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『KANNA』を支える、ビジネスサイドとエンジニアの「フラットな関係」


今回は、株式会社アルダグラムが運営する、建設業界向けアプリ『KANNA(カンナ)』の開発を円滑に回すためのコミュニケーションについて、COO兼プロダクトオーナーの渥美とリードエンジニアの田中に語ってもらいました。

◆渥美翔吾

共同創業者 取締役COO。
早稲田大学卒業後、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S」の事業戦略・ディレクター責任者として多数のプロジェクトのマネジメントを経験。2019年5月に株式会社アルダグラムを創業。

◆田中大貴

リードエンジニア。
京都大学大学院卒業後、個人事業主として新規事業の立ち上げ・横断検索エンジンの開発に携わり、2020年2月に株式会社アルダグラムに参画。バックエンド~フロントエンド~アプリと全域に渡り、プロダクト開発をリード。

▼『KANNA』誕生の背景と、課せられたミッション

―プロダクトの開発背景から教えていただけますか?

渥美:代表の長濱がまだM&Aの仕事をしていた時に話は遡ります。当時、長濱は都内のリフォーム会社を買収するという案件を担当していたのですが、職人さんや事務員さんのワークフローに非効率な動きがあることを発見し、それが建設業界全体の問題だと分かったのが始まりです。具体的には「職人が施工する」という、最も生産性の高い業務時間が全業務の3割にとどまっているのに対し、事務作業や現場に移動する時間などが業務の6~7割くらいを占めていました。この課題を解決しようと企画した2つのプロダクトが、事務作業時間を減らす『KANNA施工管理』と、移動時間を減らす『KANNA受発注』です。

『KANNA』は移動や事務作業時間など生産性の低い時間を削り、増えた時間でより大きな案件を受け、売上アップを目指していただくプロダクトです。そして、非常に深刻な社会課題である「少子高齢化による建設業界の人手不足の解決」も『KANNA』の長期的なビジョンでありミッションです。


▼「開発進捗の見える化」が生むもの

―プロダクト開発ではプロダクトオーナーとエンジニア間で衝突しがちなイメージがあります。

渥美:僕はKANNAの持続的な成長というのをプロダクトオーナーとしてすごく意識していて、そこで重要なのが「開発進捗の見える化」だと思っています。見える化ができていると、どのレイヤーのメンバーでも一目で状況が把握でき、「何ができそう」「何ができなさそう」といった内容がスムーズに話し合えるんです。「こういった機能を出すのはいつになりそう」「開発のボトルネックとしてこういった問題がある」など開発の進捗状況が細かく更新されるので、開発リソースをどこに投下するか戦略が立てやすい。プロダクトオーナーとして、すごくやりやすいなと思いますね。


「開発進捗の見える化」は、どのような方法で行っていますか?

田中:開発タスクは課題・プロジェクト追跡ソフトウェアの『Jira』で管理をしています。

それぞれ何のタスクを持っていて、何が進行中で、何が実装済みなのか全て管理されていて、毎朝15分の朝会で確認しています。

渥美:「チームの開発スピードの予測性」も高くなっていると感じますね。ちなみに会議は朝会のほかに、週1回のスプリントミーティングで「開発した機能のデモと評価・次スプリントの見積もり」などについて約2時間話し合います。あとは週1回、全社員でプロダクト戦略、開発計画や営業の販売計画を共有するミーティングもあります。


-ビジネスサイドとエンジニアのコミュニケーションで、やりやすい面や課題はありますか?

田中:前の会社だと会社の業績などはエンジニアが説明していたのですが、今は営業の方が直接話してくれるのがやりやすいです。あとはミスがあったとき、お互いに「犯人探し」をする文化がないところ。細やかなことでも感謝し合って、気持ちの良いコミュニケーションが取れています。僕個人が意識しているところでは、開発メンバー全員が気持ちの良いコミュニケーションを取れるように、朝会やMTGで仕事以外のプライベートな雑談をする時間を作るようにしています。


「組織のフラットさ」が生む、開発スピードの向上

―他社とアルダグラム社のフラットさの違いはありますか?

渥美:大企業だと「営業だけの組織」「開発だけの組織」といったように業務が細分化され、全体を統合する人がいない場合は、多数ある部門のトップ同士のコミュニケーションが難しくなり、他部署との信頼が築きにくく結果的に空気が悪くなってしまうこともあると思います。

対してアルダグラムはそもそも小さな組織。各部署に説明をして回る必要もありません。例えば新規の機能開発や既存機能の改修・バグ改修などの優先順位を決める時は、ユーザーインタビューなどの定性情報やユーザーの利用状況などの定量情報から僕が優先順位のドラフトは作成しますが、最終的に「これでいこう」と決めるのはプロダクトMTGに出ている各職種のトップ全員で決めています。リアルタイムにそれぞれの職種で起こっていることが拾えるので、チームで同じ方向を持って、スピード感を持って開発できることが他社との違いでしょうか。


―職種横断の面でフラットさはありますか?

