なにをやっているのか
放課後等デイサービス個別学習支援
代表の石田慶子です。うちの会社の事業内容を簡単にご紹介します。
12年前、生駒市で初めて放課後等デイサービスを開所した時は、発達障害という言葉もまだ知らない人が多いような状況でした。
自閉症スペクトラムといわれる子どもたちは、まさに困っていました。何をしても「人と違う」と否定されたり、怒られたり。どうしていいか分からないような世界を生きていたのです。学校の先生も、同級生も、時には家族でさえも、彼ら、彼女のことを困った存在だと思い、どうにか「普通」の子どもになれるようにと、指導的な教育をしていました。
でも私たちは知っていたのです。彼ら、彼女たちは本当にユニークで豊かで優しい世界を持って生きていることを。
私たちはまずは自分たちが発達障害について自閉症について学び、彼ら特有の学びの特性やコミュニケーション方法の違いを理解していきました。難しかったのは、それを放課後の短い時間の中で療育をプログラムとして落とし込んでいくことでした。10人以上の性格も成長過程も違う子どもたちを、プログラムの中で成長を促していくようなアプローチをしていくことはとても困難なことでした。何より、学校と違って、毎日様々な学校からいろんな学年の子どもたちが通うデイサービス事業の中で、職員全員が一人一人のアセスメントを共有し、対応を一致させていくことは難しいことでした。指導者によって言うことが変わったり、サポートの仕方が変わるようであればまた困るのは子どもたちです。スタッフはあの手この手でより良い療育指導の在り方のチャレンジを繰り返しました。
放課後等デイサービス ワンピース /ワンステップ /One to One
相談支援事業 和音
https://mugen-mugen.com
https://www.facebook.com/mugenmugenonepiece
子どもたちの支援を続けていくうちに、障がいのある子どもたちが、社会で差別されることなく、自分らしくあれることが本当に難しいことだと思わざるを得ない現実に問題意識が向くようになりました。こんなにも豊かさや可能性を持って輝いている存在の子どもたちを、社会は(人)健常者や障害者というような区別をし、排除するような在り方が強く広がっていました。「知ること」「出会うこと」「混ざること」でしか、分かり合えないこの隔たりをどうにかしたいと思ったのです。
カフェ・メリメロの名前の意味は「ごちゃまぜ」
このお店はコロナを機にお弁当屋さんとして再出発して「キッチン突き当たり」と名前も変えて運営しています。一見すると、普通のお弁当ショップですが、このお店は「就労継続支援B型事業所Growin'」として障がいや病気を理由に働くことに困難のある方々の支援事業所として運営しています。
他にも軽作業、PC事務作業等、様々な仕事にチャレンジできるのも特徴です。
https://www.instagram.com/kitchen_tsukiatari/
生駒駅からほど近い場所、ビルの1階に「まほうのだがしや チロル堂」はあります。子どもたちは店に入るとガチャガチャの機械に100円を入れて、出てきたチロル札(1枚100円相当)で駄菓子を買います。時にチロル札が2枚や3枚出てくるため、100円以上の価値となることがあります。
さらに、そのチロル札1枚で子どもたちは通常500円の価値があるカレーが食べれたり、300円のポテトフライを食べることができます。
そのことを可能にしているのは、チロル札に魔法がかかっているからです。その魔法をかけているのは、地域の大人たちの寄付。チロル堂はランチやカフェ、そして夜になるとチロる酒場となり、その飲食代の中に寄付(チロ)が含まれています。大人たちはこのチロル堂で食事やお酒を楽しむことで、自然に子どもたちの居場所を支えているという仕組みになっています。
https://www.tyroldo.com
https://www.instagram.com/tyrol.do/
南チロル堂は本店と違って、駄菓子屋のお店番を地域の高校生から高齢者さんまで10数名の方が変わるがわる担ってくれています。地域の大人が地域の子どもたちの居場所を支えることをより表現している場所を目指しています。
家と学校と習い事。日々の活動が限定的にならざるを得なくなった子どもたち。もっといろんな大人に出会ってほしいと強く願っています。「こうなりたい」という大人の姿は思い描けたとしても、「こうなりたくない」大人に出会っていないことはとても怖いことです。なぜなら「そうなれなかった」時に自分だダメだと立ち上がれなくなるからです。
https://www.instagram.com/minami.tyrol.do/
なぜやるのか
みうさんはいつもありのまま。
「自己理解とか、もううんざり」って、うちの会社の職員は思い始めています 笑
そのくらい、自己理解、自己理解、と言い続けてきました。
自己理解と聞くと、自分の中の奥にあるものを自分の手で引っ張り出してくることだと想像してしまいがちですがそれは違います。何が違うかと言うと、自分の手で、ということが無理なのです。
「弱い人には優しくしたい。」
普段からそう私は思っているとします。でも、実際に弱い人を目の前にした時にどうでしょう?
