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【代表インタビュー】「教育機関×キャリア支援」という構想を実現すべく、多数の事業を展開する代表のビジョンとは。

「誰かのキャリアに寄り添えるようになりたい」

そう思って人材業界で働く人、人材業界で起業する人は後を断ちません。しかし、どれだけの人たちがそこに想いがあり、本気で取り組めているのでしょうか。

今回インタビューをしたSpiristar社の代表である松本さんもそのような1人ですが、一味違いました。創業までの物語、社名に込められた想い、想いを実現するための事業展開。そのいずれもに確かな熱量と解像度の高いビジョンがありました。

松本さんの原体験から紐解いていきながら、これからSpiristar社がどこに向かおうとしているのかをお伺いしました。


松本光司 / 代表取締役

新卒で人材系メガベンチャーに入社。新卒研修で330人中2位の実績を残し、1年目で売上TOPとして数々の表彰を受け、売上ギネス記録を打ち立てる。2年目で営業部責任者を経験し、3年目より大阪支店長に最年少で抜擢。支店長として2年を経験し、2021年10月に株式会社Spiristarを設立。新卒紹介サービス「CAREER COLLEGE」をはじめ、さまざまな事業を展開。

「支店長になります!」を3年で有言実行。最年少で支店長にまで登り着いた怒涛の5年間。

ーーまずは松本さんの人物像を深く理解していくために、どんな学生時代を送っていたのかをお伺いしてもよろしいでしょうか。

学生時代は飲食店での接客のアルバイトに時間を費やしていました。最初は現場で働いていたのですが、実績を積み重ねていった結果、最終的には店舗運営を任されるところまでを経験。お店の売上管理や人員配置はもちろんのこと、増員計画なども任せてもらっていました。店舗運営のコアな部分まで任せてもらっていたからこそ、「人がいないと売上って作れないんだな」ってことを生で経験できたのは良い機会でしたね。

ーー学生時代から経営に近いこともやられていたのですね。就活はどのように進めていたのでしょうか。

自分の父親が居酒屋の経営をしていて、幼少期からその背中を見て育ってきたんです。その影響もあって「自分も将来的には経営に携わりたい」「父親よりもレベルアップした状態での経営を実現したい」という想いを持っていました。だからこそファーストキャリアにおいては「1. 経営に近い部分に携われるような裁量権を得られる」「2. 経営のなかで重要度の高い人材に関する知見を深められる」「3. より幅広い業界的な知見をつけることができる」という軸を持ち、人材系メガベンチャーに当たりをつけて就活をしていました。

その軸で絞った結果、自分が行きたいと思った会社は当時5社ほど。それらの選考を進めていく中で、1番最初に内定を頂けた人材メガベンチャーに就職することに決めました。裏話にはなりますが、実はその会社の最終選考で不合格になってしまって。しかし、自分が落とされたという事実が非常に悔しくて、東京にある本社へ飛び込み代表に直談判(笑)。結果、代表とは会えなかったのですが、その後に再度面談をセットしてくださって、内定を頂けたというエピソードもありました。

ーー非常に明確な目的を持って就活をなさっていたのですね。入社後はどのような業務に携わられていたのでしょうか。

1年目の配属は転職エージェントとしてのRA。とにかく仕事をすることが好きで、寝る時間以外は仕事をし続けるような生活でした。全ての時間を仕事に当てたいとまで思っていたので、通勤時間を無駄に感じ、オフィスから数分のところに高い家賃を払って引っ越し。給料のほとんどが家賃で消えていくような状況ではありましたが、「インセンティブで回収できるでしょ!」という見込みでがむしゃらに仕事に打ち込んでいました。結果的に、初年度売上ギネスの更新、MVPを2〜3ヶ月に1回受賞という実績を残したので、追い込み方として間違ってはいなかったなと、今振り返っても感じます。

