1
/
5

シリーズA調達で振り返る、無名の開発会社が地方移転したら起こったこと。

どうも、株式会社エルボーズの椿原と申します。

弊社は、「"誰と、どこで、何をするか を、もっと自由に。」をミッションに掲げる、2017年創業のスタートアップです。

現在、フルリモート×フルフレックスの組織で、プロダクト立ち上げを成功へ導く月額制のアプリ・システム開発サービス「ATTEND biz(アテンドビズ)」を運営しています。

先日、シリーズAの資金調達を完了したんですが、良い機会?なので、Wantedlyでコラム的な記事を書かせてもらっている最近です。

株式会社Lboseのプレスリリース|PR TIMES
PR TIMESで配信された株式会社Lboseのプレスリリース一覧です(最新配信日:2022年6月29日 ...
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/31581




弊社は、コロナとか関係なく、2020年2月に、東京から熊本へ本社を移転。

東京のスタートアップが地方に本社を移転するという話題は、まだまだ無名で小さな弊社でも、熊本県庁での調印式や記者会見を行わせていただき、複数の県内メディアでのご紹介につながりました。

※左から、熊本市 経済観光局長 平井英虎さん、弊社 代表取締役 小谷草志、私、熊本県 副知事 小野泰輔さん

また、移転に関してPR TIMESで配信したプレスリリースや関連するTweetは、弊社して初めてのちょっとしたバズを経験することができ、サービスPRにも、フルリモート組織であるコーポレートPR(というか求人)にも大きな価値を生んだと捉えています。

PR TIMESとTwitterの数字に関しては、ここで紹介ますが、事業や組織へ具体的な影響は後述します。

◆PR TIMEのページビュー
本社移転の関しての配信日が2/19なのですが、2/3とか2/25とか3/4とかにある小さな山は他のリリースを出した日なんですけど、、、2/19だけ桁違いですね。笑

◆報告Tweetのアナリティクス


その直後、日本国内もコロナ禍に突入したわけですが、経済や個人の働き方に影響を与えた結果、最近では、都心の密を軽減するためか、地方移転や地方からのリモートワークで、こんなニュースも出てくるようになりました。


淡路にパソナ1200人移転、代表ら既に始動...島内拠点10か所
人材派遣大手のパソナグループが、主な本社機能を東京から兵庫県の淡路島に移す試みが注目されている。2024年5月末までに役員や社員ら約1200人が段階的に移り住む計画。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って働き方やオフィスのあり方を見直す顕著な例で、地元自治体の期待も大きいが、現段階では慎重な見方もある。(井上絵莉子、加藤律郎) ...
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200910-OYT1T50374/
テレワークで地方移住、最大100万円補助 政府21年度から
日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら ...
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64223980V20C20A9MM0000/


今後、補助が手厚くなっていく気配もありますし、もしかしたら、本社移転や支社立ち上げを考える企業も出てくるかな〜?と思いまして、主にPR視点での、移転の流れ、移転から半年くらいが経ってみて感じるメリットや注意点など、誰かの参考になればと、まとめてみたいと思います。

PRを仕事にされてる方から、そんなの当たり前だろ〜とか、違うやろ〜とかあるかもしれませんが、これからスタートアップされる方とかの参考になればと体験談をまとめる感じなのでご容赦ください。

また、前職は、テレビ局の編成やWeb担当だったので、その経験から考えたことや、副産物的に生まれた価値などについても書きます。

1)いったん、前提の共有。

本題に入る前に、これを伝えておいた方が後の話がスムーズなので、私たちの会社と事業について。

弊社は、2017年に東京での創業時から、メンバーが日本全国に点在しながら組織全体がフルリモート×フルフレックスな働き方で、オンライン開発チーム「ATTEND biz(アテンドビズ)」というサービスを運営しています。チームの規模は、現在30名弱。


- ATTEND biz
プロダクト立ち上げを成功へ導く、月額制のアプリ・システム開発 明日から、あなたの開発チームに ATTEND bizは、良いサービス・プロダクトづくりに欠かせない"持続的開発"を叶える月額制の開発サービスです。
https://attendbiz.jp/