他人からの目が怖くて行動できない。/断られることが怖くて行動できない。/忙しいときには無視できる。
本当にそのものを目の前にした時にこそ、思っていた自分ではないものが表出されるものですね。思っていたようにならない自分は「表出する」こととしてしか確認できません。自分が思い描いているような自分はほとんど幻であり、痛々しいほどの誤解があります。 そうです。自分のことを自分が一番間違って理解していることにまずは立つ必要があるのだと思うのです。
私の長女が障害を持って生まれてきたとき、私は、自分ならこの困難を乗り越えられると思っていました。障害を持った子でも、「生まれてきてくれてありがとうと言える母親になれる」と。
実際に言っていました。分かっている風に振る舞っていました。でも、いつもどこか不安で、不満で、他の子を見て羨ましく思ったり、我が子を恥ずかしいと感じたり、ああなりたい、こうなりたいと、あり得ない未来を期待してみたり。そんな不遜の母親を娘はいつも、変わらない笑顔で迎えてくれました。知的には重度で、理解力も無いし、言葉も持たない娘は、泣くか、笑うかの2択で生きていました。そう、泣く以外のときはずっと笑っている子だったのです。
娘を連れて里帰りしていたある日、実家に縁の深いお寺の住職さんを尋ねていました。日頃の不安がポロッと口をついて出たのはこんな問いでした。
『言葉もなく、歩くこともできず、知恵もない、この子はどうしたら救われますか?』
するとその方がこう言われました。
『この子は救われなければならないような存在ですか?本当に救われなければならないのは一体誰ですか?』
グラグラっと、足元が揺らいだ感じがしました。
あれ? えっ? え〜っ?!問題なのは、私!?
更に私はその言葉を受け止めた後に、眠っている娘の姿を覗きこんでみたとき、また驚いたのです。
こんなにも安心して、満足している存在を私は初めて見たと感じたからです。
私は初めて娘の本当の姿に出会えた気がしました。
障害を持って生まれてきたことに不安で不満だったのは、私の方だった。変わるべきは私だったと、気づいた瞬間でした。
私は、あの時に大きくひっくり返ったのだと思うのです。自分の見ている世界がどんなに狭かったのか。自分の大事にしてきた価値観がどんなに小さかったのか。自分の思い一つで、別の人格を否定し、ダメなものにしてきたのか。
また世の中で、何の役にも立たない存在だと思っていた重度の障害を持った我が子が、私がこれまで積み重ねてきた価値観をひっくり返す大きな学びを与えたこと、そのものにも驚きました。世の中の大事な学びは、大学の先生や、哲学者のような人に教わるものだと思っていましたから。
ーひっくり返される
これまで、正確だと思っていたものをひっくり返されたときに初めて、それまでの自分の姿を見ることができるのです。
ーひっくり返され続ける
特別な変化でなくても、実は日常の中に様々なひっくり返りは潜んでいます。大なり小なり。
ー異なるもの
自分の中には存在しないようなもの。異文化、異世界に、その翻りは存在します。
居心地の良い、同質の中で生きるのは楽ですが、変化は起きません。安心ですが、そこに固執し、異文化を排除し、最後には退屈と孤独が待っています。
ー最後に
なぜ、これほどに、自分に出会うことを大事だと言わなければならないか。
それは自分らしさを最大限に発揮することが、仕事をする上で一番大事なことだと思うからです。知識や、経験や、スキルが高い人が良い仕事をするのではなく、自分らしさを最大限に発揮することができることが一番良い仕事をする人だと思うのです。
自由、わがままに振る舞うことを指しているのではありません。本当に自分らしさを発揮しようとした時に、周りの人たちとの協働無しには成り立たないのも自分らしさです。自分の周りの人も自分らしく在れて初めて、自分も安心して自分らしく在ろうとできるものです。
自己理解を経て、人間とはどこまでも曖昧で揺らぎの存在だということを理解すると、多様な他人の存り方も許容できます。異なるに出会える場所が職場です。「みんな違うけど一緒に目的を果たせる職場」を無限は目指しています。
どうやっているのか
認知心理学をベースにしたコミュニケーションを学ぶ時間。
チームの目的を対話し紡いでいく時間。
こんにちは無限の組織作りの役割を担当してます嶋村です!