ーー成果を上げるために徹底して仕事と向き合っていたんですね。

物量をこなしていくことも大切にしていましたが、仕事の質をあげていくことにも意識を向けていました。お客様へのアプローチ方法を最適化していくこともそうですし、お客様の採用成功のためにできることで精度の高い施策を模索し続けること、スプレッドシートなどを使った徹底的な自動化や生産性の向上など、目には見えない細かな部分へのこだわりは強かったと思います。

2年目にはメンバーを2名つけてもらい、教育担当も兼務しながらプレイングを行っていました。そこでの成果も認められ、入社2年半のタイミングで営業部の責任者に抜擢。そこからさらに半年後には、大阪の支店長に抜擢してもらいました。営業部の責任者としては、予算達成に向けた戦略策定と売上管理、支店長としては大阪支店のPL全体の管理と事業計画の策定から実行管理までを経験しました。

多くの人に機会を。”想いの実現”から逆算した事業展開と社会的意義。

ーー起業意欲があった上での1社目への入社でしたが、独立を決意されたのは何かきっかけがあったのでしょうか。

成功事例だけではなく、失敗事例も自分の中で吸収できたからです。支店長になって1年目は紆余曲折がありながらも、ある程度良い形で着地させることができました。しかし、2年目は本当にボロボロ。たくさんの「うまくいかないパターン」を見ることができ、そんな中でも2年目をやり切ったときに「独立しよう」という意思が固まったのがきっかけです。

その中でも「自分は何がやりたいんだろう」ということを考えていました。そこで出てきたのが「機会が人を育てる」というもの。僕自身、飲食店でのアルバイトも、就活も、1社目でのさまざまな挑戦も、それらからたくさんのことに気がつき、学ばせてもらいました。機会は、自分が知らないことや人と出会わせてくれる。自分が持っていないものとたくさん出会わせてくれる。今の社会の中にも、そういった機会がたくさんあれば、もっと良い人生を歩む人を増やせるんじゃないかと思ったんです。

だからこそ、社名(Spiristar)にはラテン語で息吹という意味の「spiritus」と英語で星という意味の「star」を盛り込みました。お客様にも、自社のメンバーにも、自分自身にも、そして社会全体に対しても、機会という息吹を与えられる存在であり続け、次世代を輝くスターになってもらいたい。そんなことを考えてSpiristarを立ち上げました。

ーー社名にも想いが込められており、松本さんの熱量の高さを非常に感じさせられます。

ありがとうございます。しかし、やはり社名に込めた想いや理想は抽象度が高かったり、あくまでも僕の原体験から来るものだったりするので、よりその想いがわかりやすい形で表現されるべきだなと考え、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を策定しました。ミッションに「新しい未来へ、明日が楽しみになる社会を」、ビジョンに「一人ひとりが輝く世界をつくる」、バリューに「互いに心から認め合い、仲間と多様な価値を発揮する。」「今ある課題に全力で取り組み、最高の物語を創り上げる。」「明日を変えるために、私たちが変わる。」を掲げています。

新しいことに挑戦している、言い換えると、何か挑戦の機会を踏んでいるときは、明日が訪れることを非常に楽しみに待ち望むことができます。プライベートでも同じですよね。明日デートの約束が入っていたら、ワクワクするじゃないですか。それと同じで、何か機会を得たときには、明日が自然と楽しみになってしまうものだと思っています。だからこそ、社名に込めた息吹を誰かに与えることで、明日を楽しみに生きられる人を増やしたい。そんな想いを込めてミッションを策定しました。そして、バリューはミッションやビジョンを実現できる人たちの要素を洗い出し、その中でも特に大切だと感じた3つに絞ってそれを行動指針と言葉に落とし込んで決めました。

これらの想いや自分たちのあるべきスタンスは、会社環境や社会環境が変われば、当然変えざるを得ないものだとも思っています。現に、2期目に入ったタイミングで一度バリューは刷新していますし、ミッション自体も目下メンバーと微調整を推し進めている最中です。自分たちにとって最も納得度の高いMVVを策定し続けることが大切だと思っていますので。

