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千葉ウシノヒロバらしいユニークさが、たくさんの人に届いてほしい|千葉ウシノヒロバメンバーインタビュー①楠瀬薫子さん

千葉ウシノヒロバには、デザイナー、ディレクター、プランナーといったクリエイティブな職能をもったメンバーが集まっています。
牧場兼キャンプ場を運営するチームとしては少し異色なメンバー構成かもしれません。実は、立ち上げの背景に理由があります。

千葉ウシノヒロバは、「チャレンジで社会の価値を更新する」ことをミッションに掲げる株式会社チカビが、自らチャレンジするプロジェクトとして立ち上げた施設です。チカビは牧場やキャンプ場に関連した企業ではなく、クリエイティブ制作がもともとのメイン事業。そのためチカビからクリエイティブなスキルを兼ね備えたメンバーが千葉ウシノヒロバで牧場やキャンプ上の立ち上げ・運営へ関わっています。

楠瀬薫子さんもそんなメンバーのひとりです。チカビでウェブディレクター・プランナーとして活躍される一方、千葉ウシノヒロバではマルシェや「育てて食べる部」の企画を担当されています。

プロフィール:楠瀬薫子
1985年生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業。 ぬいぐるみメーカーや面白法人カヤック勤務を経て、フリーランスに。2018年夏より「ウミベプランニング」を立ち上げ、企画制作業と水着ブランド“COLCA“の運営を行う。チカビには2018年6月より参加し、プランニングやWebディレクションで活躍。

牧場の立ち上げに関われる機会なんてもうないかもしれない
やったことない仕事こそやろうと、決めていました

「私がプロジェクトに加わったときは、インフラも整っていない、土地の用途変更もこれから、企画もまだ決まりきっていないフェーズでした」

楠瀬さんが千葉ウシノヒロバのプロジェクトに参加したのは、プロジェクトが始動してまだ間もないころです。0からの立ち上げでやらなければいけない仕事は山積みな一方で、メンバーはわずか3人だったといいます。行政との調整業務や書類作成、事務的な仕事など、とにかくやるべきことをやっていく。手探りでプロジェクトを進めていくなかで、楠瀬さんはどのように感じていたのでしょうか。

「それまではデジタルコンテンツの制作プロダクションで長く働いており、施設のプロモーションに関わったことはあっても施設そのものをつくった経験はありません。世の中にはこんな仕事もあるのか!という驚きや発見がたくさんありました(笑)観光や酪農の施設の立ち上げに初期から関われる機会なんて人生でめったに無いだろうと感じていたので、やったことのないことにこそ挑戦しようと決めていたんです。普段のお仕事ではなかなか出会えない農家の方とお話したり、全くやったことのない仕事を学びながら進めたり。なににも代えがたい経験だったと思います」

笑顔でプロジェクト初期を振り返る楠瀬さんからは、慣れない仕事の中でも自分なりの楽しみを見つける前向きさが伝わってきます。そんな楠瀬さんがつくりあげた企画「育てて食べる部」には、プロジェクト初期から関わり、コンセプトを深く理解している楠瀬さんならではのこだわりがつまっています。

「育てて食べる部という名前の通り、収穫して終わりではなく、収穫した野菜を食べるところまで企画しています。千葉を拠点に活動されている料理研究家の方と組み、レシピを開発して配ったり料理のデモを実施したり。収穫した野菜を食べ、体内に入り循環していくような感覚を共有できたらいいな、と考えました」

▲当日お渡ししているオリジナルレシピ

育てて食べる部には「循環」の他にもう1つ、「地域との交流」がテーマにあげられます。周辺の地域とともに長く続いていく施設であるために、千葉ウシノヒロバ周辺の観光資源を発掘し活用していくことも本プロジェクトの重要なミッションです。