2)本社移転を考えたきっかけ。

まず、移転を考えはじめたきっかけは、フルリモート組織の先輩的存在、オンラインアシスタント「CASTER BIZ(キャスタービズ)」を運営する株式会社キャスターが、本社機能を宮崎移転するというリリースや、自治体と協定を締結するというリリースを見たこと。

本社・キャスタースクエア東京移転のお知らせ | 株式会社キャスター
弊社は、2019年9月17日より以下に移転いたしました。 今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。 キャスタースクエア西都(本社):宮崎県西都市鹿野田11365-1 キャスタースクエア東京    :東京都港区南青山3-1-3 スプライン青山東急ビル4階 Copyright © Caster Co.Ltd. All rights reserved.
https://caster.co.jp/2085


ちなみに、株式会社キャスター取締役COOの石倉さんは、弊社のアドバイザーです。

この話題を見て、地方移転について調べてみたら、「うちもフルリモートだし、別に東京に本社あるメリットないし、地方移転の方がメリットありそうじゃね?」とか思いました。

3)東京のメリットと地方のメリット。

「うちもフルリモートだし、別に東京に本社あるメリットないし、地方移転の方がメリットありそうじゃね?」について、もうちょっと整理して書いてみます。

まず「東京に本社あるメリットない」の話。

東京のシェアオフィスを登記の住所のために借りてはいたのですが、ただ郵便受け程度の意味しかなかったですし、東京に本社があると受けれるアクセラレーションプログラム等にも参加してないですし、打ち合わせや商談も元からオンライン中心。

本社機能として必要なバックオフィスも、まだ東京で構築できてたわけもなく、創業メンバーが兼務していただけなので、東京だろうと熊本だろうとバックオフィスの体制を構築するのも一緒かなと。

次に「地方移転の方がメリットありそうじゃね?」の話。

私がPRをやってきたり、前職はテレビ局にいたのでマスメディア側の気持ちが少しわかるとこもあったりするので、特にPRとしてプラスを感じたんですよね。

あと、地方への本社移転に関して、自治体ごとに、誘致のために支援や補助を準備していることもわかり、ざっくり4つくらいのメリットを感じました。

①サービスPR:
リリース準備中だったATTEND bizは、地方の中小企業の課題を解決できるという仮説もあった。地域の経済誌に紹介していただく機会をつくることで、熊本県内の企業の方からの認知を得たい。

②コーポレートPR(というか求人?):
地方には、働き方の制約がきついことや自分のスキルを活かす職場がないことで、希望する仕事ができていない優秀な人達がたくさんいると感じてたいた。いづれの組織拡大時のため、場所に縛られず働きたいと考えてる地方の方から認知を得たい。

③アライアンス:
弊社代表の小谷や私は、地方を拠点に活動してきた期間が長く、出来るかたちで地方の課題解決をしたいという想いがあった。他社の事例を見ても、地方自治体と連携した取組みは見てきたので、外の企業ではなく地域に拠点を置く企業として熊本の県や市など自治体の方との接点をつくりたい。

④補助金:
弊社としては、あまり重要視するポイントではなかったですが、本社移転から規定の期間内に、地域で従業員を10名以上とか15名以上とか採用するとか、一定以上の面積のオフィスを借りるとかすると、資金的な補助をいただけるというものもあるそう。

ちなみに本店を移転するときは、登記を変更しなければなりませんが、その費用も6万円で済むということで、一定の手間はあるとしても、弊社の場合だと、本社移転って、もはやメリットしかないのではでは?という結論になり、移転を実行することにしました。

4)ブランドアクションとしての地方移転。

関係各所とコミュニケーションをとりながら移転準備を進める中で、ふと「あれ?これ、うちの会社にとってのブランドアクションなのでは??」と思い始めました。

「ブランドアクションとは?」という話は、The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/クリエイティブディレクターの三浦崇宏さんが提唱されているもので、

