「『話せるって、すげえじゃん!』少年時代の感動が原動力。世界標準を作ってきたCTOが、今ベンチャーで描く"通信の自由化"」- ISL Networks CTO 久保田啓一
モバイル通信の世界的な企業で20年以上、3GPP標準化の最前線を走り続けてきたエンジニア、久保田啓一氏。Nokia、Qualcommといったグローバル企業で技術特許を100件以上取得し、5G標準化にも貢献してきた彼が、楽天モバイルでの5G立ち上げを経て、共同創業者として選んだのはISL Networksというスタートアップでした。なぜ彼は、安定したキャリアを手放し、新たな挑戦を選んだのか?その根底にある想い、そしてISL Networksで実現したい未来について、深く語っていただきました。
プロフィール紹介
久保田 啓一 (Keiichi Kubota) / 取締役 CTO 共同創業者
- 経歴: 携帯通信の研究開発に20年以上従事。京セラでのキャリアスタート後、Nokia (UK)、Renesas Mobile Europe、Broadcom Europe、Qualcomm (USA) といったグローバル企業を渡り歩く。
- 3GPP標準化に10年以上参加。特にQualcommではR&D部門のRAN2 5G Leadとして5G標準化に貢献。3GPP関連特許を100件以上出願、うち15%以上が標準必須特許(SEP)に認定。
- 楽天モバイルにて5Gインフラ開発担当部長として完全仮想化5G RAN開発業務に従事。総務省より招聘され「標準化ガイドブック」作成メンバーとして日本の標準化推進にも貢献。
- 2022年、ISL Networks設立。
目次
プロフィール紹介
原点は「話せるって、すげえじゃん」。少年時代の感動が導いた通信技術への道
「かっこいいエンジニア」を目指して海外へ。標準化の最前線で得たもの
5G標準化のリードから実装へ。そして「大手ではできない面白いこと」を求めて起業
日本の未来のために。DXを加速させる「通信の自由化」への挑戦
「問題解決能力」と「パッション」を求む。エキスパート集団と共に成長できる環境
モバイル通信を、もっと自由に。あなたの手で、未来の当たり前を創る
原点は「話せるって、すげえじゃん」。少年時代の感動が導いた通信技術への道
ーー本日はありがとうございます!早速ですが、久保田さんのこれまでのキャリアについて伺えますでしょうか?20年以上、携帯通信の研究開発、特に海外でのご経験が長いと伺っています。
久保田:はい、よろしくお願いします。一言で言うと、携帯通信の研究開発に20年以上携わってきました。特にハイライトとしては、NokiaやQualcommといった世界的なモバイル関連企業で、主に海外(イギリス、アメリカ)で仕事をしてきたことですね。
その中でも、3GPPというモバイル通信の規格を決める標準化の活動に15年以上関わってきました。技術提案をしたり、他社の提案にコメントしたり、という業務です。その中で関連特許を100件以上出願し、そのうち15%が3GPPの標準規格に採用されるという実績も作ることができました。その経験を活かして5年前に日本に帰国し、楽天モバイルさんで5G事業の立ち上げに携わった後、現在のISL Networksを共同で立ち上げました。
ーーありがとうございます。ものすごいご経歴ですね…!そもそも、なぜ携帯通信の分野に興味を持たれたのでしょうか?
久保田:実は、もともとは宇宙工学に興味があったんです。子供の頃、種子島に住んでいた時期があって、ロケットが身近だったんですね。「かっこいいじゃん!」って。でも、まあ正直、学力的なハードルが高くて諦めました(笑)。
ただ、宇宙飛行士が地上と通信しているのを見て、「宇宙にいる人と地上の人が話せるって、すげえじゃん」って幼心に思ったんです。それと、種子島にいた頃、鹿児島本土にいるおばあちゃんと電話で話せたことにも感動したんですよね。「こんな離島にいるのに、おばあちゃんと話せる!電話ってすごいテクノロジーだな」って。
宇宙開発そのものが無理なら、次はそれを可能にする「無線通信」かな、と。結構安直な理由なんですけど(笑)、大学に入る前から通信分野は面白そうだと思っていました。
ーー幼少期の体験が原点になっているんですね。最初のキャリアは京セラさんとのことですが、そこでは希望通りの研究開発ができたのでしょうか?
