一旗の採用ページには、求める人物像の最初に「美意識」という言葉が置かれています。抽象的に聞こえるかもしれませんが、実務ではとても具体的な意味を持っています。
「キービジュアル1枚」が、事業の入口になる
デザイナー/アーティスト職が担うのは、キービジュアル制作、UI/UXデザイン、ブランディングです。
イマーシブ展やプロジェクションマッピングは、体験してもらうまで価値が伝わりにくい商材です。だからこそ、ポスター1枚、サイト1ページ、チケットの1面が、「行ってみよう」と思ってもらえるかどうかを決めてしまう。
会場のサイン計画も同じです。どこから入り、どちらに進み、どこで立ち止まるのか。その導線を、文字と余白と色でつくるのもデザイナーの仕事です。
歴史ある素材を、現代のものとして扱う
浮世絵、妖怪画、城郭、寺社。一旗が扱う素材の多くは、何百年も前につくられたものです。
これらを「そのまま使う」のは、実はいちばん簡単で、いちばんつまらない選択です。かといって、崩しすぎれば元の作品への敬意を欠いてしまう。
原典の構図や色の意図を読み解いたうえで、いまの人が見て美しいと感じる形にどう置き換えるか。歴史文化への敬意と、新しい表現を構想する力の両方が要る仕事です。
迷ったときは、監修の先生方に確認します。この色は当時ありえたのか、この構図は意図を損ねていないか。感覚だけで進めず、根拠を持って崩す。そのプロセスが、作品の強度になります。
印刷物から、巨大な壁面まで
扱うサイズの幅も、この会社の特徴です。手のひらサイズのグッズから、数十メートルの投影面まで。同じビジュアルでも、見る距離が変われば設計は変わります。
大きな面に投影されたとき、細い線は消え、微妙な色差は飛ぶ。実際の会場で確認しながら詰めていく作業は、モニターの中だけでは絶対に身につかない感覚です。
逆に、グッズや図録では印刷の網点まで見えてしまいます。同じ絵を、見る距離ごとに設計し直す。その往復が、この仕事のいちばん面白いところだと思っています。
「良い」を、言葉にして渡す
デザイナーの仕事は、手を動かすことだけではありません。
なぜこの色なのか、なぜこの余白なのか。それをディレクターにも、エンジニアにも、協賛社にも説明できると、案は通りやすくなり、現場での再現度も上がります。
好みの話にしてしまうと、そこで議論が止まります。意図を言葉にできる人ほど、任される範囲が広がっていきます。
入社してすぐは、キービジュアルの一部やSNS用の派生物から関わることが多いです。そこから会場のサイン、図録、グッズと担当が広がり、いずれは展覧会全体のトーンを決める側に回る。どこまで任されるかは、年次ではなく、説明できる範囲の広さで決まっていきます。
こんな方と働きたい
・自分の「良い」を、言葉で説明できる方
・平面だけでなく、空間・体験まで含めてデザインしたい方
・細部への執着を、こだわりではなく品質だと考えられる方
自分がつくったビジュアルが、数十メートルの壁面になって人の前に立つ。その瞬間を見たい方をお待ちしています。