くのビジネスパーソンは出張を自身で手配しており、1件あたりの手配に約30分〜1時間ほどかかっている状況です。「relico -リリコ-」ではチャットで要望を伝えるだけで、ホテルや交通機関・飲食店を検索してくれるサービスを無料で提供いたします。 ( https://relico.jp ) ■サービス概要 「relico -リリコ-」に依頼することで自身で情報を検索する手間を削減でき、その空いた時間を有効活用することが可能です。 現在は国内のみに対応しており、出張プランの作成〜ご提案までを行い、ご予約につい
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000023025.html

2つ目はこちらのカメラマン版Uber(笑)

カメラマンと手軽に出会える『Snapcoin』のベータ版を提供開始!
インターネットサービスを開発・運営する株式会社Carat(本社:神奈川県大和市、代表取締役社長:松本 直樹)が、撮って欲しい時に手軽にカメラマンとマッチングできるプラットフォーム『Snapcoin -スナップコイン 』のβ版を提供開始 致しました。 ■手軽にカメラマンとマッチングできるプラットフォーム『Snapcoin -スナップコイン 』 http://snpcoin.com 現段階では、決済機能などは未実装ですが、既に50名弱のカメラマンが登録 をしている。 2017年春の本番リリースに向けて、サービ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000023025.html

本当は企業前の11月に手書き資料を写真で撮ると瞬時にパワーポイント資料化できるようなサービス、さらには前職時代に作った自動リンクチェックができるWebテストサービスなど、なんか色々とやってますね。笑
この次のトピックでも書くのですが、実は機械学習の教育事業なるものもやってたり。

話は戻るんですが、チャットボットコンシェルジュ(relico)は初期プロトタイプをWordPress・Zenchat・楽天トラベル/ヤフー乗換案内APIなどを使って作り、ユーザーに対してサービス提供し仮説検証を行ってました。共同創業者が抜けるなどの理由もあり、このサービスは幕を閉じましたが。
そしてここでCTO斎藤と2つ目のサービスであるSnapcoinを作り始め、作るのと平行でビジネスモデルが成立するのかの検証を行おうと私は帰省と合わせて京都の観光地で実地検証を行いました。検証内容はカメラマンと同行して、簡単に言うと着物を着て観光している女性をナンパして撮影し、それが1日何回ぐらいできそうなのかを確かめてました。結果は15回ほどの撮影ができましたが、実家に帰るともうクタクタでこれだと1回の撮影で1000円をもらったとしても結構しんどいなみたいな結論に至りました。そこからターゲットを企業向けに少し修正してWebのプラットフォームとして準備し提供をしていましたが、なかなか事業としてどう進めていっていいかイメージが湧きずらく、2017年の3月31に幕を閉じました。その翌日4/1が前職の同期の結婚式で知り合いや友達に会うのがだいぶ嫌だったのは覚えています。笑

そこからすでにアイデアとしては何と無く考えていたGLITを立ち上げていくことになりました。

共同創業者が抜け、別会社(株式会社キカガク)を設立
前職SHIFTを松本・斎藤・吉崎で抜け、Caratを共同創業しその中でキカガクという内容で機械学習の教育事業を行っていましたが、吉崎がそれをメインで事業としてやっていきたいと意向もあり、2017年1月に早くも抜けて株式会社キカガクを設立することなりました。そこからも3人でシェアハウスに住んでましたし、今でも仲は良いです。
すでにキカガクはMicrosoftと協業ビジネスをするクラスになっているので、負けてられませんが。

Tips:共同創業をする場合は、必ず創業者間株主契約を締結すること

これはどれだけ仲が良く信頼し合っていても締結しておくことをオススメします。我々も締結してましたし、今でも私とCTOの間でもう少し細かい創業者間株主契約を結んでいたりもします。