久保田:いえ、それが…最初の配属は品質保証部だったんです。エンジニアとして「ものづくり」がしたかった私にとっては、人が作ったものをチェックする仕事は、正直クリエイティブさを発揮できる場所ではありませんでした。
上司に相談しても、「与えられた仕事を天職と思え」みたいな、ちょっと宗教じみた(笑)ことを言われてしまって。「これは話にならんな」と、入社してたった16ヶ月で転職を決意しました。終身雇用万歳!と思っていた保守的な人間(鹿児島出身なので…笑)にとっては、とんでもない決断でしたけどね。
「かっこいいエンジニア」を目指して海外へ。標準化の最前線で得たもの
ーー大きな決断でしたね!そこから外資系のNokiaへ転職されたわけですが、なぜ外資系を選ばれたのですか?
久保田:京セラを辞めた時、「自分がイメージできる“かっこいいエンジニア”になりたい」と思ったんです。私にとっての“かっこいいエンジニア”の定義は、「英語も喋れて、技術もすごい」というもの。でも、当時周りにはどっちかしかいない。「両方できたら、かっこいいよな」と。
英語ができなかったので、「じゃあ、外資系に入っちゃえば、嫌でも英語を覚えるだろう!」という、またもや安直な発想で(笑)。勉強してから…なんて言ってたら一生飛び込めないな、と。
ーー飛び込むのが先なんですね(笑)。Nokia Japanにはすんなり入れたのですか?
久保田:いやいや、もちろん苦労しましたよ。英語ができないわけですから。エリクソン、シスコ、モトローラ…色々な外資系に書類を送っては、「残念ながら」という返事をもらう日々でした。「甘かったかな…」と思っていたら、幸運にもNokiaから面接の連絡があって、採用してもらえたんです。当時Nokiaは業界2位で勢いもありましたね。
ーーNokia Japanでは、希望の研究開発(R&D)に?
久保田:はい、R&Dの仕事には就けたんですが、それも束の間で…。海外企業の日本支社って、結局はブランチなんですよね。私がやりたかった本当にコアで面白い仕事、携帯無線の通信プロトコルスタック(※通信手順の規約や実装の集合体)の開発などは本国でやっていて、「品質保証よりはいいけど、俺がやりたい通信の仕事とはちょっと違うな…」と感じていました。
ーーそれで、また行動を起こされたわけですね。
久保田:はい。「もっとコアなプロトコルスタック開発に携わりたい」と上司に言い続けていたら、「フィンランド本社かUK(イギリス)のR&Dにポストがあるぞ」と言われて。当時子供がいたので、フィンランド語を話せるようになる未来と、ブリティッシュイングリッシュを話せるようになる未来…どっちがかっこいいかな?って(笑)。
まあ、それも理由の一つですが、当時最新の3G技術開発のメイン拠点がUKだったので、「UKに行きます!」と決めました。
ーーイギリスでは、どのようなお仕事を?
久保田:最初は、3GPPが定めた仕様書に基づいて、通信ソフトウェア(プロトコルスタック)を開発する仕事でした。ソースコードを書いて、バグが出たらデバッグして…という日々です。それをやっているうちに、仕様書(スペック)を熟読するので、自然と詳しくなっていきました。
そうしたら、実際に標準化会議に参加しているエンジニアから「お前、標準化、一緒にやらへんか?」って誘われたんです。最初は、人とコミュニケーションとって仕様を決めるなんて、Wordいじるだけで面白くなさそう…と思って断ってたんですけどね(笑)。
でも、よくよく考えたら、自分が関わった技術が、NokiaだけでなくQualcommやEricssonといった世界中の企業で使われるって、すごいことだな、と。「より世界に影響を与えられるじゃん!」と思って、標準化の世界にシフトしていくことにしました。Nokia UKには結局6年くらいいましたね。
ーー標準化会議は、やはり刺激的な場所でしたか?
久保田:めちゃくちゃ刺激的でしたね。世界中から優秀なエンジニアが集まって、次世代の通信技術の未来図を議論するわけですから。「今回のミーティングのハイライトは何だ?」「どんな技術が提案された?」「うちの会社の提案はどうなってる?」って、帰ってくると質問攻めでした。
ただ、3G、4G、そして5Gと関わっていくうちに、正直、自分の中でルーチンワーク化してしまった部分もあって。「またこういう感じの議論ね。IPR(知的財産権)ビューティーコンテストじゃん」みたいに、ちょっと冷めた目で見ている自分もいたんです。それが、日本に帰国しようと思った一つのきっかけでもありますね。
ーー海外での経験は、キャリア観にも影響を与えましたか?
