なにをやっているのか
株式会社雲紙舎は、介護福祉領域の請求BPOサービス「ケアチーム」と、AIを活用した制度判断基盤「ケアチームX」(バーティカルAI)を開発・運営しています。
ケアチームは2019年にサービスを開始し、現在は約70事業所、月間約8,000件の請求業務を支援しています。
介護福祉領域のの請求業務では、保険証、公費、訪問実績、請求情報など、複数の情報を照合しながら制度に基づく判断を行います。
単純な入力作業ではありません。
「この利用者にはどの保険を適用するのか」
「この実績で正しく請求できるか」
「人による確認が必要なのはどこか」
こうした判断の多くが、各介護事業所の事務員や責任者の知識や記憶、手作業による確認に依存しています。
私たちは、BPOの現場で蓄積してきた業務知識と判断過程を構造化し、ルールエンジンとAIを組み合わせた業務基盤「ケアチームX」へ変えようとしています。
現在は、次のような機能の開発を進めています。
返戻原因の分析と再請求支援
制度ルール、判断根拠、対応履歴の蓄積
AIと人が協働する業務フローの構築
私たちの強みは、プロダクトを実際に使用するBPOの現場が社内にあることです。
現場で課題を見つけ、小さく開発し、実務で検証し、結果を見ながら改善できます。
AIを使うこと自体が目的ではありません。
介護福祉領域の複雑な業務を、正確に、再現可能に、持続的に運用できる仕組みへ変えることが目的です。
なぜやるのか
介護福祉領域の現場では、介護福祉士だけでなく、請求や事務を担う人材も不足しています。
一方、請求業務には複雑な制度知識が必要で、短期間で習得することは容易ではありません。
その結果、次のような問題が起きています。
一部の経験者に知識と判断が集中する
担当者が退職すると業務品質が不安定になる
採用しても、戦力化までに長い時間がかかる
確認作業や二重チェックに多くの時間を使う
制度改定のたびに、現場が対応に追われる
本質的な問題は、人手不足だけではありません。
制度や業務に関する知識が、人の頭の中に閉じ込められていることです。
制度の複雑さそのものをなくすことはできません。
しかし、必要な情報を整理し、判断条件と根拠を構造化し、人が確認すべき箇所をシステムが提示することはできます。
私たちが目指しているのは、人をAIに置き換えることではありません。
AIとソフトウェアによって人の判断を補完し、経験の浅い人でも、一定の品質で専門性の高い業務を担える状態をつくることです。
制度の複雑さを、人の負担ではなく、仕組みが引き受ける。
それが、ケアチームXの目指す世界です。
どうやっているのか
私たちのチームでは、職種や立場に関係なく、現場で見つけた課題や改善案を率直に共有することを大切にしています。
医療・介護・福祉の業務は複雑で、経営者やエンジニアだけで正しい答えを出すことはできません。
実際に業務を行うスタッフ、制度に詳しいメンバー、顧客とコミュニケーションを取るメンバー、プロダクトを開発するエンジニアが、それぞれ異なる視点から課題を捉え、協力しながら改善していくことが必要だと考えています。
そのため、当社のプロダクト開発では、エンジニアが渡された仕様書を実装するだけの働き方を想定していません。
実際にプロダクトを利用する社内スタッフや制度に詳しいメンバーとコミュニケーションを取りながら、業務を理解し、課題を整理し、どのような仕組みにすれば解決できるのかを一緒に考えていきます。
開発した機能は実際の業務現場で検証されます。
ユーザーから直接フィードバックを得られるため、自分が開発した機能がどのように使われ、どの程度業務を改善したのかを確認しながら開発を進めることができます。
私たちは、最初から完璧なものをつくることよりも、小さくつくり、実際に使い、検証し、改善することを重視しています。
現在の開発チームは少人数です。
そのため、一人ひとりの担当領域や裁量は比較的大きくなります。細かく決められたタスクだけを担当するのではなく、課題の整理、技術的な検討、設計、実装、検証、改善まで、一連のプロセスに関わることができます。
一方で、すべてを一人で抱えることを求めているわけではありません。
分からないことや判断に迷うことは、チーム内で相談しながら進めます。医療・介護の制度や実務については、社内の実務担当者や制度に詳しいメンバーから学ぶことができます。
医療・介護業界の経験がないエンジニアであっても、業務を理解しようとする姿勢があれば、チームで知識を共有しながらプロダクト開発を進められる環境です。
働き方はリモートワークを中心としており、オンラインでのコミュニケーションを基本としています。
リモート環境だからこそ、口頭だけで情報を伝えるのではなく、必要な情報を記録し、共有し、チームで確認できる状態をつくることを重視しています。
また、勤務時間の長さそのものよりも、担当する仕事に責任を持ち、必要なコミュニケーションを取りながら成果を積み上げていくことを大切にしています。
現在は、BPO事業で蓄積した現場知識をもとに、新しいプロダクトをつくっている段階です。
完成された大規模組織ではなく、事業とプロダクトの両方をこれからつくり上げていくフェーズにあります。
決められた仕様を効率よく実装することだけを求める方よりも、複雑な業務を理解し、現場のメンバーと対話しながら、より良い仕組みを考えたい方に向いている環境です。
自分が開発した機能が実際の現場で使われ、その結果を見ながら次の改善につなげる。
そのサイクルを、職種の壁を越えてチームで回していくことが、私たちの働き方です。