例えば、実際に収穫を行う畑は、隣接する富田さとにわ耕園の畑をお借りして実施しています。

「富田さとにわ耕園までは集合場所であるセンターハウスから15分程度歩きます。その道中に見られる景色がとても素敵で、見どころの1つです。歩いて向かう参加者の気分を高めるために荷物をあずかるオペレーションを加えたり、お土産として持ち帰っても使えるオリジナルの軍手をお渡ししたり。現場のメンバーと細かな部分を改善しながら、千葉ウシノヒロバを出発してから帰ってくるまでの『ショートトリップ』をつくりこんでいきました 」

▲富田さとにわ耕園に向かう途中原田池にかかる橋の風景(夏)

育てて食べる部で初めてお客様を迎えた当日には、楠瀬さん自らお客様のアテンドをすべて担当されていました。1年半の挑戦がお客様の目の前で現実のサービスとして提供されるその瞬間、楠瀬さんはどんなことを思ったのでしょうか。

「目の前でお客様が楽しんでくれている光景を見ることができ、長い時間をかけて準備してよかったなと感慨深かい気持ちになりました。自分が企画したものがお客様の良い思い出の一部になっているという自信をもつことができましたね」

2020年不安な状況が続くなかで、
愛着を感じる仕事が毎日の希望になっていました

デジタルの制作物であれば、受注から納品まで画面の前で完結することも可能です。しかし、施設をつくったり対面でのサービスを考えたりする場合であれば、そうはいきません。何度も現場に足を運ぶ必要があります。楠瀬さんは、「千葉への引っ越しを考えるほどに、千葉に通った」と2年間を振り返ります。

「オープンに向けては、サービスのオペレーション検討の他にも物理的な作業が発生します。チカビ全員総出で片付けをしたり、DIYをしたり。お客様を迎え入れるために10ヘクタールの空間を整備しようとすると、こんなにも人の手が必要なんだとびっくりしました。周辺の農家さんや地元の方との関係を大事にしたかったので、顔を見に行く、お話しにいくことも意識していました。想像以上に千葉へ足を運んだ2年間でしたね」


▲道案内のグラフィックも自分たちの手でつくりました

都内に拠点がある楠瀬さんにとって、千葉へ移動する時間は短いものではありません。しかし、そういったことも含め千葉ウシノヒロバは「2020年の自分にとってありがたい存在」だったと話します。

「去年は新型コロナウイルスの影響があって、動きづらさを感じた年でした。そんななかでも私には千葉ウシノヒロバのプロジェクトがあって、やるべきことがあって。忙しいスケジュールの中でも、この仕事は思い入れの強い大事なこととして感じられていたんです。それが毎日の希望になっていて、ありがたかったなと思います」

約2年間の準備期間を経て、千葉ウシノヒロバは2020年10月31日プレオープンを果たしました。現在はお客様を迎えながらも本オープンへと準備を進めています。楠瀬さんは千葉ウシノヒロバに「うわさになるような」場所へ育っていってほしいと語ります。

「千葉ウシノヒロバって、とっても面白い場所だと思うんです。30代を中心とした仲間が集まってゼロからつくりあげていったことも、そのプロセスもユニーク。大手の資本が入っているわけじゃないけど、建築物や制作物がつくりこまれている。そういった取り組み自体のおもしろさを感じてもらえたら嬉しいですね。もちろん来ていただけたら一番ですが、そうじゃなくても『あの場所おもしろいらしい』ってうわさみたいな感じで広まったらいいな」

楠瀬さんの言葉で、千葉ウシノヒロバはチカビのチャレンジそのものであると同時にチカビメンバーそれぞれがなにかしらの形でアウトプットした「チャレンジ」が詰まった場所なのだと気付かされました。最後に、楠瀬さんの次なる挑戦についても、お伺いしました。

「いつか絵本をつくってみたいと思っていたので、千葉ウシノヒロバで実現するために動きはじめました。千葉ウシノヒロバに来たことがない人たちへ、千葉ウシノヒロバにある自然や小さな出来事を伝えるようなそんな絵本にできたらいいな。実は去年も考えていたものの実行できなかったので、今年こそは形にしたいですね」


執筆:稲葉志奈
記事内写真撮影:朴玉順、近藤みどり、足袋井竜也

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