久保田:すごく感じたのは、「やっぱり有名企業にいないと存在感を示せないんだな」ということです。特に3GPPのような標準化会議では、マイクを握って発言できる人、議長が意見を聞こうとする人は、やはりQualcommやNokiaといったプレゼンスのある会社の人間なんです。
日本企業の方も参加されていましたが、発言される方は少なかった。それは別に能力の問題ではなく、会社の看板、いわば「虎の威を借る狐」状態なんだと、自分自身よく分かっていました。
実はNokiaの後、会社が買収されてルネサスモバイル、ブロードコムと所属が変わった時期があるんですが、その時に痛感しましたね。「Nokiaの久保田です」だと聞いてもらえたのが、「ルネサスモバイルの久保田です」だと「誰やお前?」みたいな(笑)。ブロードコムは知られていても、モバイル分野でのプレゼンスは低い。だから、Qualcommから声がかかった時は、迷わず飛び乗った、という感じです。
ーーなるほど…。シビアな世界ですね。最近は新卒でベンチャーを選ぶ人も増えていますが、久保田さんのお考えは?
久保田:私自身の経験から思うのは、学歴が通用するのは最初の就職までで、そこからは社歴が学歴の代わりになるということです。だから、自分のキャリアを育てていく上で、「今やっている仕事が、次の会社でバリューとして認めてもらえるか?」を意識することは大事だと思います。
いきなりベンチャーに行くのが悪いとは言いません。そのベンチャーで世の中が認めるような凄いアウトプットを出せる確信があるなら、素晴らしいことです。でも、自信がないなら、まずは超大手の看板を借りて、そこで市場価値の高い経験を積むというのも、一つの有効な戦略だと思いますね。
5G標準化のリードから実装へ。そして「大手ではできない面白いこと」を求めて起業
ーーQualcommでは5G標準化の中心的な役割を担われた後、楽天モバイルへ転職されていますね。
久保田:はい。Qualcommでは、アメリカ・サンディエゴの本社にある中央研究所(Corporate R&D)で、まず5Gのリサーチから始めました。「5Gとはどうあるべきか」「どんなユースケースがあるか」といった提案や特許作成を行い、その後、3GPPでの5G標準化が始まると、プロトコルスタックの責任者として標準化会議に参加しました。「5Gのプロトコルスタックはこうあるべきだ!」なんて偉そうに議論していましたね(笑)。最初の5G標準化が終わるところまで関わりました。
その後、楽天モバイルさんに転職しました。アサインされたのは5Gインフラ開発の責任者。つまり、基地局などを含む5Gネットワーク全体の設計を取りまとめる部署のトップです。
ーーなぜ楽天モバイルへ?
久保田:それまで、言ってしまえば「Wordエンジニア」として、仕様書の上で「5Gネットワークはこうあるべきだ」と書いてきた人間が、今度は実際に通信事業者(オペレーター)の立場で、自分が仕様策定に関わった5Gネットワークを日本で構築する。これは面白いチャレンジだと思ったんです。まさに、自分の知識や経験の棚卸しができるな、と。
ーーまさに集大成のような経験ですね。そこから、なぜスタートアップであるISL Networksを立ち上げようと思われたのですか?
久保田:楽天モバイルで5Gの立ち上げを経験して、「さて、次は何をしよう?」と考えた時、正直、Qualcomm以上の経験というのが思い浮かばなかったんです。またNokiaやEricssonに戻る未来もイメージできなかった。
そんな時、大学時代の同級生だった井上から「会社を立ち上げないか?」と誘われたんです。これは新しいチャレンジだし、これまでの自分の経験も活かせる。大手で経験を積むフェーズはもう十分かな、と感じていたタイミングでもあったので、「これは間違いなく、やりがいのあるチャレンジだ」と思って、共同でISL Networksを立ち上げました。
[写真1] ISL Networks創業時の合宿にて
ーー大手企業と比べて、スタートアップだからこそできること、感じる価値は何でしょうか?
久保田:大手だと、例えば「こういう技術、面白いんじゃないですか?」と提案しても、「へぇ、面白いこと言うね」で終わってしまうことが結構あるんです。でも、自分たちの会社なら、共同代表の井上と「これ、いけるんじゃね?」と話したことを、真剣に、スピーディーに実現に向けて動ける。アイデアが居酒屋の戯言で終わらない。これはスタートアップならではの楽しさですね。自分が面白いと思ったことを、自分たちの手で実現しに行ける環境です。
日本の未来のために。DXを加速させる「通信の自由化」への挑戦
ーーISL Networksは「産業DXの実現」をミッションに掲げていますが、なぜ今、この事業に取り組む必要があるとお考えですか?