僕らは「ブランドアクション」と呼んでいますが、クライアントに「広告でも商品開発でも何でもいいけれど、未来に対するアクションを一緒に作りましょう」と話します。

企業の魅力的な部分を見つけて、社会の機運と合致した活動「ブランドアクション」を作っていくことに、僕らの価値があるとも思っています。そして、それがメディアに対して正当に理解されるようなプロモートを含めて、ワンパッケージで提案していく。それがGOの仕事です。

GO 三浦崇宏さん「PRパーソンは面白く、誠実であれ。“期待経済”時代の未来を創っていく」の三浦さんのコメントより抜粋。

弊社のミッションは、「"誰と、どこで、何をするか"を、もっと自由にする。」

誰もが 自分の理想のライフスタイルやワークスタイルを実現できる社会をつくりたいと考えているので、ATTEND bizでも、場所にとらわれず好きな場所から、柔軟性の高い働き方で、企業の新規事業立ち上げやチームでのサービス開発に携わることができる環境を構築しました。

それによって、これまで場所や働き方の制限によって思うように働けなかった人達が、気持ちよく働き、力を発揮できる環境をつくることで、企業や社会へ新たな価値を提供し、発展に貢献することができます。

この思想をベースに、「本社はどこでもいいよね?」って話になったところはああったんですが、「どこでもいいなら好きな場所がいいよね!と」、他の選択肢もありつつ熊本に決まったのは、弊社の思想に超あってるな…となり。

もしかしたら、これはブランドアクションって言えるほどのものじゃないかもしれないけど、本社の地方移転は弊社のブランドアクションだーー!という勢いで動きました。

そのため、プレスリリースにも「本社の場所はどこでもいいから、思い入れがある熊本へ移転する」という、弊社の思想を、↓のようなコメントの中に忍ばせてみたり。(主に太字のところ

弊社は、東京で創業しましたが、創業時からリモートワーク中心の組織で、現在10名弱いるメンバーも関東・関西・九州に点在しているため、よく考えてみると「東京に本社がなくてはいけない理由やメリット」は特にありませんでした。

私は熊本在住で、10年近く「働き方」に関するイベントを企画運営しており、地域への貢献や課題解決に強い思い入れがあります。そして、弊社の事業やリソースを通して出来ることもあるのではないかと考えていところ、熊本の行政や企業の方から応援やサポートをいただけることとなり、今回、熊本への本社移転を進めさせていただきました。

ちなみに、このコメント部分は、SNSでも多くの反応をいただきました。



5)地方移転したら得たもの。

あくまで移転したのは東京にあった本社機能だけで、チームのメンバーは元からフルリモートだったので、働き方などは特に変化なく。デメリットは特にありませんでした。

事前に考えていて、PR面のメリットは、かなり良い結果に。

弊社の本社移転は、今の主力事業であるATTEND bizのリリースと同時期に行ったんですが、多くの方に話題にしていただけたことで、ATTEND bizとして最初に受注させていただいた開発プロジェクトは熊本の企業の方からの依頼でした。

そして、半年経った今も熊本の企業や自治体の方から、様々な事業立ち上げや困りごとについての相談をいただいています。

初期の受注獲得にマーケティング費用をほとんどかけず、そこから約半年間も、口コミや既存のお客様からの紹介で事業を拡大できたことで、サービスや組織を改善し磨き続けることにリソースを投入することができたのは、次のフェーズのため、かなり良い期間になりました。

ちなみに、求人や採用に関しては、フルリモートで場所を選ばずに働ける会社だと認知していただけたこともあって。2月頃に10名程だったところから、今の30名ほどまで、こちらも採用費用等をほとんどかけず順調に採用できたと感じています。

6)立地協定や記者会見までの流れ。

会社の住所変更やオフィスを借りるみたいな話は、今回はPRがメインなので、それは割愛。

「そもそも、立地協定とは?」って話ですが、明確に書いてあるところがなかったので、弊社が結んだパターンのものを書きます。

他県の企業が本社移転なり支社立ち上げをして、事前に決めた期間内に、地域で従業員を10名以上とか15名以上とか採用するとか、一定以上の面積のオフィスを借りるとかすると、資金的な補助をいただけるというもの。

