私はもともと古い時代に作られたものや、他では扱っていない特別な商材に魅力を感じていましたが、コインの知識はまったくゼロの状態で、10年前にワールドコインズ・ジャパンへ入社しました。
入社後、最初に任された仕事は、顧客向け通信販売カタログのデータ作成。当時はまだアナログな販売方法が主流で、扱うコインの国・種類・年代の多さに圧倒され、正直戸惑いの連続でした。それでも、代表をはじめコインのプロフェッショナルである先輩たちに支えられ、なんとか1冊目のカタログを完成させたことを今でも鮮明に覚えています。
一番驚いたのは、カタログが届いた直後の3日間。
電話が鳴り止まず、次々と高額なコインが売れていく光景を目の当たりにしました。
手元で実物を確認できないにも関わらず、当社の評価・記述内容だけで購入を決めるお客様の存在は、「鑑定力への信頼」という、当社の強みそのものを実感する瞬間でした。
現在はECサイトやオンラインオークションが主流となり、世界中のコレクターや投資家がリアルタイムで参加する時代に。先日も都内で開催された老舗コイン専門店のオークションでは、数千万円を超える品が次々と落札されていました。
ただ、コインの魅力は“高額だから価値がある”ということではありません。
直径わずか数センチの世界に、当時の最高技術と歴史、美意識が凝縮された、当社のコインに対するモットーである“掌サイズの世界遺産”そのものです。