久保田:DX(デジタルトランスフォーメーション)は、日本の少子化対策として最も有効な手段だと考えています。人手不足が深刻化する中で、機械にできることは自動化していく流れは避けられません。そして、そのDXを支える根幹技術が「通信」なんです。
特に、これからは無線通信がますます重要になります。昔はノートパソコンもLANケーブルを繋いでいましたが、Wi-Fiの登場でどこでも無線で繋がるのが当たり前になりましたよね?工場のような場所でも、配線に縛られず柔軟に機器を配置・制御できるようになれば、生産性は劇的に向上します。ドローンの制御なども無線技術なしには考えられません。
そして、その無線通信の中でも、最も高性能で可能性があるのが、Wi-Fiではなく5G、そして将来の6Gといった携帯無線技術だと確信しています。これらの技術が、産業分野でもっと活用される時代が必ず来る。だからこそ、ISL Networksとして、この分野にリソースを集中投下していきたいと考えています。
ーー具体的には、どのような未来をイメージされていますか?
久保田:例えば製造業の工場では、今以上に人がいなくなり、機械だけが動いている。人は異常発生時の対応のみ、という姿です。AIカメラが異常を検知し、遠隔の技術者にアラートを送る。広大な石油コンビナートのような場所でも、わずか数人の技術者で運用できるようになるかもしれません。
特にインパクトが大きいと考えているのが自動車業界です。日本が世界で戦える数少ない産業であり、国内に多くの工場を抱えています。彼らが抱える少子高齢化による人手不足という課題に対し、5Gを活用したファクトリーオートメーションは大きな解決策になり得ます。実は、自動車産業で使える5G技術の種は、すでに標準化(3GPP)の段階で私たちが蒔いてあるんですよ。それを日本で収穫する時が来るのが、今から楽しみでワクワクしています。
ーーご自身が関わってきた技術が、社会課題の解決に繋がるのはワクワクしますね!
久保田:まさに、そこですね。私は新しい技術を生み出すことに喜びを感じるタイプのエンジニアなんです。3Gの時は実装から、4G、5Gではゼロから仕様を作る経験をして、楽天モバイルではそれを形にする経験をした。常に「何か新しいものを生み出す」ことにモチベーションを感じてきました。
ISL Networksでは、3GPPで培った圧倒的な知識量をベースに、「これを作るなら、こうだよね」という提案をし、それを自分たちの手で実際に作り上げ、動いているところを見て「やってやったぜ!」と思える瞬間を迎えたい。それが今の強い思いです。
[写真2] イベント出展時の自社ブースにて
ーー現在、特に注力されている技術はありますか?
久保田:今、まさに取り組んでいるのがTSN(Time-Sensitive Networking)という技術です。これは、ネットワーク通信において時間の正確性を保証する技術で、工場の機械制御など、リアルタイム性が非常に重要な分野で必要とされます。有線の世界では既に存在する技術なのですが、これを無線、特に5Gで実現しようとしています。業界の人に話すと「久保田さん、それ、めちゃくちゃ大変でしょう?」と言われるような、チャレンジングな領域ですね。
ーーまさに最先端ですね!どのように実現されようとしているのですか?
久保田:TSNを実現するために必要な要素技術を持つ国内外のベンダーさんと密に連携しています。通信システムというのは、結局、様々な製品(製品A、製品B、製品C…)を組み合わせて、エンドツーエンドでうまく繋がるように構築する「インテグレーション」が重要になります。その中で、ISL Networksとしてコアとなる部分を自社で開発しつつ、周辺の技術を持つパートナーさんと協力して、全体として価値のあるソリューションを作り上げようと、今まさに必死に取り組んでいるところです。
「問題解決能力」と「パッション」を求む。エキスパート集団と共に成長できる環境
ーーCTOとして、現在はどのような役割を最も重視されていますか?
久保田:やはり「技術の方向性を見極めること」ですね。我々はまだリソースが限られたスタートアップですから、何でもかんでも手を出すわけにはいきません。「この分野に今リソースをかければ、将来花開く」という確信を持てる分野を見極め、井上と議論しながら、会社の進むべき技術的な舵取りをしています。お金になるから、という短期的な視点だけでなく、将来のコアとなる技術への投資を意識しています。
[写真3] Wireless Japan 2024基調講演にて
ーーチームのエンジニアの方々とは、どのように関わっていますか?
久保田:日常的な技術的課題については、Hさん(チーフエンジニア)をはじめ、非常に優秀なエンジニアが揃っているので、細かいことを私に聞いてくることは少ないですね。どちらかというと、「こういう方針で進めて良いか?」といった、方向性の確認が多いです。その際は、技術的な観点だけでなく、ビジネス的な観点も踏まえて、「こういう理由で、こっちの方向で進めよう」といった、少し俯瞰的な視点からのディレクションをすることが多いです。
[写真4] ISL Networks合宿風景
ーーISL Networksで働く魅力、得られる経験は何でしょうか?
