巡回の途中で、
棚の端に一つだけ向きの違う商品があった。
ほんのわずかなズレ。
誰も気づかないような、
数字にも表れないような、
小さな違和感だった。
それを直した瞬間、
近くにいた担当者がふっと笑って言った。
「こういうの、気づいてくれてありがとう。
毎日見てるのに、見落としてた。」
その言葉は、
大きな成果でも、派手な評価でもない。
ただの一言だった。
でも、その一言が、
自分の中で静かに響いた。
仕事は、
大きな改革だけで価値が決まるわけじゃない。
誰かが気づかない小さな段差を、
そっとならしていくことにも価値がある。
その積み重ねが、
いつの間にか「信頼」になっていく。
あの日の一言は、
派手ではないけれど、
確かに心を動かした。
——こういう仕事を、
これからも丁寧に続けていきたいと思った。
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