ここからは、無限のこれまでの組織作りの歩みと文化について話させていただきます
『ティール組織に魅せられて』
2012年、奈良県生駒で初めてとなる放課後等デイサービスワンピースを立ち上げるべく有志が集まり、無限は誕生しました。
当初、まだ発達障害の療育支援が確立していなかった時に、ABA療育を中心にしたプログラム運営を
実施し、個別支援と集団療育の2本の柱を築いていきました。
そこから
それぞれの強い想いを持った人同士のぶつかり合いが生まれ初め統率が取れないということが起きました。
そこで
初めて組織の在り方を考えだしました。
強いリーダーを育てチームがまとまっていくことを想像してリーダーシップ性の組織づくりを始めていきました。
ですが
統制は取れ、事業は安定したものの働くメンバーの顔から活力がどんどん失われていってしまったのです。
そこから
働くメンバーとの関係性、組織の在り方に悩み模索する中で
『ティール組織』(新たな世界観から生み出される自己組織化組織)というものに出会いました。
そして2019年からこの『ティール組織』の在り方に魅せられ自己組織化の歩みを進めてきたのです。
1⃣ホラクラシー運営の実践
2019年に役職制を終え、各役割に意思決定権が分散され、トップダウン構造とは異なるホラクラシー(Holacracy)という運営体制に移行しました。
それから4年に渡って、自己組織化の運営を実践し続けてきました。
各役割に意思決定権限が置かれ、全メンバーは自分の役割の目的を果たす為の権限と責任を持ち、そして全メンバーが常に組織の構造をアップデートする権限を持ちます。
日々組織の形がアップデートされ続けています。
2⃣自己理解、他者理解への取り組み
働くうえでの自己理解・他者理解を深める様々な取り組みをしてきました。
自分自身への理解を深めていくことが自分の仕事への主体を生み、人生への主体を生むと信じています。
自分を知ることは他者を知る事。
そして、全メンバーが自分で意思決定する権限を持って協働していく中で、他者を理解したコミュニケーションがよりいっそう大事だと考えているからです。
MBTI(ユングのタイプ論をもとにした、国際規格に基づいた性格検査)を用いて全社ワークショップを行い、『情報の受け取り方』『意思決定の仕方』『仕事の進め方』
自分自身、共に働くメンバーの心とその違いを理解することに取り組みました。
加えてNLPやNVCなどの認知心理学をベースにしたコミュニケーション研修を行っており、協働のための自分自身や他者の心の理解を深めていくことを大切にしています。
3⃣情報の開示
意思決定の為の情報が開示されていること
そしてメンバーのそれぞれが意思決定の結果が渡されることがさらなる主体を生んでいくと考えています。
毎週、各役割の取り組みの状況を共有しそして毎月メンバーで全事業所の売り上げからすべての経費までオープンに数字の共有を行います。
お互いの状況を理解し合いチームが繋がっていきます。
4⃣給与やボーナスを新たな形へ
給与やボーナスの在り方にも新たな形を探求していきたいと試行錯誤を重ねています。
自分で宣言して決める、経営者が決めるのではなくメンバー同士の相互評価による決定など様々な『無限らしい在り方』を模索しています
5⃣無限の文化
無限が生まれ12年が経ちました。
事業も一つ一つと広がっていく中で今では福祉だけではない様々なバックボーンと
『優しさ』と『情熱』を持つメンバーが揃っています。
今まで様々な形で学び,対話する場を多く設けてきました。
意見が分かれ、ぶつかった際にも対話し合う文化が無限には根付いています。
そして何よりも『自分らしく』生きたいと強く願う想いが無限の根底に流れています。
『自己や他者を理解し合おうとする文化』『自分らしく決めて変えていくことができる環境』
それが無限です。