久保田:まず、最先端の携帯無線通信技術を業務を通じて深く習得できることです。これは大手でも可能かもしれませんが、ISL Networksの強みは、ネットワークの全体像をエンドツーエンドで見渡せる点にあります。
大手だと、どうしても組織が縦割りになりがちで、「自分の担当領域のことは詳しいけど、隣の部署が何をやっているかは知らない」というエンジニアが多い。でも、うちは少数精鋭であるが故に、良くも悪くも全体を見ざるを得ないんです。しかも、各分野で日本トップクラスのエンジニアが在籍しているので、彼らと一緒に仕事をすることで、短期間で通信分野のエキスパート、ひいてはDXのエキスパートへと成長できる環境があります。通信技術は、今後もなくなることのない、社会にとって不可欠な技術ですから。
ーーどのようなエンジニアと一緒に働きたいですか?求める人物像を教えてください。
久保田:一番重視するのは、「問題解決能力が著しく高い人」です。特定の分野の知識があること以上に、何か問題が起きた時に、様々な可能性を考え、原因を特定するために自ら仮説を立てて検証できる能力が重要です。
例えば、家の水道の蛇口をひねっても水が出ない時、「水道代払い忘れたかな?」「どこか管が壊れてるのかな?」って、色々な原因を考えて一つ一つチェックしますよね?それと同じように、複雑な通信システムの問題に対しても、コモンセンスを働かせて、粘り強く原因を探求できる人。そういう方が、優秀なエンジニアになる素質があると思っています。
あとは、やはり「パッション(熱い思い)」を持っている方です。「自分はAIと通信を掛け合わせて、こんなことを実現したいんだ!」とか、「衛星通信(NTN)に挑戦したい!」とか。ISL Networksは、そういう個人の熱い思いをしっかりと受け止め、チャレンジできる会社です。ぜひ、パッションを私たちにぶつけてほしいですね。
ーー海外でのご経験から、働き方について意識されていることはありますか?
久保田:私、「アメリカでは〜」とか言うの、あまり好きじゃないんですが(笑)、海外での経験から学んだことは活かしたいと思っています。特にイギリスやフィンランドでは、長時間働くことが必ずしも正義ではない、短時間でいかにアウトプットを出すかが重視される文化を目の当たりにしました。
だから、ISL Networksでも、一緒に働いてくれる仲間たちのワークライフバランスは、世界標準レベルで考えたいと思っています。もちろん、スタートアップなので忙しい時期もありますが、無駄な長時間労働を強いるつもりはありません。効率的に働き、しっかりとプライベートも充実させられるような環境を目指しています。
[写真5] 共同創業者の井上氏と
モバイル通信を、もっと自由に。あなたの手で、未来の当たり前を創る
ーー最後に、この記事を読んでいるエンジニアの方々へメッセージをお願いします。
久保田:ISL Networksは、「モバイル通信をもっと自由に」という想いを大切にしています。3GPPで標準化された素晴らしい技術が、もっと多くの産業分野で、当たり前のように使われる世界を作りたい。総務省もローカル5Gという制度を作って後押ししてくれています。
今はまだ、「無線通信といえばWi-Fi」と考える人がほとんどだと思いますが、「いや、そこは5G(や6G)の方が適してるよね」という選択肢が、もっと自然に思い浮かぶような世界にしたいんです。
そのためには、TSNのような新しい技術への挑戦も必要ですし、将来的にはポジショニング技術(位置測位)や、私の原点でもある宇宙と繋がる衛星通信(NTN)といった分野にも挑戦していきたいと考えています。
もしあなたが、
「最先端の通信技術の、さらにその先を自分の手で切り拓きたい」
「縦割りではない環境で、ネットワーク全体を見渡せるエキスパートになりたい」
「日本の産業が抱える課題を、技術の力で解決することに情熱を燃やせる」
「自分のアイデアやパッションを、スピーディーに形にできる環境で働きたい」
と感じているなら、ぜひ一度、私たちと話してみませんか?
ISL Networksは、まだまだ小さい会社です。だからこそ、一人ひとりの熱意が、会社の未来を大きく動かす力になります。あなたの経験と情熱で、私たちと一緒に「通信の未来」、そして「日本の未来」を創っていきましょう。お会いできるのを楽しみにしています。