自己資金が創業半年程でキャッシュアウト寸前になる
このトピックはちょっとスタートアップっぽい話なのですが、自己資金などを出し合いやっていましたが流石に半年ほどやっていくと資本金がなくなってきます。実はその間にCTOに簡単な受託の案件を受けてもらったりして引き伸ばしたりもしました。しかし、キャッシュも尽きかけてくるタイミングでとある方に無利子・無担保でお貸し頂くことになり、シードラウンドの資金調達が無事にすぐできたのでお返ししました。名前などは出せないのですが、その方にお借りすることで資金調達の期間や選択肢を増やすことができたので非常に感謝しております。しっかりと事業の結果でお返しできるようにしたいと思っています。

IVSにスタッフとして参加
2017年の6月に神戸でIVS(経営者のカンファレンス)にスタッフ参加し、ここで起業家・VC・起業を志す方など幅広く友達になれたのでそれからも結構仲良くさせてもらったりはします。起業やスタートアップ・VCなどに興味ある方や学生はどこかのタイミングで参加した方が良いなと思います!

GLITをサービスローンチ
スタートアップの1つの壁として、プロダクトをリリースすることというのがあると思います。今ではかなりリーンスタートアップの考え方が普及しているので当然のようですが、我々もかなりサービスとしては恥ずかしいようなフェーズからでもリリースを行い、数字をウォッチしたりユーザーからの意見やフィードバックなども回収しました。初期は2017年6月にリリースし、そこから事業優先度が高い機能やユーザーからのフィードバックをもとにどんどん改善を行ってきました。

Tips:なるべく早いタイミングでプロダクトをリリースしよう

GLITがTechCrunchに掲載して貰えるまでに
9月末にTechCrunchに掲載頂いたのですが、スタートアップとして1つの目標というべきところだと個人的には思っていました。起業するプロダクトを作る→TechCrunchに載せてもらうみたいなのが、いわゆるスタートアップ的だと思っておりその後は掲載効果で数字などは一定期間伸び下がってきます。本当にその通りなんだなぁとか思いながら、割と淡々と事業を進めていました。

Tips:メディアに掲載してもらうなら、個別に関係者とコネクションを作ること

これは私も最初は知らなかったのですが、メディア関係者も新しくユーザーに価値を提供できそうなネタを探しています。しかし数多くの情報収集を行っているのと書く内容が多いので、まだまだリリースしたばかりのプロダクトは普通にしていてもそういった関係者の方の目にはなかなか触れません。なので個別に紹介でもどんなルートでも良いので、メディア関係者の方にコンタクトし掲載してもらえないかプッシュしていく必要があります。新しくそのメディアの読者の価値になりそうなプロダクトなどであれば、かなり前向きに話を聞いてもらえると思います。

関わっているメンバーが7人に
吉崎が抜けてからは、しばらくの間2人でしたが6月にエンジニアの方が1人ジョインして下さり、9月に学生インターンの小関くん・Webエンジニアがもう1人入り、10月から元TECH::CAMPの瀬尾くんが入り、10月からデザイナーが1人増えました。松本・斎藤・瀬尾の3人以外は複業やインターンとして、コミットしてくれています。体制も東京/地方/海外と結構グローバルな感じですかね。笑
多様な働き方は会社としても推奨しているので、どんどんこれからも面白いメンバーがジョインしてくれるのを期待しています。(2017年12月末にも学生インターン1名がジョイン決定)

最後に
とりとめもない感じで書いてしまいましたが、スタートアップでの1年は非常に色んなことが起き精神的にしんどい時も多々あるかと思いますが、20代の貴重な時間を捧げても非常に価値があると思います。もっと詳しく話が聞きたいとかがある方は、ぜひWantedlyからでも個別にFacebookなども構いませんのでコンタクト下さい!

GLITをもっと多くのユーザーに体験してみて欲しいので、このブログを最後まで読んでくれた方はぜひインストールもお待ちしています。

https://glit.io
http://appstore.com/glit

企業の方はこちらから
https://glit.io/enterprise

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