田中:プロダクト戦略MTGの中で、営業から「お客さんからこういう機能が欲しいと声が上がっているから検討してくれ」とか、逆に開発側が「こういう機能が欲しいからお客さんにヒアリングしてくれ」という話がよく上がります。大きな会社だとこれが一方通行なことも多いのですが、アルダグラムは双方向の流れになっているのが珍しいと思います。

渥美:例えば、「システムのパフォーマンスを高める」「開発速度を高めるためにリファクタリングする」などすぐに売上に繋がらない施策は、一般的なビジネスサイドの人は優先度の高さを理解しづらいと思います。
しかしすぐにはリターンに繋がらないとしても、長期的な『KANNA』の成長のために必要な施策に関して、当社の経営層はビジネス側含めて全員が理解しています。

▼『KANNA開発』の3つのこだわり

―『KANNA』のこだわりを教えていただけますか?

渥美:こだわりは大きく3つあります。1つ目は「ただの業務システムではなく、顧客の成功に繋がるプロダクトにすること」です。そのため月に20〜30社ほどのお客様とMTGをしてお客様の業務課題やKANNAへのフィードバックを直接もらったり、ユーザーのKANNAの利用状況データを毎日細かく見たりなどして、いかに顧客満足度の高いプロダクトに出来るか日々考えています。

2つ目は「直感的に使うことができるプロダクトにする」ということです。50〜60代などの高齢な職人さんも含めて、誰でも直感的に使えるプロダクトにしたいと思っています。

『KANNA』は建設業界のプラットフォームを目指していますが、カスタマーサクセスが説明しないといけないようなプロダクトだと、プラットフォーマーの座は取れません。KANNAはセルフサーブ型のSaaSにしたいと思っているので、操作方法を教えられなくても直感的に使うことができるレベルを目指しています。SaaSは成長するにつれどんどん多機能化していく傾向が強いと思いますが、直感的に使いやすいプロダクトを維持するためには、機能を定期的に削ぎ落とす必要もあると思っています。

3つ目は、「継続的なデリバリー」ですね。いかに早くリリースし、多くの方に使っていただき、フィードバックをもらって改修、という「PDCAをいかに早く回すか」のスピードは重要だと思います。基本的に大きなプロジェクトがないときに関しては、週に1回はリリースしています。

田中:僕もプロダクト開発で強く意識しているのがリリースの頻度です。機能改修をいかに早くリリースするか、というフローを整える動きに重きをおいています。


▼『KANNA』へのお客様の嬉しい声

―『KANNA』の反響はいかがですか?

渥美:『KANNA受発注』では、「月の売上が倍増した」などのお声が届いています。『KANNA施工管理』でも「今まではオフィスに戻ってパソコンででやらなければいけない事務作業を現場からアプリでできるようになった」とのお声を頂いています。意外だったのは「業務クオリティが上がった」という反響です。『KANNA』を使う前の協力会社さんや職人さんのコミュニケーション方法は、人によってLINEを使っていたり、メッセンジャーを使っていたり、メールを使っていたりなど、フォーマットがない状態だったんです。そこが『KANNA』によってコミュニケーション方法が標準化されるようになりました。

具体的には、施工前や施工中に進捗状況を写真で撮影して発注者の方に対して報告することがあるのですが、その写真のクオリティが上がったという例もあります。その会社では、KANNAを使う前だと発注会社の担当者と一対一のコミュニケーションを取っていたため、「とりあえず写真アップロードしとけばいいか」と、ちょっと”なあなあ”だった雰囲気が、『KANNA』を使用することで発注会社の管理者以上全員に見られる状況に変わりました。そうするとちゃんと写真を撮影しないといけないという姿勢になり、写真の撮り方とかもキレイになったそうです。業務クオリティの向上は正直想定していなかったのですが、『KANNA』を使うことによって、受注会社・職人さんへの信頼が高まり、売上が上がっていく世界を創ることが出来たらいいなと思っています。

田中:クライアントの変化は本当にそうですね。こういったお声を営業が随時共有してくださるので、開発側としては嬉しいです。


▼建設業界の課題を解決する『KANNA』の展望とは?

―今後の『KANNA』の展望についてお聞かせください。

渥美:『KANNA』は利用会社数が増えれば増えるほど、KANNAを利用している会社の業務が効率化される仕組みになっています。建設業界は1つの会社が他の会社と一緒にプロジェクトを一緒にする頻度が非常に多く、例えば新築戸建を建てるときには30社くらい集まると言われています。しかし、それぞれの会社が別々のコミュニケーションツールを使っているので「あの会社とのやりとりはLINEでいいんだっけ?」と混乱しがち。その状況を「『KANNA施工管理』を見れば工事に関わる情報が全て分かる」という世界にしていきたいと思っています。『KANNA受発注』は工事案件のマーケットプレイスなので、発注会社と受注会社が増えるほど、マッチングの機会は増えていきます。

長期的な展望として、KANNAを建設業界の70%以上の人が使うプラットフォームにしたいと思っています。そのため、KANNAは基本料金を無料にし、多くの会社様に利用してもらいやすいビジネスモデルを採用しています。KANNAで建設業界の課題を解決していきたいと思っています。

田中:印刷業界だったら『ラクスル』とか、中古フリマ業界だったら『メルカリ』とか、KANNAを建設業界を代表するプラットフォームにしていきたいと思っています。

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