企業の本当の価値は、貸借対照表や損益計算書だけでは測れません。
企業文化やブランドは、そこで働く“人材”によって築かれています。
大企業のような経営統合や再編が繰り返されれば、文化は揺らぎ、現場のモチベーションは損なわれかねません。
だからこそ私は、大企業と同じ土俵で戦う必要はないと考えます。
中小企業が取るべき道は、その正反対。
市場を広げるのではなく、絞り込む。顧客を増やすのではなく、深める。
ニッチな分野に徹底的に打ち込み、独自の文化とブランドを磨き上げることです。
少数精鋭の中小企業こそ、価値観を共有しやすく、企業文化を強みに変えられる存在です。商品を選んでいるようでいて、お客様はその企業の姿勢や人を見ています。
だからこそ、小さな市場でも本質を突けば、大きな成長につながることがあるのです。
私はかつて銀行系ベンチャーキャピタルに勤めていました。
金融再編の波の中で、親会社は国有化され、外資に買収され、社名も変わりました。
机上の論理で経営が動き、人が振り回される現実を目の当たりにしました。
そこで得た教訓があります。
商売とは、“目線が高ければ失敗する”。
高いところから市場を俯瞰し、数字だけで経営を語るのではなく、現場に立ち、お客様に向き合い、脳ミソまでも汗をかく。
カーネル・サンダースの言葉にあるように「他の人に一生懸命サービスする人が、最も利益を得る」のです。
中小企業には、中小企業の戦い方があります。
流行の経営理論よりも、日々の現場で磨かれる“低い目線の経営”こそが武器になる。
これからも、現場感覚に近い経営を実践し続けたい。
それが、私たち中小企業の生きる道だと信じています。