ーーMVVを実現するために、どのような事業を展開しているのでしょうか。

前提として、事業展開にいくつかの段階を設けています。理由は、現在の自分たちには足りていないものが多すぎるから。だからこそ、1つずつ足りていないものを充足させていき、着実に次のステージに会社を移行させることを考えて事業展開を進めたいと考えています。

最終的に目指していきたいのは、教育機関等と連携をして進めるキャリア支援の事業です。当初は「教育を改革をしたい」と思っていたのですが、政治的な素養が必要だったり、そもそも時間軸が非常に長くなってしまったりと、やや実現可能性に乏しいという判断になりました。「じゃあ事業だったらどんなことができるんだろうか」と考えていったときに、たまたま自分が立っているステージによって大きく機会損失をしている人たちがいることに気がついたんです。

これから社会に飛び立とうとしている大学生たちがキャリアの広がりを正しく認識できていないこと。夜職として働いていたばかりに、履歴書だけで落とされてしまうこと。海外から日本で働きたいと考えていても、言語の壁から良い働き口を見つけられないこと。ストレートに教育改革に足を踏み入れることはできないかもしれませんが、前述したような「ステージに立っていないだけの人たち」と世の中とを適切なパイプで繋げてあげるだけで、たくさんの機会を創出することができる。そんな事業展開を目指していきたいと考えています。

ーーただエージェント事業に特化するのではなく、先を見据えた上での事業展開なんですね。

おっしゃる通りです。先ほどお伝えした長期的な事業展開を目指すためには「教育機関を始めとした各組織との繋がり強化」と「事業開発に必要な資金の確保」の2つが必要になり、そのいずれもを確保するために現在は事業をさまざま展開しています。新卒採用に特化した成功報酬型のエージェントサービス「CAREER COLLEGE」、若手転職に特化した成功報酬型のエージェントサービス「あすじょぶ」、若手社員(Z世代)の定着率向上、戦力化をサポートする研修サービス「しんかのいし」、幅広い人事業務をプロの人事へ相談、依頼ができるサービス「リクプラ」、年収に特化した企業比較メディア「みんキャリ」などが現在展開している事業ですね。

しかし、いずれも将来的な足掛かりとしてだけでやっているわけではなく、やるからにはしっかりとこだわりを持ってやっています。例えば、エージェント事業だと選考における歩留まりの小ささが特徴です。選考会を予約した学生の9割以上が必ず着席するようにしたり、内定承諾率が50%を超えていたり。「納得就活」という言葉を社内ではキーワードにしていますが、数字のために無理強いをしない、本当にその学生、その会社のためになるようなマッチングを心がける。業界が成熟しているため、事業内容的な差別化は非常に難しくなっており、だからこそ個別最適の精度を極限まであげていく。他社エージェントさんと比較した学生さんから感謝のメッセージが長文で送られてくることを思うと、やはりエージェントとしての質の高さは誇れるポイントだなと感じています。

新しくメディア展開しようとしている「みんキャリ」自体も、キャリアを積み上げていこうとしている若手層の機会損失を可能な限り防ぐ目的で立ち上げました。求人に記載の年収と、入社後の年収とでのギャップが生まれる事象は、業界でのあるあるです。ブラックボックスになりやすい傾向があるという意味ですね。しかし、プライベートを含めたさまざまなプラン設計をしていく中で、年収は切っても切り離せない存在。そのミスマッチによる機会損失を可能な限り無くしていくことを目指しています。

このような事業を展開していくことで、会社としてのキャッシュエンジンを生み出し、長期的な事業展開における繋がりをより強固なものにしていくという構想ですね。

発案の翌週にはアイデアが事業化!?高速スクラップアンドビルドで創る磐石な事業ポートフォリオ。

ーーSpiristarではどのような働き方をしているメンバーが多いのでしょうか。

自由度が非常に高いです。バリューにもある通り、「個々の尊重」「多様性」を大切にしておりますし、価値発揮の仕方も個々人に依存する問題だと考えています。だからこそ、フレックス制度やリモート勤務が可能。オフィスもフリーアドレスを採用しています。実際に関東に住んでいるメンバーはフルリモートでの勤務になっていますし、会社としても抵抗は全くありません。しかし、やはり自由には責任が伴うとも考えていて、自分を律することができないとその自由度も成立しません。その辺りは採用でコントロールできる部分ですし、だからこそSpiristarで働いているメンバーは非常に優秀だなと常々感じさせられています(笑)。

