「千代田ビジネス大賞 千代田区長賞」を受賞しました!
― “泥臭く積み上げてきた時間”が評価された、その瞬間とこれから ―
2026年、千代田区において開催された「第17回千代田ビジネス大賞」にて、マイクロベース株式会社は、このたび千代田区長賞を受賞いたしました。 今回は、残念ながら大賞の該当がなかったということで、事実上最高の賞という立ち位置でした。
※千代田ビジネス大賞は、千代田区内の中小企業の成長発展を支援することを目的とした表彰制度で、「社会・経済への貢献性」「製品・サービスの革新性」「企業経営の戦略性」において特徴ある優れた活動実績が選出されます。
ちなみにこの受賞は事前に知らされていたものではありませんでした。結果は、授賞式当日にその場で発表される形式でしたので、内心ずっとドキドキが続いていました。
■ 受賞にあたっての評価ポイント
今回の受賞にあたっては、以下のような評価ポイントをフィードバックいただいております。
【評価ポイント】
- 現在から未来の住戸単位の入退去を予測するAIソリューションで都市のバイタルデータをAIに学習させ、地理情報システムと組み合わせることで、都市の住居単位の空き家予測を視覚的に可能とした。
- R&D先行型(研究開発型)のビジネスモデルだが、ニーズが確実に存在する分野を選び、知財戦略を採ることで、自社が戦いやすい状況を生み出している。
- 東京都のKING SALMON PROJECTの採択により、東京都八王子市、福生市、町田市、あきる野市、愛知県豊田市に導入され、国土交通省ProjectLINKS(国土交通省の分野横断的なDX推進プロジェクト)へ参画するなど実績を上げている。
※東京都が実施する「KING SALMON PROJECT」では、スタートアップと都政課題のマッチング、都内行政の現場を活用した先行導入プロジェクトと販路拡大のための戦略立案等の支援を行っています。
■ 泥臭く、それでも前に進み続けたR&Dの現場
弊社はこれまで、「空き家問題の対策」を入り口として、都市の未来を予測するAIの開発に取り組んできました。
行政や民間企業の持つビッグデータをAIに学習させ、地理情報システム(GIS)と組み合わせることで、住戸単位での入退去や空き家発生を“未来の時間軸で可視化する”。言葉にするとシンプルですが、その裏側には、膨大な試行錯誤があります。
データ収集にあったての個人情報の壁や、現場のニーズとのミスマッチなど、R&D先行型という言葉で括ることはできますが、実態としては、「正解が見えない中で、ひたすら仮説と検証を繰り返す」日々でした。ご協力いただける自治体様と連携し、地道に実証実験を行いながら、少しずつ成果を積み上げていた結果が今回の受賞につながったと思うと、とても感慨深いです。
少子高齢化の進む日本が抱える社会課題解決に寄与するべく、我武者羅にAIの精度向上や現場のニーズに沿うアウトプットを模索していった結果、基礎自治体に止まらず、東京都の「King Salmon Project」への採択や国土交通省「Project LINKS」への参画へとつながっています。
一つひとつは小さな前進かもしれません。しかし、その積み重ねこそが、今回の受賞につながったのだと感じています。
今回の受賞で何より嬉しいのは、派手な成果ではなく、“積み重ねてきたプロセスそのもの”を評価いただけたことでした。R&D、社会実装、制度との接続…どれも時間がかかり、効率的とは言えない領域です。それでも、その一歩一歩を見ていただけたことは、これまで関わってきたすべての弊社メンバー、そしてパートナーとして実証実験等にご協力いただいた自治体様や企業様にとって、大きな意味を持つものだと感じています。
■ 受賞にあたっての代表のコメント
受賞式には、諸事情から事業企画の大熊が出席しましたが、後日、代表の仙石より以下のコメントがございました。
(仙石代表からのコメント) このたびは、大変栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。マイクロベース株式会社を代表し、心より御礼申し上げます。
弊社は、「事後対応」から「事前対応」へをコンセプトに、空き家対策に取り組んでまいりました。現行の空き家対策は「事後対応」が主流であり、私の実家もそうでしたが、所有者目線では空き家になってから今後を考えることが一般的です。基礎自治体においても空き家になってから所有者に向けて今後の働きかけを行ったり、通報を受けて注意喚起を行ったりすることが大多数であると思います。しかし、事後対策では所有者がわからなくなってしまったり、連絡がつきづらくなってしまったりと、今後の見通しがつかないまま放置されてしまうことがあります。まして空き家が年々増加し、自治体職員も減少していく中、これまでの体制では行き詰まってしまう懸念があることに問題意識を感じ、本事業を開始しました。
大学での研究をベースとして始めたことや、行政機関も限られた職員数の中で将来の対策に労力を割きにくいこと、これまでと異なりAIをつかった事業であることから、難色を示されることが少なくありませんでした。地道に説明をつづけていくことで、自治体や大学をはじめとする多方面からのご協力を得て、少しずつ実績が積み重なり、私たちのプロダクトが徐々に全国へと広がりつつあります。今回の受賞は、こういった取り組みを評価いただけたものだと感じており、大変嬉しく思っております。
当社は、将来世代への負の遺産を減らすことを使命に事業を行ってきました。現在は空き家対策に向けて取り組んでおりますが、私たちの将来予測AI『Miraie.ai(ミラーエ ドット エーアイ)』を愚直に研鑽していくことで、今後は老朽インフラ対策やコンパクトシティの実現、環境対策、社会保障対策などあらゆる行政政策や事業展開において、「事後対応」から「事前対応」に資することができるように、挑戦して参りたいと考えております。
事業としてはまだまだこれからという段階ではございますが、本受賞を契機により多くのお客様の課題解決に取り組み、日本全国のスタンダードとなり、課題先進国ならではこその海外にも輸出可能なAIサービスへと発展させてまいります。
マイクロベース株式会社 代表取締役社長 仙石 裕明
■ 懇親会でいただいたアドバイス
授賞式後に行われた懇親会では、審査員の方々や他の受賞企業の皆様と直接お話しする機会にも恵まれました。
異なる領域で挑戦を続ける企業との対話は、想像以上に刺激的で、「まだできることがある」「もっと広げられる」という感覚を強くしました。多くの企業様から弊社の事業について「とても興味深く面白い取り組みだ」とのお声をいただくことができ、様々なアドバイスや激励のお言葉をいただけたことは、今後の活動の大きな励みにもなりました。
千代田区長様ともじっくりお話させていただく機会に恵まれ、大変貴重な時間となりました。
■ この受賞はあくまで“通過点”
今回の受賞は、決してゴールではありません。
むしろ、ようやく社会の中で、自分たちの取り組みが「意味のあるもの」として認識され始めた——
その入口に立ったに過ぎないと感じています。
これから先、空き家問題はさらに深刻化していきます。
都市の在り方そのものも、大きく変わっていきます。
その中で私たちは、「問題が起きてから対応する社会」ではなく、「問題が起きる前に備える社会」を当たり前にするために、これまでと変わらず、泥臭く、しかし確実に、技術と社会の間をつなぎ続けていきます。
引き続き、マイクロベース株式会社の挑戦にご期待ください!