街を彩る“唯一”を生む。
私がサインの世界にたどり着くまで
大学を卒業してから大阪のオーダースーツの販売会社に入り、営業として6年のキャリアを積みました。毎月の数字をつくるのに苦労がありましたが、やりがいがあり充実した経験でした。その後、東京に出て来ることになり、転職先として人材系の会社を選びました。ところが、無形商材の仕事が性に合わず、まったくやりがいを感じることができません。その時に思い出したのは、かつてのオーダースーツ販売の仕事。オーダーメイドの商材を扱い、成果が形として残せる―。「そんな仕事にもう一度就きたい」という強い思いが募っていました。ちょうどそんな時に出会ったのが発研セイコーの求人だったのです。
一品一様のサインをつくるという仕事。サインはこれまでに街中で目にする機会がたくさんあったはずですが、あまり意識したことがなかった存在でした。「なるほど。オーダーメイドのサインをつくるという、そんな仕事もあるんだ」と、好奇心が湧き、入社を決めました。
現在は、営業担当としてアパレル関連を中心に、オフィス内容、ハイブランドなどのサインを担当して3年目になります。今では「一品一様のサイン(看板)」という形に残る仕事に大きなやりがいを持って毎日取り組んでいます。
専門知識ゼロの私が、プロとして歩き出すまで
サインメーカーの営業担当には、サインの仕様から材料選定、LED発光に関わる電気系統、さらに施工に至るまで、幅広く専門性の高い知識が求められます。私自身はサイン業界での経験が全くなく、入社当初は必要な知識を何ひとつ持っていなかったため、大きな不安がありました。もちろん、誰もが最初から完璧にできるわけではありませんが、それでも心細さを感じていたのを覚えています。
しかし、この会社の良いところは、分からないことを周囲に質問すれば、誰でも快く教えてくれる環境があることです。私はその環境に支えられながら、積極的に質問し、メモを取り、ノートにまとめるという作業を日々繰り返してきました。これまで書き溜めたノートは今も大切に保管しており、仕事のさまざまな場面で「虎の巻」として役立っています。
この仕事には大きなやりがいを感じています。サインは“形として残る”ものであり、街中やSNSで自分が携わったサインを見かけることも多く、そのたびに「やって良かった」と嬉しさが込み上げてきます。また、個人的に営業数字を追うのが好きなこともあり、売り上げ金額を積み上げていくこと自体も、私にとって大きなやりがいの一つになっています。
初めて挑んだ大型案件が教えてくれたこと
これまでの仕事で特に印象に残っているのは、昨年私が担当した初めての大型案件です。商業施設の発光サインに加え、入居テナントを彩る暖簾を製作するという内容でした。しかし、当社には暖簾づくりのノウハウがなく、まずは布地の色構成などをサポートしてくれる協力業者の選定からスタートする必要がありました。
業者が見つかり、ようやく一安心したものの、次は“暖簾の色が決まらない”という新たな問題が発生しました。お客様のこだわりが非常に強く、こちらの提案をなかなか受け入れていただけません。納期が迫る中、何度もやりとりを重ね、必死に調整を続けた結果、ようやく暖簾と発光サインを無事に取り付けることができました。
完成後、多くの来店客で賑わう商業施設の中で、自分が関わったサインと暖簾がしっかりと設置されている様子を目にしたとき、「本当に大変だったけれど、やって良かった」と実感が湧き上がりました。まったく知見のない分野にどう向き合うかを学ぶ、非常に良い経験になった案件です。
将来、もし機会があれば、少しひねりを加えたような、より目立つ大型の装飾サインにも挑戦してみたいと考えています。