【2026年最新版】高還元SESの特徴と還元率について解説

ここ最近、ITエンジニア向けの求人広告や転職サイトでよく見かける、
「還元率◯◯％以上～」をうたっている高還元SES会社が増えていますね。

ITエンジニアの皆さんにも高還元SES企業からのスカウトメールがめちゃくちゃ多く届いているかと思われます。
これらは「高還元SES」「新SES」「単価連動型SES」と呼ばれています。

「還元率◯◯％」と聞いて「その還元率の額の給与がそのままもらえるの？」と本当に思えますか？一方で高還元SES に勤めるITエンジニアの方々は「実際は当初の還元率に比べて⼿取りが少なかった」という経験はありませんか︖

先日、都内某所で高還元SESで働いていたITエンジニアにお話を伺う機会がありました。
これから高還元SESに転職しよう！高還元SESに興味がある！という方々の参考になるよう、高還元SESの実態と闇についてご説明したいと思います。【ブックマーク推奨です】

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

本記事内で表記されている高還元SES企業の給与計算式は全ての高還元SES企業が同じとは限りません。企業により独自の様々な計算方法がありますので、応募時や面談時に詳しく確認することをお勧めします。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ここ最近流行りの高還元SESとは？
高還元SESの特徴［還元率◯◯%～］
求人の「給与還元率◯◯％～」でも給与はそれ以下ということもあります。
高還元SESの給与は企業により異なる。
なぜ高還元SESが流行っているのか？
▼求職者目線　→　給与（手取り）が高そうに見える。
▼企業採用側目線　→　採用が厳しい中でエンジニアの応募を増やす。
給与があがる高還元SES企業を見分けるコツとは？
本記事のまとめ
給与計算が明確な高還元SESに転職を考えている方へ

ここ最近流行りの高還元SESとは？

ここ最近流行りの高還元SESとは？

高還元SESとは名の通り還元率（マージン率）が高いSES企業のことを指します。ごく一般的なSES会社の還元率は案件単価の50～60％が相場と言われています。

つまり「売上単価×還元率（◯◯%）＝給与」この◯◯％が70%以上を謳うSES会社が高還元型SES企業と言えます。（注意：70%～80%以上などは諸説あり明確には定まってはいません）
このように、これまでの一般的なSES企業よりも高い還元率を謳うのが高還元SESの特徴です。還元率が80％を超える場合はSES業界でもトップクラスの還元率（高還元SES）と言われています。

求人媒体における高還元SESの表示例

高還元SESの特徴［還元率◯◯%～］

高還元SESの特徴［還元率◯◯%～］

高還元SES会社の採用サイトや各求人媒体を見ると下記の項目が掲載されています。一般的なSES会社とは違った内容であるかと思います。

・高還元［還元率◯◯%以上］←特徴
・業界最高水準の還元率！←特徴
・案件選択制（案件選択の権限がエンジニア側にある）←特徴
・残業が少ない
・独立支援制度がある
・取引先数が多い
・フルリモート案件多数という表記
・リフレッシュ休暇をはじめとした休みが極端に多い
・福利厚生が極端に充実している（食事代補助ほか）

求人の「給与還元率◯◯％～」でも給与はそれ以下ということもあります。

先ほども説明したとおり、ごく一般的なSES企業の還元率の平均は単価の50〜60%と言われております。それと比較して高還元SESの還元率は70%〜80%～を謳っています。

ここでポイントなのが、本来は会社が国に支払わなければならない「会社負担の社会保険料」を還元率に上乗せして、給与支払いの歳にはITエンジニアの給与から、それを差し引かれることもあります。（これについては高還元SES企業独自の給与計算式があります）

高還元SES企業とカジュアル面談などを行う際は「会社負担の社会保険料を給与から差し引かないか？」「実際の想定の手取り」を確認すると良いでしょう。

ポイント「実際の想定の手取り」を確認する

【ポイント】還元率とは受注案件単価に対して、どの比率で給与や賞与として還元するかを表す指標です。

▼一般的なSES企業と高還元SES企業の給与イメージ比較［還元率70%の例］

［一般的なSESの給与］
70万円 × 0.6 (還元率60%) = 42万円

［高還元SESの給与］
70万円 × 0.7 (還元率70%) = 49万円　←実際の給与では無いことも。

上記を比較すると、高還元SESの方が給与は高いように見えますね。しかしながら、企業によって高還元SESの還元率の計算方法はそれぞれ違います。

高還元SESの給与は企業により異なる。

給与計算方式が様々あるので確認が必要です。

今回お話を聞いた前職（2022年）では高還元SESに勤めていたT氏（都内在住 30歳/男性フロントエンドエンジニア）が語ってくれた高還元SESの給与を解説します。

当時勤めていた高還元SESの求人には大きく「還元率80%」と書かれていましたが、実際は単価の55％を程度の収入だったとのことでした。
この還元率には実際に様々な項目が加えられ水増しされた還元率でした。
しかもインセンティブは年1回で12月に支給（それまでに退職するとインセンティブの支払いは無し）

