少子化、地域格差、不登校の増加──
日本の教育を取り巻く課題は年々深刻化しています。
そんな中、「教育にアジャイルを。」を掲げて立ち上がったのが、
リクルートで「スタディサプリ」の立ち上げを担った松尾慎治氏と、
アビームコンサルティングで個別指導塾の経営に携わった岡村拓明氏です。
正反対のようで、絶妙に補完し合う2人は「教育に、コーチングとテクノロジーを」という合言葉のもと創ったのは、従来の“教える塾”ではなく“伸ばす塾”。
今回は、第二創業期の東大先生を牽引する彼らの素顔と事業の展望、
そして教育と社会への熱い想いをお届けします。
目次
「内省的な戦略家」と「突破力のある実行者」──真逆な2人の原点と交差点
松尾慎治:転校を繰り返し、“一人で楽しむ力”を培った少年時代
岡村拓明:幼少期から“ビジネスセンス”を持っていた行動派
二人の出発点と違和感────「塾は高いのに成果が出ない?」
東大先生が挑む、“教育格差”のアップデート
私たちのミッション:「自走できる大人」を育てる
M&Aで広がる可能性。「東大先生」×「アジスタ」の掛け算
「内省的な戦略家」と「突破力のある実行者」──真逆な2人の原点と交差点
松尾慎治:転校を繰り返し、“一人で楽しむ力”を培った少年時代
福岡出身の松尾さんは、父親の転勤に伴って転校を繰り返す中、
「一人で何かに没頭する力」が自然と身についたと言います。
プログラミングに熱中し、やがて「作ったものが人に使われることの価値」に気づいたことが、リクルートへの入社や後のスタディサプリ立ち上げにもつながる“原点”になりました。
「作って終わり、ではなく“使われて、価値を生む”ところまでやりたいと思った。
それが今も変わらない僕の軸です」(松尾)
岡村拓明:幼少期から“ビジネスセンス”を持っていた行動派
東京・八王子出身の岡村さんは、幼少期から商売に興味津々。
「どうやったら儲かるか」を常に考える子どもだったと語ります。
雨水を“天然水”として販売してみたり、図書券を換金したりするなど、商売の工夫を凝らしていたエピソードからも、その探究心と行動力が伝わってきます。
「流行ってることを試さずにはいられない性分で(笑)
仮想通貨や民泊、カーシェアなど、とにかく色々なことを試してきました」(岡村)
二人の出発点と違和感────「塾は高いのに成果が出ない?」
そんな二人が出会ったのは、慶應義塾大学の中国語の授業。
性格やアプローチは違えど、「新しい価値を創りたい」という根っこの部分は共通しており、意気投合したといいます。
大学卒業後、松尾さんはスタディサプリの立ち上げを通じて、
EdTechの可能性と限界を同時に肌で感じていました。
「コンテンツ自体は良い。でも、当時は使いこなせる生徒が少なかった」
一方、岡村氏はアビームコンサルティングに勤務する中、個別指導塾の経営にも携わっていました。
「高額な費用を払っても、成績が上がるのは2割程度。この構造はおかしいと感じていたんです。」
卒業後も緩やかに関係を続けてきた二人は、飲みの席で教育に対する想いを語り合い、アジャイルスタディ(東大先生の母体)の原型となる構想がその場で生まれました。
松尾さんが感じていた「デジタル教材は良いが強制力がない」
岡村さんが感じていた「塾の場には強制力があるが教材が弱い」という正反対の視点が、やがてひとつの仮説に結実します。
「“場”と“教材”をかけ合わせれば、教育は変えられるのではないか」
「僕が戦略を練って妄想を膨らませて、岡村さんがすぐに動く。
振り返ったら、もう事業が走り出していましたね(笑)」(松尾)
東大先生が挑む、“教育格差”のアップデート
私たちのミッション:「自走できる大人」を育てる
オンライン家庭教師サービス「東大先生」は、東大生がただ教えるだけではなく、
「学び方」そのものを指導するサービス。私たちが主に支援しているのは、いわゆる“中間層”──偏差値50台の生徒たち。今まで光が当たりにくかったこの層こそ、日本の未来を支える力を持つと信じています。
国内だけじゃ終わらない。「アジアで戦える教育モデル」へ
「日本は少子化。教育業界も縮小傾向にある」──そう語られる一方で、私たちの視野はもっと広く未来を見据えています。
アジアには、今まさに人口ボーナス期を迎え、教育ニーズが急増している国が多くあります。そこで私たちは、「デジタル教材 × コーチング」という再現性と拡張性に優れた教育モデルを武器に、アジアへの展開を既定路線としています。
「教育は国の未来をつくる」と本気で信じているからこそ、東大先生は“日本発・アジア基準”の学びを届けていきます。
M&Aで広がる可能性。「東大先生」×「アジスタ」の掛け算
2025年、私たちはアジャイルスタディのM&Aにより、「塾」というオフラインのチャネルと統合されました。
家庭教師サービスとして培ってきた高い集客力と、東大生講師との信頼という資産を、アジャスタの持つ教材設計力や学習支援のノウハウと掛け合わせることで、より強く、より再現性の高いモデルへと進化を遂げています。
「集客に強い」「デジタルに強い」「教務も強い」──そのすべてを活かしながら、**塾と家庭教師の境界を越えた“次世代の教育プラットフォーム”**を形にしていきます。