【プロローグ:デジタル化の裏にある、本当の目的】
「パソコンが動かないんですけど……」
その一つの問合せから、私たちの仕事は始まります。
京進グループのDX推進組織、 Kyoshin Digital Academy(KDA)。
そう聞くと、 最新のAIを駆使したり、 複雑なコードをバリバリ書いたりする姿を 想像されるかもしれません。
もちろん、それも大切な仕事です。 でも、私たちのDX(デジタルトランスフォーメーション)には、 もっと根本的な、大切にしている「思想」があります。
それは、「人にしかできないこと」への集中です。
単にシステムを導入して終わり、ではありません。 ITの力で日々の困りごとをスマートに解決し、 そこで生まれた時間を、お客様や同僚との 「対話」や「ケア」に使ってもらうこと。
デジタルがあるからこそ、 より人間らしい温かみのあるサービスが提供できる。 私たちは本気でそう信じています。
今回は、その最前線である「PCヘルプデスク」を通して、 私が壁にぶつかりながらも見つけた、 「人中心のDX」のリアルな舞台裏をお話しします。
◆ 「社内にファンを作ってくれ」という、意外なミッション
京進に入社して、 私にはいくつかのミッションが与えられました。
その中の一つが「PCヘルプデスク」業務です。
配属された当初、直属の上司から言われた言葉が、 今でも強く心に残っています。
「社内に君のファンを作ってほしい」
正直、最初は驚きました。 ヘルプデスクといえば、 「壊れたものを直す」「操作を教える」 という、淡々とした作業のイメージがあったからです。
でも、仕事を始めてすぐに、 その言葉の真意を理解することになります。
トラブルの内容は、本当に千差万別です。 「電源が入らない」といった基本的なものから、 「原因不明のシステムエラー」という難問まで。
そこには、困っている「人」がいます。 不安そうな顔をしている仲間がいます。
単にPCを直すのが仕事じゃない。 ITへの苦手意識を取り除き、 現場のメンバーが笑顔で仕事に戻れるようにすること。
それが、上司の言う「ファン作り」なんだと気づいたんです。
◆ 「教えない」ことが、最高の解決策になることもある
ヘルプデスクとして日々対応する中で、 私が密かに意識している「こだわり」があります。
それは、 「簡単な内容であれば、次回からはご自身で解決していただく」 ということです。
もちろん、私がパパッと操作してしまえば、 その場は10秒で終わります。 でも、それではその方の「ITスキル」は上がりません。
「ここをこうクリックすると、次からはスムーズですよ」 「もし同じことが起きたら、この画面を見てみてください」
あえて、ご自身で操作してもらう時間を設ける。 これは、教育を祖業とする京進グループらしい 「まなび」の姿勢かもしれません。
その結果、社内からは面白い反応が返ってきました。
「丁寧だけど、厳しいよね(笑)」 「あいつの対応はちょっと『塩対応』だ」
なんて言われることもありました。
でも、一方で、 「すごく分かりやすくて助かった!」 「次から自分でできるようになったよ、ありがとう!」 と、「神対応」と言ってくれる人もいます。
「塩」と言われたり、「神」と言われたり。 そんなふうに言い合える距離感で 社内の人たちと繋がれていること。
それこそが、上司の言っていた 「ファンができてきた証拠」なのかもしれない。
◆ 現場の「空気」を知るために、どこへでも行く
私の主戦場は、本社のデスクだけではありません。
ときには、学習塾の校舎や、 介護・保育の現場へ直接足を運ぶこともあります。
「わざわざ来てくれたの!」 現場へ行くと、想像以上に喜んでいただけます。
直接会ってお話しすると、 電話やチャットだけでは見えてこない、 現場の「リアルな温度感」が伝わってきます。
- どんな表情で生徒さんと向き合っているのか。
- どんなタイミングでPCを触っているのか。
- 何に一番、ストレスを感じているのか。
同じ会社に勤務する多くの人の顔と名前が一致するくらい、 たくさんの対応をこなしてきました。
この「顔が見える関係性」こそが、 DXを推進する上での大きな武器になります。
新しいシステムを導入するとき、 「あの人が言うなら、一度使ってみようか」 と思ってもらえるかどうか。
ヘルプデスクで培った「信頼」というインフラが、 実は技術よりも重要だったりするんです。
◆ 解決力以上に必要なのは、相手の心に寄り添う「ヒアリング」
もちろん、技術的な「解決力」は不可欠です。 でも、長くこの業務を続けてきて、 それ以上に大切なことに気づきました。
それは、「ヒアリング」と「信頼関係」です。
トラブルが起きて焦っている方は、 「何が起きたか」を整理して話すのが難しい状態です。
「どうなりましたか?」と聞くのではなく、 「まずは安心してください」という姿勢で、 相手の言葉の裏にある「本当に困っていること」を丁寧に聞き出す。
エンジニアとしてのスキル以前に、 プロとしての「コミュニケーション能力」が問われる仕事です。
「ありがとう」
その一言をもらえた瞬間、 それまでの苦労は一気に吹き飛びます。 「あぁ、この人の役に立ててよかった」と、 心からやりがいを感じる瞬間です。
この小さな「ありがとう」の積み重ねが、 組織全体のDXを加速させるエネルギーになる。 今は確信を持ってそう言えます。
◆ 次の世代へ、バトンを繋ぐ「まなび」の連鎖
最近、私にも後輩ができました。 これまで一人で抱えていたヘルプデスク業務も、 少しずつ引き継ぎ始めています。
自分が現場に出る回数は以前より減りましたが、 フロアを歩いていると、 「あ!ちょっと聞いてもいい?」 なんて声をかけられることがあります。
そんなとき、すごく嬉しい気持ちになります。 私が築いてきた「ファン」との関係は、 ちゃんと続いていたんだな、と。
今、私の新しい目標は、 「後輩たちに、自分以上のファンを作ってもらうこと」です。
私が経験した「現場の温度感」や、 相手に寄り添うヒアリングのコツ。 それを伝えていくことで、 KDAという組織全体が、もっと現場から愛される存在になりたい。
誰かが困っているときに、 「KDAに相談すれば大丈夫」 そう思ってもらえる安心感を、チームで作り上げたい。
私自身、この仕事を通して、 「技術だけじゃない、人間力の大切さ」を学びました。 失敗もしたし、厳しい言葉をもらったこともあるけれど、 そのすべてが、今の私の「強み」になっています。
【エピローグ:次なる挑戦へ。ステキな大人が増える未来をつくる】
次なる挑戦は、もう始まっています。
ヘルプデスクで得た現場の声をもとに、 より使いやすく、より人を幸せにするシステムを企画する。 私たちの「人中心のDX」は、まだまだ終わりがありません。
京進が掲げる「ステキな大人」。 それは、高いスキルを持っているだけでなく、 相手を思いやり、常に学び続け、挑戦し続ける人のことです。
私自身も、そんな「ステキな大人」であり続けたい。 そして、私たちがつくるデジタルツールが、 世の中の「ステキな大人」を増やす一助になれば、これほど嬉しいことはありません。
「デジタルのチカラで、ステキな大人が増える未来をつくる」
このビジョンに、少しでもワクワクしたあなた。 私たちと一緒に、現場の体温を感じながら、 新しい未来を形にしてみませんか?
あなたの「探求する好奇心」を、 KDAは全力で歓迎します。