ではその内訳を詳しく見ていきます。

当時勤めていた高還元SESの給与を分解すると「会社負担分の社会保険料」と「交通費」「福利厚生費」等が差し引かれていたことがわかりました。

当時の高還元SESの給与の内訳

前職で高還元SESに勤めていたT氏の還元率には「会社負担分の社会保険料」と「交通費」「福利厚生費」が含まれており、ご本人の給与から引かれていました。（待機時の給与積立金を還元率に含む会社もあるようです）

当時の高還元SESの還元率の内訳

T氏は高還元80％の高還元SES企業（都内）で勤めていました。
求人広告や採用前のカジュアル面接時では高還元80％と説明を聞いていました。現場の案件単価は70万円だったので、56万円が給与と認識していましたが、実際は手取り35万円ちょい…しかもインセンティブは年1回支給（12月）とのこと。

当時、所属していた都内の高還元SESの還元率は「会社負担分の社会保険料」は本来は会社が従業員の社会保険料を負担分して国に支払うものを、給与から差し引く計算方式でした。ただ、この計算方式でも給与が高くなる高還元SES会社もあるようです！

もちろん「個人が支払うべき社会保険料」などは差し引きされます。
（大手企業も含め国内の全ての企業は個人負担の社会保険料が差し引きされて振込まれます。これを可処分所得と言います。これは当たり前ですよね）

でも、これらの内容は詳しくないと普通はわからないですよね…

高還元SESの募集要項（会社負担分が含まれている表示例）

「還元されないものを還元率に乗っけて高還元にしている」という表記は日々ネット上でも様々な意見があります。

高還元SESの還元率掲載例

明確に還元率を算出して記載している高還元SES企業もありますが、中には曖昧な表現で還元率を高めている高還元SESもあるので見分けにくいケースもあります（高還元SES企業とカジュアル面談などを行う際は必ず「会社負担の社会保険料を給与から差し引かないか？」もし引かれるなら実際の手取りはいくらか？を確認してみると良いでしょう）
もちろんこの計算方式でも給与が高くなる高還元SES会社もあります！

なぜ高還元SESが流行っているのか？

▼求職者目線　→　給与（手取り）が高そうに見える。

現在のSES市場は慢性的な人手不足状態です。また、在宅勤務やリモートワークが普及したため、エンジニアの働き方が大きく変わっており、キャリアアップに適した市場です。一方で物価高騰や社会保険アップなどの要因で可処分所得（手取り）が減っています。このため、求職者はより条件の良い（高い給与）を求める傾向にあります。高還元SESでは還元率が高く、給与が大幅にアップするように見えるため高還元SESを転職先の候補にしている方々が増えています。

▼企業採用側目線　→　採用が厳しい中でエンジニアの応募を増やす。

現在ITエンジニアの市場は売り手市場です。優秀なITエンジニアを採用する採用費はこれまでの1.5倍ほどに高騰しています。採用サイトに掲載するだけではITエンジニアを採用することは困難な状況です。そのため、高還元SES企業は高い報酬（高還元率）を提示してエンジニアの募集を増やしています。ITエンジニアの採用時には還元率が高ければ給与が高く見えますので
エンジニアの応募を募るのが目的です。

高還元SES｜求職者目線と企業採用側目線

給与があがる高還元SES企業を見分けるコツとは？

「でも、そうは言っても様々な計算方式がるので、自分にあった高還元SES企業の見分け方がわからない！」というあなたに、本記事で「チェックシートを無料で配布」します。

高還元SESにご興味がある方は、高還元SESとの面談時にご活用頂ければ幸いです。
転職はあなたの人生を左右する非常に重要なイベントです。
本記事をご覧頂いているITエンジニアのみなさんが納得のいく、素敵な「高還元SES企業」と巡り合うことを祈ってます！

▼［使える！］カジュアル面談対策チェックシート［無料］
https://x.gd/DiC5i

［使える！］カジュアル面談対策チェックシート［無料］

本記事のまとめ

いかがでしたでしょうか？
高還元SESの給与計算方式を具体例をあげて説明しました。
ここで説明した高還元SESの給与計算方式は企業によって様々なものがあります。
優良な高還元SES企業では「会社負担の社会保険料を引かれても」手取りが増えるケースもあります。
一方で高還元SESが謳う「極端な還元率表記」には実際の給与とは乖離がある場合もあります。給与計算方式が複雑な場合もあるため、転職先選びには慎重さが求められます。安全な転職を行うための戦略を身につけることが必要です。
高還元SES企業に転職をお考えのエンジニアの方々は、必ず面接時に、

1.会社負担分の社会保険料＋交通費＋福利厚生費が給与から引かれないか？
2.または実際の給与手取りはいくらか？（給与が上がる場合もあります）

を確認してみましょう！