日本の医薬品業界は、新しい技術やニーズに対応しながら進化を続けています。
こうした状況の中、テックプロジェクトサービス(TPS)は、お客様の成功を支援するために、さまざまなニーズに応える最適なソリューションを提供し続けています。
さらに、私たちはこの変化を「革新のチャンス」と捉え、経済性・生産性・柔軟性・安全性を飛躍的に向上させる次世代の設備・工場の実現に積極的に取り組んでいます。
今回は、その医薬プラント建設のプロジェクトマネージャーを幾度となく務めてきたIさんに、キャリアやPMとしての価値観を伺いました。
▼Interviewee:プロジェクト工事本部 プロジェクト一部 Iさん
1996年に東洋エンジニアリングへ入社し、医薬・化学・食品・半導体など幅広いプラント設計を経験。半導体分野での長期実績に加え、医薬原薬工場での現場経験も積みました。 その後、医薬関連プロジェクトのPMとして、低分子医薬品からバイオ医薬品まで、原薬工場の建設・改造・増設など多様な案件を担当。現在はTPSで医薬分野のPMを務めるとともに、ISPE日本本部財務局長※として業界発展にも貢献しています。
プロフィール詳細(※) ・ISPE日本本部理事(2022年6月~2025年3月) ・ISPE日本本部財務局長(2025年3月~現在) ・株式会社iFactory取締役(2024年2月~2025年8月)
幅広い経験から医薬のプロへ——Iさんが選んだ医薬分野への挑戦
入社したのは1996年。当時はFAプロセス部、いわゆる産業システム系でしたね。医薬、化学、食品、半導体...当時は様々な分野の設計を経験していました。
Iさんのキャリアは、幅広い産業システムのプロセス設計から始まりました。新人時代には化学合成原薬工場で約3か月半の現場実習を経験。「あの時が医薬との最初の接点でした」と振り返ります。
その後も、大手飲料メーカーの工場や日用品メーカーの設備導入、半導体材料メーカーの製造工場など、多様な案件を担当。特に半導体分野では長期にわたり、クリーンルームや高純度薬液・ガスの取り扱いなど、精密な管理を求められる現場で知見を磨きました。
半導体で学んだことは、医薬にも通じるんです。結局、“守るべきことを守る”という姿勢は同じなんですよ。
10年後、本人希望でプロジェクト工事本部へ異動。ここから、キャリアの軸は医薬分野へとシフトします。最初の大きな案件は東北地方の原薬工場。忘れられないのは、東日本大震災直後の対応です。
現場調査の直前に震災が起きて、最初は工程の大幅な延長も検討されました。でも、お客と協議し、安全を確認したうえで、結果として当初の工程から1か月程の見直しですみました。震災直後は交通も制限され、資機材の納期も確約できない中でのことでしたので、あれは本当に印象深い案件でした。
その後は、国内の各種低分子・バイオ原薬設備や増設案件を担当。提案段階から現場まで、品質・コスト・スケジュールを背負い、関係者との調整に心血を注ぐ——それがIさんのスタイルです。
ゼロから形にするTPSの技術開発力
医薬分野で数々のプロジェクトを牽引してきたIさん。長年現場を見てきたからこそ、TPSの強みをどう感じているのか——その答えは、単なるEPC企業の枠を超えた「挑戦する姿勢」にありました。
TPSの強みって一言で言えば、前向きな姿勢ですね。世の中にないものでも、お客さんが困っているなら、自分たちで作ってしまおうという気概があるんです。
TPSは、医薬分野でのプラント建設において、単なるEPCにとどまらず、技術開発力を強みにしています。古くはXYルータに始まり、近年ではウイルス不活化装置や分注充填の自動化装置、シングルユース技術に対応した専用の治具や装置など、お客様の「ちょっとした困りごと」や「こういうものが欲しい」という声を拾い上げ、ゼロから形にしてきました。
お客様の声をちゃんと聞いて、困っていることを拾い上げる。それをどうやって実現するかを一緒に考えるんです。できないことはできないと言いますけど、ただ断るんじゃなくて、代替案を提案する。それがTPSのスタイルですね。
さらに、TPSは連続生産技術「iFactory®」といった新技術の開発にも参画しています。iFactory®は、機能化学品の製造を革新するモジュール型自動連続生産設備。次世代の設備・工場の実現にも挑戦しています。
医薬業界の安定性と直面する課題
「医薬市場は、市場の安定性と高付加価値が最大の特徴です。」と語るIさん。
医薬品は製品の付加価値が高いので、投資も許容されやすい。そこが医薬業界としての強みですね。
そして、もう一つの理由は、市場の安定性です。
医薬品って、どんなことがあっても必要なんですよ。不景気になっても薬はなくならない。治療は続くし、需要は安定している。年間数千億円規模の投資がずっと続いていて、最近は国の政策もあってさらに膨らんでいます。
薬は社会に不可欠な製品であり、景気変動の影響を受けにくい市場です。一方で医薬品に求められる品質は絶対に守らなければならないものであり、プラント建設においても高品質・高信頼性が求められます。
食品や半導体と比較すると、その違いは明確です。食品は毎日消費されるものなので市場は安定していますが利益率は低く、大量生産が前提。半導体は利益率は非常に高いですが、景気変動が大きく、市場としての不安定さがある。
医薬市場の広がりがある一方で、現場は今、大きな課題に直面しています。建設業が全体的に直面する人手不足や規制強化で逼迫。さらに、資材や労務コストの上昇が続き、従来のやり方では納期やコストの確保が難しくなっています。
市場がすごく高騰していて、建設業も人手不足や規制で逼迫しています。残業や休日出勤も制限される中で、工期がどうしても伸びる。これをいかに短納期・低コストで、お客さんの求めるものを作り上げるか——そこが今の最大のテーマです。
TPSは、こうした課題に対し、設計・施工の最適化、BIMやシミュレーションによる精度向上、モジュール化による工期短縮など、低コスト化・短納期化に向けた提案力を強化しています。
変化を楽しみ、未来を創る
医薬分野は、安定性と高付加価値を兼ね備えた市場でありながら、今、業界全体が大きな変化に直面しています。人手不足、コスト高騰、規制強化——課題は山積みです。しかしTPSは、その変化を「革新のチャンス」と捉え、低コスト・短納期化、連続生産技術、モジュール化といった新しいソリューションで挑戦を続けています。
Iさんはこう語ります。
変化を恐れず、むしろ楽しむ。TPSはそういう会社です。
TPSは単なるEPC企業ではありません。顧客の声を拾い上げ、世の中にないものを自分たちで作り出す技術開発力。そして、一品一様のプロジェクトに柔軟に対応する調整力。これらがTPSの強みであり、未来を切り拓く原動力です。
TPSは、医薬分野で次世代の設備・工場を実現し、顧客とともに新しい価値を創り続けます。そして、その挑戦を支えるのは、最後までやり抜くプロジェクトの人たちです。
変化を楽しみ、未来を創る——それがTPSの姿勢です。