この協定を結ぶには、その条件を協定書にして、県や市の責任者?方が幹事となって立ち合いの元、調印を行う必要があり、弊社の場合は、調印式や記者会見という形でメディアの方に集まっていただく場場を設定していただきました。

ただ、この調印式も記者会見も、弊社としては全く準備等うごいておらず、メディアの方への声かけも含め、県庁の方が、全て準備してくださったんですよね。

で、ここが地方への本社移転を検討されてる方への注意点。

なので、最後となる、次のブロックで書きたいと思います。

7)伝えたい注意点。

注意点と言ってもネガティブな話じゃなく、「せっかくやるなら、ちゃんと活かそ!!!!」みたいな話ですね。

あと、地域によって、だいぶ条件が変わってくるようなので、そこはしっかり調べてくださいという前提です。

伝えたいのは、大きく2点。

まず1つ目。移転する場所の選び方。

弊社は、熊本県熊本市に本社を移転しましたが、立地協定は熊本県と熊本市と締結したのですが、県と市、それぞれと契約があり、県と締結した条件を満たせば県からの補助、市と締結した条件を満たせば市からの補助を、それぞれ受けることができます。

例えば、熊本県内でも、市町村によって本社移転や支社立ち上げに関する補助内容が違うので、都道府県は決まってるけど、市町村は決まってない場合、弊社は熊本市が良くて熊本市を選びましたが、特に市町村へのこだわりがなければ、自社に相性がいい支援を提供している市町村を選ぶというのも良いかなと思いました。

例えば、資金面の補助ではなく、規制緩和、共同での実証実験の実施などをできるとこもあるようですね。

都道府県も、市区町村も、各地、それぞれ企業誘致に関する情報を公開しているので、自治体名で調べるとか問合せされてみても良いかなと。

次に2つ目。早めに相談だけでもしておくこと。

特別なことではないですが、移転や支社立ち上げを検討している企業野方、地域の担当の方にはまじで早めに相談した方がいいです。

行政の中での審査や決裁の流れ、選挙や議会など、民間企業とは違うスケジュール感やルールで動いているので、相談タイミングが遅れると、かなりまたないといけなくなる可能性もあるようで。

弊社が相談した熊本県や熊本市の方は、かなりのスピード感で、最初の相談から2ヶ月弱で、調印式と記者会見を行えたのですが、これも議会のスケジュールなどが控えてきたので、ギリギリの中で動いてくださったところがありました。

8)さいごに。

超個人的には、これまで地域との関わりは、イベント開催やプロボノ参加のプロジェクトでしたが、事業としての課題解決や少しずつではありますが地域に仕事や雇用をつくれるようになってきたことは、本当に嬉しく思っています。

長くなりましたが、ずっとフルリモートでやってきた弊社としては、地方移転はメリットしかなく。そのような企業さんには、おすすめです。

熊本でもお待ちしてますし、他県であっても検討されている企業さんとかいたら、共有したいけど、ここには書きづらい話とかもお伝えできるかもしれません。笑

弊社のミッションは、「”誰と、どこで、何をするか“を、もっと自由にする。」です。

自社事業のATTEND bizも、まだまだこれからですが、働くという領域における様々な選択の制限をなくし、個人が主導権をもって選びたいと思う選択肢を自由に選べる社会に向けて、外部のパートナーや専門家の力も借りつつ、より良い環境づくりをしていきたいと思います。

…と長くなってしまいましたが、そんなLbose・ATTEND bizではフルリモート×フルフレックスな組織で働きたいエンジニア・UIデザイナー・PMを募集中。

ぜひお気軽に、「話を聞きに行きたい」をポチッとされてください~!!

株式会社Lboseでは一緒に働く仲間を募集しています
4 いいね!
4 いいね!
今週のランキング
株式会社Lboseからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?