ーー3期目に突入するSpiristar社ですが、ここから先にどのような未来を見据えているのかをお伺いしてもよろしいでしょうか。

まず向こう3〜5年で各事業が確立している状態を目指していきます。理想としているのは、Spiristarが展開している事業を顧客に選んでもらえている状態です。「新卒エージェントに依頼したいし、ひとまずCAREER COLLOGEに声かけておくか」というイメージですね。定量的に言えば事業単体では億を超えている状態、会社全体で5億円規模、メンバー数は50名ほどを想定しています。

そして、短期的な未来が実現できていれば、潤沢な資金と繋がりを持つことができているはず。やはり狙うは教育機関に入り込んでいける状態。本当の意味で「機会」を人に与えられている状態を目指すことができているでしょう。

そこに到達するためにも、新規事業は絶えず作り続けていきたいと考えています。正直、どの事業が当たるのかを正確に予測することは非常に困難です。社会環境や競合の有無などにもよりますから。やってみないとわからないことが多すぎるのです。だからこそ、スモールスタートで実験できるものなのであれば、ガンガン挑戦するべきですよね。

つい最近の話で言えば、社内ミーティングの中で「エージェント事業の売上のムラ」が議題に上がっていました。そこであるメンバーが「CAはキャリア相談のプロフェッショナルなわけで、それは学校のキャリアセンターも求めているのではないか?」というアイデアを投げかけたんです。「それ面白いね!」という形で話が進んでいき、翌週にはエージェントサービスとは異なる形式サービスで大学に提案できる状態にまで仕上がり、実際に提案にも行ってみることになりました。その中で課題になること、障害になるものなどが見えてきて、事業化することが決定。

まだまだ会社の規模が小さいからかもしれませんが、現在の事業フェーズだからこそ積極的に挑戦していきたいし、誰でもそこに発言権や挑戦権がある。ベンチャーならではの楽しみかもしれませんね。

ーーそのスピード感で事業化してしまうのは驚異的ですね。では最後に、どのような人と一緒に働きたいのかをお伺いしてもよろしいでしょうか。

価値観がマッチしていることを非常に重要視しています。逆に言えば、スキルなどの要素は後からいくらでも身につけることができるため、最重要だとは思っていません。Spiristarはまだまだベンチャー企業ですので、なんだかんだ言って大変なことが多いです。その大変なことを「大変だ」「しんどい」「辛い」と捉えてしまう人は合わず、「面白いな!」「楽しいな!」と乗りこなしていける人が合っているかなと。

また、会社の外を見て仕事に取り組めることも重要だと思っています。お客様は常に外にいますし、社会環境の変化も外。社内に目を向け続けていても見えてくるものは少なく、生み出せるものは非常に小さいでしょう。他にも、相互尊重ができることも大切です。個人には違いがあり、良いところも悪いところも必ず存在しています。その中でも良いところに焦点を当て、利他的な気持ちで向き合うことができる。

それらの根本にあるのは、どれだけ自分自身が自立しているのか・自立できているのかというセルフコントロール力ですよね。顧客に向き合うことも、社内のメンバーに向き合うことも、簡単なことではないですし、地道な努力が必要だったりする。そこをやり抜けるかどうかが非常に重要だと考えています。

と、難しそうな表現でお伝えしましたが、総じて「素直さがあって、誰かのことを真剣に考えられる」という、人間として大切なことに重きを置いており、そういった方であればぜひまずはカジュアルにお話したいですね。

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